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公開日 2014/01/15 18:50
【CES】CES2014 ビデオカメラのトレンドを会田肇が検証する
ソニーなどが4Kモデルを出展。ウェアラブル機も活況
会場内に入りきれないほど大盛況を見せたソニーのプレス・カンファレンス。会場内をグルリと取り囲んだスクリーンにはスピーチする内容に合わせ、様々な映像が繰り広げられる。出展された内容は4K関連を中心としたものだが、その演出には他のカンファレンスにはない華やかさがあった。中でも驚きを持って迎えられたのが、日本でも昨日発表された新“4Kハンディカム”「FDR-AX100」である。
■ソニーの新“4Kハンディカム”「FDR-AX100」に注目が集まる
ソニーは昨年11月に、半ば業務用的な使い方が主体となるハイエンドモデル「FDR-AX1」を発売したばかり。それからわずか3ヵ月。こうも矢継ぎ早に4Kハンディカムが登場するとは、よもや誰も思わなかっただろう。しかも、AX100のサイズはAX1の1/4しかなく、グッとコンパクト。まさにハンディカムと呼ぶ相応しい。これで4K画質をフルで実現しているのだから驚かずにはいられようか。
ただ、単純にサイズを小さくしたのでは画質に当然影響が出る。そこでAX100ではレンズの前玉を大型化して、光学的にも4Kを満足できるよう配慮されている。レンズは新開発のZEISSバリオゾナーT*で、広角端が29mm相当の光学12倍ズームを組み合わせる。採用するセンサーは有効画素で1420万画素、1.0型裏面照射CMOSセンサー「Exmor R」。絞りは7枚羽根の虹彩絞りとなっており、3段階のNDフィルターの採用とも相まって、美しいボケ味が期待できる。ただし、手ブレ補正は通常の光学式手ブレ補正となった。
画像処理エンジンは新世代「BIONZ X」で、録画フォーマットはハイビットレート記録を可能にする「XAVC S」を採用した。これはAX1と同じMP4形式となる。ただし、AX1で実現していた4k/60pはなく、4Kは30p/24p、フルHDは1080/60p/30op/24pでの記録となる。動きのある映像では多少パラパラとした印象は拭えないが、撮影したテスト映像を見る限り不自然な感じはあまり感じなかった。この辺りを“妥協”と考えるか、“十分”と考えるかはユーザーの判断次第となりそうだ。
気になる発売時期だが、米国では3月発売予定となっており、価格は2000ドル。日本でも3月14日発売とアナウンスされた。消費税増税を前に少しでも安く4Kビデオカメラである本機を手に入れたいのであれば事前に予約しておくのが賢明だろう。
HD撮影を行うビデオカメラもモデルチェンジされた。トップモデルはAX100とデザインや手ブレ補正を含めた機能面でほとんどを同じとなる「HDR-CX900」で、最大のポイントは、XAVC Sの採用によってAVCHDでは不可能だったHD 50Mbpsのハイビットレート撮影に対応したこと。センサーやレンズ、画像処理エンジンもAX100と同一で、より高画質なフルHD映像が楽しめる。
一方、空間光学手ブレ補正を搭載したモデルは、それよりさらに下位となる「HDR-PJ810」と「HDR-PJ540」の2機種。広角〜望遠に至るまで全域で13倍の補正効果が得られるのはまさにこの補正機構の特徴でもある。広角端で13倍もの補正効果が得られる光学式手ブレ補正機能を搭載したのはさらに下位の「HDR-PJ340」と「HDR-CX330」。“PJ”型番はプロジェクター機能付きモデルで、なかでもPJ810はプロジェクターの輝度を最大50ルーメンにまで高めている。
それとソニーで見逃せなかったのは『アクションカム』として、ハウジングなしで防滴仕様を備えた「HDR-AS100V」。デザイン的には従来機とほとんど変わらないものの、このままで降雨時でも使えるようになったのは心強い。さすがに防水にはハウジングが必要とのことだが、日常での使い勝手は大幅に広がったと言えるだろう。レンズやCMOSセンサーも新しくなり、画像処理エンジンも最新の「BIONZ X」に変更。50Mbpsによる高解像度な映像が撮影可能となった。他にも本体上部に録画時がわかるタリーランプが追加され、手ブレ補正に対してもアルゴリズムの変更で一段と効果は高まったという。米国での発売は3月を予定し、価格は本体セットが299ドル、ライブビューリモコン付きが399ドルとなる。
■JVCは4K試作機や新製品のタフネスモデルを出展
