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公開日 2023/10/16 19:12
<CEATEC>JVC ケンウッド、立体映像×立体音響の超没入体験/TDK、網膜投影式VR・MRデバイス
「世界最薄のラジカセ」展示も
エレクトロニクス/IoT関連の見本市「CEATEC 2023」が、10月17日-20日の4日間にわたって開催される。本日10月16日、一般開催に先駆けてメディアを対象としたプレスデイを実施。本稿ではJVC ケンウッド、TDKブースの内容をレポートする。
■JVC ケンウッド/組み合わせによる多彩なソリューションを提案
JVC ケンウッドでは、「fusion for the future ― JVCケンウッドが考える融合から生まれる未来へのインターフェース」をコンセプトにしたソリューションを展開。その幾つかは来場者が体感可能となっている。
独自の頭外定位技術「EXOFIELD(エクソフィールド)」にボリュメトリック撮影された立体映像を組み合わせた「イマーシブエンターテインメントシステム」は、ユーザーの視点に追従して映像の見え方を変えるVRコンテンツに立体音響技術を組み合わせることでさらなる没入感を目指したというもの。
デモ映像は、新日本フィルハーモニー交響楽団による「ボレロ」の演奏。音は楽団員一人一人の演奏をビクタースタジオで収録。映像は株式会社CRESCENTの4D STUDIOで一人一人演奏シーンを撮影している。
ユーザーの動きに連動して映像の見え方が変わるVRコンテンツに同社の立体音響を組み合わせることで、演奏者(音源)に近づくことで「音の大きさ、聴こえ方が変わる」という体験を味わうことができる。
立体音響の効果を最大限楽しめるよう、イマーシブエンターテインメントシステム視聴前に、耳の特性をチェックするキャリブレーションも実施。8つのサウンドパターンを試聴後、立体的に聴こえるパターンをコンテンツに反映することで、立体音響の方向や前後感が誤り無くしっかり聴くことができるとのことだ。
同社の展開する音楽クリエイター向けWebサービス「QUIET STARS(クワイエットスターズ)」と、東京藝術大学 音楽学部の研究チームが制作した「AIベートーベン」による実証実験ではAIとの共創を模索。「現代クリエイターと“AIベートーベン”が時空を超えて融合し、どのような楽曲が生まれるのか検証する」という。
AIベートーベンは、エリーゼに恋をし、「エリーゼのために」を作曲した……という逸話に準え、被写体の顔を読み取ってオリジナル楽曲を作曲するというソリューション。表情や性別、笑顔の有無のほか、実際に描かれたエリーゼの肖像画とのマッチ度合いも考慮した上で作曲を行う。
なお、エリーゼとの類似点が少ない人間の顔を見ると大幅に曲調が変わるため、記者(30代・独身男性・オタク)が目の前に立つとAIベートーベンのモチベーションもさほど上がらなかったのか、“素晴らしいメロディ”を披露してくれた。
AIベートーベンの作曲アルゴリズムにも目を見張るものがあるが、本ソリューションの最終目標は、先ほども触れた通りAIとの共創だ。AIベートーベンが作曲した「あなたのための曲」を起点に、JVCケンウッドの楽曲制作プラットフォーム「QUIET STARS」の登録者がそれぞれの感性による音を重ねていくことで、「あなたのための曲」がどういったハーモニーを奏でてくれるか、来場の際に試していただきたい。
■TDK/視力に左右されないAR・VRグラス
TDKでは、同社とQDレーザが共同開発した超小型フルカラーレーザーモジュールを搭載したARグラス、VRゴーグルを展示している。
ARグラスは、映像をレーザーとして網膜に直接投映して映像を映し出すことで、ディスプレイに映像を映し出す現行のARグラスと比較して、広い視野角と1,200万色の表示と高解像映像の表示に対応する。
実際に試してみたところ、説明の通り描画される映像は非常に精細だった。網膜に投映されるレーザーは蛍光灯より微弱な光になっているとのことで、人体への影響は最低限に抑えられている。
また、網膜投映方式を採用することで、表示映像に焦点を合わせる必要がない。遠方に見える現実の風景も、ぼやけることなくはっきり見ることができるため、「実用化の際には利用者の視線の先に道案内表示を行うといった利用シーンなどで活用できれば」とブーススタッフは説明してくれた。
世界初展示となるVRゴーグルは、両眼に網膜投影を行うことで立体的な映像描画を可能にしたもの。構造的には通常のVRゴーグルと変わらないが、「ディスプレイに焦点を合わせる必要のある通常のVRゴーグルと比較して、網膜投影を行うことでVR酔いが軽減される」というメリットを備える。
そのほか、同社の薄型スピーカー「PiezoListen」を用いて制作された“世界最薄のラジカセ”「Boombox」を展示。
