FIIO、セパレートDAC方式採用のポータブルヘッドホンアンプ「Q15」

エミライは、FIIOのAKM最新フラッグシップチップ「AKM4191＋AK4499EX」を採用したDAC内蔵ポータブルヘッドホンアンプ「Q15」を1月26日に発売する。価格はオープンだが、税込71,500円前後での実売が予想される。

デジタルフィルターとデルタシグマ変調を担当する「AK4191EQ」とアナログDACを担当する「AK4499EX」からなるセパレートDAC方式を採用したポータブルヘッドホンアンプ。デジタル処理とアナログ処理の分離に加え、抵抗素子の個体差を平準化する「DWA Routing Technology」を組み合わせ、チップレベルでのS/N比を向上。2019年発売の「Q5s」の後継モデルとしてあらゆる性能・機能を最新版にアップデートしたモデルだと同社は説明している。

同社のハイエンドポータブルDAC/ヘッドホンアンプ「Q7」と同レベルのデジタルコンポーネントを搭載する。XMOS 16コア XU316の搭載により、PCM768kHz/32bit、DSD512入力、MQAフルデコードをサポート。TI Cortex M4 プロセッサーによって様々なシステムの安定かつ効率的な動作を実現する。デュアル・オーディオ水晶発振器/非同期 自己適応型デュアルモード管理により、多種多様な音源やサンプリングレートに正確かつ安定的な動作を行うことができる。

接続性については用途に応じたデコードモードを搭載することで様々なデバイスに対応する。コンピューター/スマートフォン/タブレット/ゲーム機を対象としたUSBモードでは、PCM最大768kHz/32bit、DSD512をサポート。BluetoothモードではQualcomm製SoC「QCC5125」の搭載により、LDAC/aptXアダプティブを含むハイレゾ対応Bluetoothコーデックによる伝送に対応する。CDやデジタルオーディオプレーヤー用の同軸モードではPCM最大192kHz/24bit、DSD64に対応する。

バランス出力＋ヘッドホン使用時には最大1600mWの出力が可能となる「デスクトップモード」を新たに搭載。独立したUSB Type-C電源コネクターに接続することで内蔵バッテリーを完全にバイパスして外部電源を供給。筐体側面のディップスイッチにより切り替えが可能で、外出先でもデスクトップアンプのような迫力ある高音質を体験できると同社は謳っている。

オーディオ回路は、DAC-IV-LPF-ゲイン-ヘッドホンアンプの5つのステージで構成。各ステージに十分なダイナミックレンジを確保し、優れた音質再現性を実現するとのこと。可変ゲインおよび可変電圧設計はオーディオ回路の性能を最大限に引き出し、低電圧ローゲイン・モードと高電圧ハイゲイン・モードにより、IEMとフルサイズヘッドホンにそれぞれ最適化が可能だ。

デジタル部、アナログ部、ヘッドホンアンプなどの電源システム、ヘッドホンアンプなど 21個の低ノイズのリニアレギュレーターを配置。さらに15個の低抵抗タンタル・コンデンサーを配し、目的に応じた幅広い豊富な電源供給路を備えた。

7つのEQプリセットと3つのカスタマイズ可能なパラメトリックEQ（PEQ）をプリセット。独自開発したPEQアルゴリズムとユーザーインターフェースにより、調整する周波数とゲインレベル、帯域幅を選択することができ、サウンドを思い通りに微調整することができる。

スマートフォンとの組み合わせでは、内蔵バッテリー駆動に切り替え、接続先のスマートフォンからの電源供給を断つ「フォーンモード」スイッチを備える。

筐体外観はQ7を踏襲したデザインへと刷新。視認性の高いフルカラーIPSディスプレイを採用し、現在のサンプリングレートや音量、ゲインなど様々な情報を快適にナビゲートできる。背面パネルには光の写り込み等を抑制し視認性や操作性を高めるアンチグレアガラスを採用した。カラーはBlackとTitaniumの2色を展開する。

ヘッドホン端子は4.4mmバランスと3.5mmのシングルエンドを搭載。3.5mm端子はライン出力にも対応する。上記の通りUSBデコード用のUSB Type-Cポートとネットワーク再生可能なオーディオ機器やCDプレーヤー接続用のRCA同軸入力端子を装備する。

外形寸法は約143.5×71.8×21.8mm、本体質量は305g。付属品として、USB Type-C to Cケーブル（ロング／ショート）、USB Type-A to Cケーブル、シリコンパッドなどを同梱する。さらに、別売オプションとしてスエードレザー素材を用いた一体成型デザインの専用ケース「SK-Q15」も用意。価格はオープンだが、税込2,640円前後での実売が予想される。