4Kビデオカメラでは業務用機で先手を打ったJVCは、「GC-PX100」(北米向け仕様)をベースとした4Kモデルを試作機として展示した。センサーは基本的に現行と同じであるものの、4Kでの信号処理を行えるようにしたタイプに変更。4Kの解像度を十分感じられるものとした。ただ、ノイズはまだ多めで、今後の調整が必須となっている。開発担当者の話では、発売時期を年内で想定しているというが、詳細は決まっておらずスペック的にもこれから先、変更の可能性はあるということだ。
すでに日本ではEシリーズの2014年モデルが登場しているが、会場では見慣れないモデルを見つけた。それは「GZ-R70」と「GZ-R10」の2機種。いずれも5mまでの耐水能力、1.5mからの耐落下性能、防塵対策やー10度までの耐寒性能を発揮する、いわゆる“タフネス”モデルだ。ベースとなっているのはEシリーズだが、バッテリーを内蔵タイプとすることでタフネス化を実現。光学40倍ズームや250万画素裏面照射型CMOSセンサーにより、フルHDでの記録を可能とする。
両者の違いはR70にのみ32GBメモリーとLEDライトが装備され、R10はメモリーレスとなる。米国での価格はGZ-R70が499.95ドルで4月発売。GR-Z10は399.95ドルで3月の発売を予定してるという。日本市場向けにも同時期に投入される予定だ。
■パナソニックは“ワイプ撮り”に対応した新製品を発表
昨年のCES2013で4Kビデオカメラによるスルー映像を見せていたパナソニック。今年はその成果が見られるのではないかと思っていたが、残念ながらビデオカメラとしての発表も展示もなかった。代わりに参考出品されていたのが、ウェアラブルカメラとしてHDモデルとして登場している「HX-A100」と、ミラーレス一眼カメラ「DMC-GH3」をそれぞれベースに開発した4K対応モデルだ。詳細なスペックは一切明らかにされていないが、どちらも見かけ上はベース機そのまま。GH3ベースの方はそのまま行けたとしても、AX100の方はセンサーを替えなければ4K対応は難しい。新たなセンサーの搭載も考えられそうだ。担当者によれば今年の前半には両機種とも登場予定とのことで、その時が楽しみではある。
市販モデルとしてパナソニックで話題を呼んだのは、すでに日本でも発表された「HC-W850M」の北米版「HC-W858」(メモリーレス機)。本機には、モニター横に可動式サブカメラを備えた「TWIN CAMERA(日本では“ワイプ撮り”)」を搭載。サブカメラの映像は撮影映像の四隅に“Picture in Picture”として記録でき、たとえばメインカメラで被写体を追いかけつつ撮影者も同時に映し込む。あるいは、メインカメラでは望遠によるアップ映像でサブカメラでは固定焦点による広角映像を映し込むといった具合だ。会場では実際にこれを試してみる人が後を絶たず、この新たな機能にアメリカでも反応は上々の様子だった。
本機のレンズは世界初の「4ドライブレンズシステム」を採用。4つのレンズ群がそれぞれ個別のモーターで動作制御を行うことで、高画質・高倍率ズームとボディの小型化を両立。ボディを大型化することなく20倍の光学ズームを実現した。新開発の有効画素数約600万の裏面照射型MOSセンサーと、新開発の「クリスタルエンジンPRO+」搭載によって、高精細化と高感度化を両立させている。また、効果を強/弱の2段階に切り換えられる「傾き補正」や、「5軸ハイブリッド手ブレ補正」を組み合わせることで傾き・手ブレを大幅に低減してもいる。「HC-V750」はW850のTWIN CAMERA非搭載版となる。
「HC-V550」は、50倍もの光学ズームとiAズームによる90倍もの超望遠撮影を可能にしたモデル。5軸ハイブリッド光学手ブレ補正を搭載して小型ながら優れた効果を発揮する。さらに北米ではさらにベーシックな「HC-V130」もラインナップされる。
北米で販売される機種は、最もベーシックなHC-V130を除き、すべての機種でNFCに対応した無線LAN機能を内蔵。対応スマートフォンとワンタッチでワイヤレス接続ができ、スマートフォンでカメラのライブビューや撮影動画の再生、見どころの自動編集が行える。HC-V250は基本機能こそ日本で販売されるHC-V230に相当するモデルだが、日本仕様にはないNFC対応のWi-Fi機能が備わる。なお、パナソニックではすべてのモデルでメモリーを非搭載とする。
■“自分撮り”で個性を見せるキヤノン