著名な米国のエンジニアジョー・グランド氏によるハンドメイドで、その薄さは約12mm。カセットテープにはTDKのものを用い、実際にリールが駆動するのだが、楽曲再生はRaspberry Piを組み込み、Pythonベースのミュージックサーバー上の楽曲を再生する。つまり、厳密にいうとラジカセでは無いが、TDKの特設ページにもあるよう、同社の歴史へのリスペクトが集結したものとして紹介されていた。
■JVC ケンウッド/組み合わせによる多彩なソリューションを提案
JVC ケンウッドでは、「fusion for the future ― JVCケンウッドが考える融合から生まれる未来へのインターフェース」をコンセプトにしたソリューションを展開。その幾つかは来場者が体感可能となっている。
独自の頭外定位技術「EXOFIELD(エクソフィールド)」にボリュメトリック撮影された立体映像を組み合わせた「イマーシブエンターテインメントシステム」は、ユーザーの視点に追従して映像の見え方を変えるVRコンテンツに立体音響技術を組み合わせることでさらなる没入感を目指したというもの。
デモ映像は、新日本フィルハーモニー交響楽団による「ボレロ」の演奏。音は楽団員一人一人の演奏をビクタースタジオで収録。映像は株式会社CRESCENTの4D STUDIOで一人一人演奏シーンを撮影している。
ユーザーの動きに連動して映像の見え方が変わるVRコンテンツに同社の立体音響を組み合わせることで、演奏者(音源)に近づくことで「音の大きさ、聴こえ方が変わる」という体験を味わうことができる。
立体音響の効果を最大限楽しめるよう、イマーシブエンターテインメントシステム視聴前に、耳の特性をチェックするキャリブレーションも実施。8つのサウンドパターンを試聴後、立体的に聴こえるパターンをコンテンツに反映することで、立体音響の方向や前後感が誤り無くしっかり聴くことができるとのことだ。
同社の展開する音楽クリエイター向けWebサービス「QUIET STARS(クワイエットスターズ)」と、東京藝術大学 音楽学部の研究チームが制作した「AIベートーベン」による実証実験ではAIとの共創を模索。「現代クリエイターと“AIベートーベン”が時空を超えて融合し、どのような楽曲が生まれるのか検証する」という。
AIベートーベンは、エリーゼに恋をし、「エリーゼのために」を作曲した……という逸話に準え、被写体の顔を読み取ってオリジナル楽曲を作曲するというソリューション。表情や性別、笑顔の有無のほか、実際に描かれたエリーゼの肖像画とのマッチ度合いも考慮した上で作曲を行う。
なお、エリーゼとの類似点が少ない人間の顔を見ると大幅に曲調が変わるため、記者(30代・独身男性・オタク)が目の前に立つとAIベートーベンのモチベーションもさほど上がらなかったのか、“素晴らしいメロディ”を披露してくれた。
AIベートーベンの作曲アルゴリズムにも目を見張るものがあるが、本ソリューションの最終目標は、先ほども触れた通りAIとの共創だ。AIベートーベンが作曲した「あなたのための曲」を起点に、JVCケンウッドの楽曲制作プラットフォーム「QUIET STARS」の登録者がそれぞれの感性による音を重ねていくことで、「あなたのための曲」がどういったハーモニーを奏でてくれるか、来場の際に試していただきたい。
■TDK/視力に左右されないAR・VRグラス
TDKでは、同社とQDレーザが共同開発した超小型フルカラーレーザーモジュールを搭載したARグラス、VRゴーグルを展示している。
ARグラスは、映像をレーザーとして網膜に直接投映して映像を映し出すことで、ディスプレイに映像を映し出す現行のARグラスと比較して、広い視野角と1,200万色の表示と高解像映像の表示に対応する。
実際に試してみたところ、説明の通り描画される映像は非常に精細だった。網膜に投映されるレーザーは蛍光灯より微弱な光になっているとのことで、人体への影響は最低限に抑えられている。
また、網膜投映方式を採用することで、表示映像に焦点を合わせる必要がない。遠方に見える現実の風景も、ぼやけることなくはっきり見ることができるため、「実用化の際には利用者の視線の先に道案内表示を行うといった利用シーンなどで活用できれば」とブーススタッフは説明してくれた。
世界初展示となるVRゴーグルは、両眼に網膜投影を行うことで立体的な映像描画を可能にしたもの。構造的には通常のVRゴーグルと変わらないが、「ディスプレイに焦点を合わせる必要のある通常のVRゴーグルと比較して、網膜投影を行うことでVR酔いが軽減される」というメリットを備える。
そのほか、同社の薄型スピーカー「PiezoListen」を用いて制作された“世界最薄のラジカセ”「Boombox」を展示。
著名な米国のエンジニアジョー・グランド氏によるハンドメイドで、その薄さは約12mm。カセットテープにはTDKのものを用い、実際にリールが駆動するのだが、楽曲再生はRaspberry Piを組み込み、Pythonベースのミュージックサーバー上の楽曲を再生する。つまり、厳密にいうとラジカセでは無いが、TDKの特設ページにもあるよう、同社の歴史へのリスペクトが集結したものとして紹介されていた。