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公開日 2017/04/05 19:10
DAZNがJリーグ中継の制作現場を公開。25フレーム映像を英経由で配信、新番組もスタート
コンテンツ制作本部長が現場を紹介
スポーツ特化型映像配信サービス「DAZN(ダ・ゾーン)」は、一部メディアに対し、同社オフィスの様子を公開するメディアツアーを実施。Jリーグを中心としたコンテンツ制作現場を披露するとともに、番組制作に対する考え方などを改めて紹介した。
■Jリーグ中継を中心に制作現場をメディアへ披露
DAZNでは、映像制作関連作業のためのオフィスを東京・大門に展開。日本全国のスタジアムから送られてくるJリーグの中継映像を、配信のためにIP変換したり、海外から買い付けた映像に日本語の実況・解説をつける作業などを行っている。
同社オフィスには、一般的な放送局で「マスターコントロールルーム」の役割を担う「プロダクションコントロールルーム」およびサブコントロールルーム、海外映像に日本語実況をつけるための音声収録室、BGMやナレーションをつける作業を行うMAルームなどの各種設備を装備。当然だが、最終的に配信するまでの一連の作業を、すべて社内でまかなえる体制になっている。
なお、DAZNでは日本で撮影・制作したコンテンツもいったんイギリス・ロンドンのマスターサーバに送ってから改めて日本で配信するというスタイルをとっている。このため、ロンドンの設備のみをマスターコントロールルームと呼び、日本(およびドイツ・ミュンヘン)の調整室は上記のようにプロダクションコントロールルームと呼んでいるという。
また、イギリスを拠点にグローバルでサービスを展開していることや、ヨーロッパ各国のサッカーの試合映像を取り扱っていることなどから、DAZNの映像は欧州で採用されているPAL規格を採用。日本で配信される映像のフレームレートも、日本やアメリカが採用するNTSC規格での30fps(秒間30コマ)ではなく、PAL規格での25fps(秒間25コマ)で配信している。
なお、解像度は最高でフルHD(1080i)。テレビなのかPCなのかスマートフォンなのかといった再生端末や、ネット回線の速度などユーザーの状況によって自動判断して画質を調整する。
なお、日本で撮影した映像をイギリス経由で配信することについて、DAZNを運営するパフォームの水野重理氏は「技術も進化している時代なので、それが原因で映像が遅延したりといったことはないと考えている」とコメント。また、「PALかNTSCかといったこともあまり関係ないと思っている」とし、フルHDでの配信であったり、欧州で培ったスポーツ映像制作のノウハウの投入などで高品質の映像を届けるとした。
■同時進行中の試合を“いいとこ取り”視聴できるザッピング番組
Jリーグ関係のコンテンツの視聴状況は、生中継が50%強、見逃し配信が40%程度とのこと。「実際に調査したわけではないので個人の印象になってしまうが、スタジアムで生観戦して、帰宅してから見逃し配信をチェックするという方も多いのではないか」(水野氏)という。
また、応援するチームとは別に優勝争いの動向が気になるなど「試合が多いのでザッピングの価値はあるのかなと思っている」とコメント。J1/J2/J3の複数の試合を同時、かつ注目シーンだけを集めてライブ放送する番組「Jリーグ・ゾーン」を開始した背景も紹介した。
このJリーグ・ゾーンでは、1画面内に3つの枠を用意し、各枠にそれぞれ別の試合を表示。各地で行われている試合をDAZNのスタッフがチェックし、ゴールが決まったりチャンスになりそうなシーンを次々に切り替えて表示する。「DAZNは1アカウントで2端末まで同時視聴可能なので、テレビでは自分が応援しているチームの試合だけを再生し、タブレットではJリーグ・ゾーンで他会場の様子をチェックする、といったような使い方ができる」とした。
番組の制作にあたっては、各試合をチェックするディレクター、映像切替などの作業担当者、さらに、Twitter(※「#JZN」のハッシュタグがつけられた投稿を番組内でも表示する)のチェックなどを行う担当者という3人体制で作業。チャンスシーンを見逃さないよう細心の注意を払いながらライブ配信に臨んでいるという。
■日曜夕方は中継カメラが増える特別な中継「サンデー・Jプライム」も
そのほか、Jリーグ中継については、通常時よりも撮影カメラ台数を増やして配信する「サンデー・Jプライム」も展開中。こちらは毎節日曜日17時(夏季は18時30分)開始の試合から1試合を対象にし、スーパースローやゴールネットカメラなどの特殊カメラによる映像も楽しめるようにしている。
撮影カメラを増やす試合の対象を日曜夕方にしたのは、「週末の締めくくりとして、ビッグゲームを家の大画面でゆっくり見てもらおうという狙い」とのこと。「日程が合うかなどの問題もあるが、全国のスタジアムでやりたいと思っている。正式に決定したわけではないが、例えば(昇格争いなどで白熱する)J2の最後の何試合かでやりたいとも考えている」という。
なおJ1の場合は通常9台のカメラが16台に増えるが、J2の試合をサンデー・Jプライムで放映する場合は、普段がカメラ5台での撮影であるところを9台に増やすことを基本にし、状況によってそれ以上の台数を用意するとのこと。
またカメラ台数で言うと、J3はさらに少ない4台での撮影だが、「カメラが少ないから中継映像のクオリティも低くなるかと言うとそうではない」と水野氏はコメント。「1台のカメラがカバーしなければいけない範囲が増えるのでスタッフの技量は求められるが、実際に見てみても、J3の映像制作を担当してもらっている各制作会社の制作能力は高いと感じている」と述べた。