キヤノンはベーシックなビデオカメラとして「Rシリーズ」をマイナーチェンジし、「HF R52」と「HF R50」、「HF R500」の3モデルを発表した。昨年フルモデルチェンジしたR42、 R40、R400の後継機種で、昨年と同じようにR52は32GBメモリーを、R50は8GBメモリーを内蔵し、R500はメモリーレス機としてラインナップされる。過去の経緯から推察すると日本で販売されるのはHF R52のみと予想される。
基本機能こそ前モデルを引き継ぐものの、「ベビーモード」を進化させて登録数を3人までと“子沢山”家庭に対応。アドバンスズーム比は53倍から58倍にまでアップし、Wi-Fiを活用した使い方もさらに拡大した。画質は従来とほぼ同等だが、広角端の画角は38.5mm相当と狭いままとなっている。
キヤノンでこれから伸びそうだと感じたのが、“自分撮り”の分野。キヤノンは昨年、日本でも「iVIS mini」を発売したが、CES2014ではその新モデル「VIXIA min X」が出展された。米国での発売は3月とのことで、399.99ドルを予定しているという。
“置き撮り”するスタイルはこれまでと同じとするが、デザイン面ではより精悍なイメージに仕上がっている。なかでも大きく変わったのは記録モードで、従来はMP4での記録のみだったものが、新たにAVCHDを追加。音声もリニアPCMに対応して高音質記録が可能になっている。レンズスペックは従来機と同じだが、MP4時の画角16.8mm相当が、AVCHDだと17.5mに若干狭くなる。センサーや液晶モニターに変更はない。
■各社で異なる4Kへの姿勢。そして2015年への期待
CES2014においてはテレビがもはや4Kであることが当たり前であると感じる一方で、肝心の4Kコンテンツが不足しているのは昨年とあまり変わらない。その意味で、4Kビデオカメラの登場は、4Kならではの世界が身近に感じられるようになるきっかけとなろう。
ただ、4Kへの対応は各社ごとに異なっていたというのが正直な感想。ソニーは昨年単なるモックアップで、パナソニックはスルー画を見せていたが、それから1年が経ち、進化の状況は明らかに逆転した感がある。JVCはもともと新分野に対して果敢に取り組む姿勢を見せていたが、パナソニックは少々4Kビデオカメラに対してトーンダウンしてしまったのだろうか。
この疑問を会場でパナソニックの担当者にぶつけると「開発はずっと行っており、見せるに至っていないだけ」とする。とはいえ、ウェアラブルカメラやミラーレス一眼カメラの方が先に4K対応してしまうのは確実な様子で、来年のCES2015までに状況はどうなっているのか。興味は尽きない。
■ソニーの新“4Kハンディカム”「FDR-AX100」に注目が集まる
ソニーは昨年11月に、半ば業務用的な使い方が主体となるハイエンドモデル「FDR-AX1」を発売したばかり。それからわずか3ヵ月。こうも矢継ぎ早に4Kハンディカムが登場するとは、よもや誰も思わなかっただろう。しかも、AX100のサイズはAX1の1/4しかなく、グッとコンパクト。まさにハンディカムと呼ぶ相応しい。これで4K画質をフルで実現しているのだから驚かずにはいられようか。
ただ、単純にサイズを小さくしたのでは画質に当然影響が出る。そこでAX100ではレンズの前玉を大型化して、光学的にも4Kを満足できるよう配慮されている。レンズは新開発のZEISSバリオゾナーT*で、広角端が29mm相当の光学12倍ズームを組み合わせる。採用するセンサーは有効画素で1420万画素、1.0型裏面照射CMOSセンサー「Exmor R」。絞りは7枚羽根の虹彩絞りとなっており、3段階のNDフィルターの採用とも相まって、美しいボケ味が期待できる。ただし、手ブレ補正は通常の光学式手ブレ補正となった。
画像処理エンジンは新世代「BIONZ X」で、録画フォーマットはハイビットレート記録を可能にする「XAVC S」を採用した。これはAX1と同じMP4形式となる。ただし、AX1で実現していた4k/60pはなく、4Kは30p/24p、フルHDは1080/60p/30op/24pでの記録となる。動きのある映像では多少パラパラとした印象は拭えないが、撮影したテスト映像を見る限り不自然な感じはあまり感じなかった。この辺りを“妥協”と考えるか、“十分”と考えるかはユーザーの判断次第となりそうだ。
気になる発売時期だが、米国では3月発売予定となっており、価格は2000ドル。日本でも3月14日発売とアナウンスされた。消費税増税を前に少しでも安く4Kビデオカメラである本機を手に入れたいのであれば事前に予約しておくのが賢明だろう。
HD撮影を行うビデオカメラもモデルチェンジされた。トップモデルはAX100とデザインや手ブレ補正を含めた機能面でほとんどを同じとなる「HDR-CX900」で、最大のポイントは、XAVC Sの採用によってAVCHDでは不可能だったHD 50Mbpsのハイビットレート撮影に対応したこと。センサーやレンズ、画像処理エンジンもAX100と同一で、より高画質なフルHD映像が楽しめる。
一方、空間光学手ブレ補正を搭載したモデルは、それよりさらに下位となる「HDR-PJ810」と「HDR-PJ540」の2機種。広角〜望遠に至るまで全域で13倍の補正効果が得られるのはまさにこの補正機構の特徴でもある。広角端で13倍もの補正効果が得られる光学式手ブレ補正機能を搭載したのはさらに下位の「HDR-PJ340」と「HDR-CX330」。“PJ”型番はプロジェクター機能付きモデルで、なかでもPJ810はプロジェクターの輝度を最大50ルーメンにまで高めている。
それとソニーで見逃せなかったのは『アクションカム』として、ハウジングなしで防滴仕様を備えた「HDR-AS100V」。デザイン的には従来機とほとんど変わらないものの、このままで降雨時でも使えるようになったのは心強い。さすがに防水にはハウジングが必要とのことだが、日常での使い勝手は大幅に広がったと言えるだろう。レンズやCMOSセンサーも新しくなり、画像処理エンジンも最新の「BIONZ X」に変更。50Mbpsによる高解像度な映像が撮影可能となった。他にも本体上部に録画時がわかるタリーランプが追加され、手ブレ補正に対してもアルゴリズムの変更で一段と効果は高まったという。米国での発売は3月を予定し、価格は本体セットが299ドル、ライブビューリモコン付きが399ドルとなる。
■JVCは4K試作機や新製品のタフネスモデルを出展
4Kビデオカメラでは業務用機で先手を打ったJVCは、「GC-PX100」(北米向け仕様)をベースとした4Kモデルを試作機として展示した。センサーは基本的に現行と同じであるものの、4Kでの信号処理を行えるようにしたタイプに変更。4Kの解像度を十分感じられるものとした。ただ、ノイズはまだ多めで、今後の調整が必須となっている。開発担当者の話では、発売時期を年内で想定しているというが、詳細は決まっておらずスペック的にもこれから先、変更の可能性はあるということだ。
すでに日本ではEシリーズの2014年モデルが登場しているが、会場では見慣れないモデルを見つけた。それは「GZ-R70」と「GZ-R10」の2機種。いずれも5mまでの耐水能力、1.5mからの耐落下性能、防塵対策やー10度までの耐寒性能を発揮する、いわゆる“タフネス”モデルだ。ベースとなっているのはEシリーズだが、バッテリーを内蔵タイプとすることでタフネス化を実現。光学40倍ズームや250万画素裏面照射型CMOSセンサーにより、フルHDでの記録を可能とする。
両者の違いはR70にのみ32GBメモリーとLEDライトが装備され、R10はメモリーレスとなる。米国での価格はGZ-R70が499.95ドルで4月発売。GR-Z10は399.95ドルで3月の発売を予定してるという。日本市場向けにも同時期に投入される予定だ。
■パナソニックは“ワイプ撮り”に対応した新製品を発表
昨年のCES2013で4Kビデオカメラによるスルー映像を見せていたパナソニック。今年はその成果が見られるのではないかと思っていたが、残念ながらビデオカメラとしての発表も展示もなかった。代わりに参考出品されていたのが、ウェアラブルカメラとしてHDモデルとして登場している「HX-A100」と、ミラーレス一眼カメラ「DMC-GH3」をそれぞれベースに開発した4K対応モデルだ。詳細なスペックは一切明らかにされていないが、どちらも見かけ上はベース機そのまま。GH3ベースの方はそのまま行けたとしても、AX100の方はセンサーを替えなければ4K対応は難しい。新たなセンサーの搭載も考えられそうだ。担当者によれば今年の前半には両機種とも登場予定とのことで、その時が楽しみではある。
市販モデルとしてパナソニックで話題を呼んだのは、すでに日本でも発表された「HC-W850M」の北米版「HC-W858」(メモリーレス機)。本機には、モニター横に可動式サブカメラを備えた「TWIN CAMERA(日本では“ワイプ撮り”)」を搭載。サブカメラの映像は撮影映像の四隅に“Picture in Picture”として記録でき、たとえばメインカメラで被写体を追いかけつつ撮影者も同時に映し込む。あるいは、メインカメラでは望遠によるアップ映像でサブカメラでは固定焦点による広角映像を映し込むといった具合だ。会場では実際にこれを試してみる人が後を絶たず、この新たな機能にアメリカでも反応は上々の様子だった。