こうしたJリーグ中継においては、「統一感がひとつのキーワード」と説明。「去年までは各制作会社の機材がバラバラで、最終的な映像にもどうしてもバラツキが出た」とし、「今年はJリーグが機材を用意して各制作会社に渡している。また、カメラポジションも統一してるし、様々な形でバラツキのない、品質の高いものにする。これによってJリーグの価値も上がると考えている」と続けた。
■Jリーグ中継を中心に制作現場をメディアへ披露
DAZNでは、映像制作関連作業のためのオフィスを東京・大門に展開。日本全国のスタジアムから送られてくるJリーグの中継映像を、配信のためにIP変換したり、海外から買い付けた映像に日本語の実況・解説をつける作業などを行っている。
同社オフィスには、一般的な放送局で「マスターコントロールルーム」の役割を担う「プロダクションコントロールルーム」およびサブコントロールルーム、海外映像に日本語実況をつけるための音声収録室、BGMやナレーションをつける作業を行うMAルームなどの各種設備を装備。当然だが、最終的に配信するまでの一連の作業を、すべて社内でまかなえる体制になっている。
なお、DAZNでは日本で撮影・制作したコンテンツもいったんイギリス・ロンドンのマスターサーバに送ってから改めて日本で配信するというスタイルをとっている。このため、ロンドンの設備のみをマスターコントロールルームと呼び、日本(およびドイツ・ミュンヘン)の調整室は上記のようにプロダクションコントロールルームと呼んでいるという。
また、イギリスを拠点にグローバルでサービスを展開していることや、ヨーロッパ各国のサッカーの試合映像を取り扱っていることなどから、DAZNの映像は欧州で採用されているPAL規格を採用。日本で配信される映像のフレームレートも、日本やアメリカが採用するNTSC規格での30fps(秒間30コマ)ではなく、PAL規格での25fps(秒間25コマ)で配信している。
なお、解像度は最高でフルHD(1080i)。テレビなのかPCなのかスマートフォンなのかといった再生端末や、ネット回線の速度などユーザーの状況によって自動判断して画質を調整する。
なお、日本で撮影した映像をイギリス経由で配信することについて、DAZNを運営するパフォームの水野重理氏は「技術も進化している時代なので、それが原因で映像が遅延したりといったことはないと考えている」とコメント。また、「PALかNTSCかといったこともあまり関係ないと思っている」とし、フルHDでの配信であったり、欧州で培ったスポーツ映像制作のノウハウの投入などで高品質の映像を届けるとした。
■同時進行中の試合を“いいとこ取り”視聴できるザッピング番組
Jリーグ関係のコンテンツの視聴状況は、生中継が50%強、見逃し配信が40%程度とのこと。「実際に調査したわけではないので個人の印象になってしまうが、スタジアムで生観戦して、帰宅してから見逃し配信をチェックするという方も多いのではないか」(水野氏)という。
また、応援するチームとは別に優勝争いの動向が気になるなど「試合が多いのでザッピングの価値はあるのかなと思っている」とコメント。J1/J2/J3の複数の試合を同時、かつ注目シーンだけを集めてライブ放送する番組「Jリーグ・ゾーン」を開始した背景も紹介した。
このJリーグ・ゾーンでは、1画面内に3つの枠を用意し、各枠にそれぞれ別の試合を表示。各地で行われている試合をDAZNのスタッフがチェックし、ゴールが決まったりチャンスになりそうなシーンを次々に切り替えて表示する。「DAZNは1アカウントで2端末まで同時視聴可能なので、テレビでは自分が応援しているチームの試合だけを再生し、タブレットではJリーグ・ゾーンで他会場の様子をチェックする、といったような使い方ができる」とした。
番組の制作にあたっては、各試合をチェックするディレクター、映像切替などの作業担当者、さらに、Twitter(※「#JZN」のハッシュタグがつけられた投稿を番組内でも表示する)のチェックなどを行う担当者という3人体制で作業。チャンスシーンを見逃さないよう細心の注意を払いながらライブ配信に臨んでいるという。
■日曜夕方は中継カメラが増える特別な中継「サンデー・Jプライム」も
そのほか、Jリーグ中継については、通常時よりも撮影カメラ台数を増やして配信する「サンデー・Jプライム」も展開中。こちらは毎節日曜日17時(夏季は18時30分)開始の試合から1試合を対象にし、スーパースローやゴールネットカメラなどの特殊カメラによる映像も楽しめるようにしている。
撮影カメラを増やす試合の対象を日曜夕方にしたのは、「週末の締めくくりとして、ビッグゲームを家の大画面でゆっくり見てもらおうという狙い」とのこと。「日程が合うかなどの問題もあるが、全国のスタジアムでやりたいと思っている。正式に決定したわけではないが、例えば(昇格争いなどで白熱する)J2の最後の何試合かでやりたいとも考えている」という。
なおJ1の場合は通常9台のカメラが16台に増えるが、J2の試合をサンデー・Jプライムで放映する場合は、普段がカメラ5台での撮影であるところを9台に増やすことを基本にし、状況によってそれ以上の台数を用意するとのこと。
またカメラ台数で言うと、J3はさらに少ない4台での撮影だが、「カメラが少ないから中継映像のクオリティも低くなるかと言うとそうではない」と水野氏はコメント。「1台のカメラがカバーしなければいけない範囲が増えるのでスタッフの技量は求められるが、実際に見てみても、J3の映像制作を担当してもらっている各制作会社の制作能力は高いと感じている」と述べた。
こうしたJリーグ中継においては、「統一感がひとつのキーワード」と説明。「去年までは各制作会社の機材がバラバラで、最終的な映像にもどうしてもバラツキが出た」とし、「今年はJリーグが機材を用意して各制作会社に渡している。また、カメラポジションも統一してるし、様々な形でバラツキのない、品質の高いものにする。これによってJリーグの価値も上がると考えている」と続けた。