本機のレンズは世界初の「4ドライブレンズシステム」を採用。4つのレンズ群がそれぞれ個別のモーターで動作制御を行うことで、高画質・高倍率ズームとボディの小型化を両立。ボディを大型化することなく20倍の光学ズームを実現した。新開発の有効画素数約600万の裏面照射型MOSセンサーと、新開発の「クリスタルエンジンPRO+」搭載によって、高精細化と高感度化を両立させている。また、効果を強/弱の2段階に切り換えられる「傾き補正」や、「5軸ハイブリッド手ブレ補正」を組み合わせることで傾き・手ブレを大幅に低減してもいる。「HC-V750」はW850のTWIN CAMERA非搭載版となる。
「HC-V550」は、50倍もの光学ズームとiAズームによる90倍もの超望遠撮影を可能にしたモデル。5軸ハイブリッド光学手ブレ補正を搭載して小型ながら優れた効果を発揮する。さらに北米ではさらにベーシックな「HC-V130」もラインナップされる。
北米で販売される機種は、最もベーシックなHC-V130を除き、すべての機種でNFCに対応した無線LAN機能を内蔵。対応スマートフォンとワンタッチでワイヤレス接続ができ、スマートフォンでカメラのライブビューや撮影動画の再生、見どころの自動編集が行える。HC-V250は基本機能こそ日本で販売されるHC-V230に相当するモデルだが、日本仕様にはないNFC対応のWi-Fi機能が備わる。なお、パナソニックではすべてのモデルでメモリーを非搭載とする。
■“自分撮り”で個性を見せるキヤノン
キヤノンはベーシックなビデオカメラとして「Rシリーズ」をマイナーチェンジし、「HF R52」と「HF R50」、「HF R500」の3モデルを発表した。昨年フルモデルチェンジしたR42、 R40、R400の後継機種で、昨年と同じようにR52は32GBメモリーを、R50は8GBメモリーを内蔵し、R500はメモリーレス機としてラインナップされる。過去の経緯から推察すると日本で販売されるのはHF R52のみと予想される。
基本機能こそ前モデルを引き継ぐものの、「ベビーモード」を進化させて登録数を3人までと“子沢山”家庭に対応。アドバンスズーム比は53倍から58倍にまでアップし、Wi-Fiを活用した使い方もさらに拡大した。画質は従来とほぼ同等だが、広角端の画角は38.5mm相当と狭いままとなっている。
キヤノンでこれから伸びそうだと感じたのが、“自分撮り”の分野。キヤノンは昨年、日本でも「iVIS mini」を発売したが、CES2014ではその新モデル「VIXIA min X」が出展された。米国での発売は3月とのことで、399.99ドルを予定しているという。
“置き撮り”するスタイルはこれまでと同じとするが、デザイン面ではより精悍なイメージに仕上がっている。なかでも大きく変わったのは記録モードで、従来はMP4での記録のみだったものが、新たにAVCHDを追加。音声もリニアPCMに対応して高音質記録が可能になっている。レンズスペックは従来機と同じだが、MP4時の画角16.8mm相当が、AVCHDだと17.5mに若干狭くなる。センサーや液晶モニターに変更はない。
■各社で異なる4Kへの姿勢。そして2015年への期待
CES2014においてはテレビがもはや4Kであることが当たり前であると感じる一方で、肝心の4Kコンテンツが不足しているのは昨年とあまり変わらない。その意味で、4Kビデオカメラの登場は、4Kならではの世界が身近に感じられるようになるきっかけとなろう。
ただ、4Kへの対応は各社ごとに異なっていたというのが正直な感想。ソニーは昨年単なるモックアップで、パナソニックはスルー画を見せていたが、それから1年が経ち、進化の状況は明らかに逆転した感がある。JVCはもともと新分野に対して果敢に取り組む姿勢を見せていたが、パナソニックは少々4Kビデオカメラに対してトーンダウンしてしまったのだろうか。
この疑問を会場でパナソニックの担当者にぶつけると「開発はずっと行っており、見せるに至っていないだけ」とする。とはいえ、ウェアラブルカメラやミラーレス一眼カメラの方が先に4K対応してしまうのは確実な様子で、来年のCES2015までに状況はどうなっているのか。興味は尽きない。