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公開日 2024/05/24 10:43
ソニー2024年度経営方針、吉田CEO「テクノロジーで『感動を作る』ことに貢献したい」
アニメ注力、ビートルズのドキュメンタリーも制作中
ソニーグループ(株)は5月23日(木)に、報道機関並びに投資家、アナリスト向けの「2024年度経営方針説明会」を開催。会長 CEOの吉田憲一郎氏ならびにCOO 兼 CFOの十時裕樹氏が登壇し、コンテンツIP強化やクリエイター環境のサポートなども含む中長期的ビジョンについて語った。
ソニーは2021年にグループ再編を行い、「ゲーム」「音楽」「映画」「エンタテインメント・テクノロジー&サービス」「イメージング&センシング・ソリューション」「金融」と6つの事業部を独立させ、グループシナジーを加速させてきた。金融事業についてはパーシャル・スピンオフに向けた準備を整える一方で、「エンタテイメントの注力」と「クリエイションシフト」を長期的な経営の柱として掲げていくという。
吉田氏は「クリエイティビティは人に宿る」とした上で、ソニーグループとして「テクノロジーを通じて人々のクリエイティビティに貢献」することを重視していくという。
その背景について、「ソニーは20世紀にウォークマンやトリニトロンカラーテレビ、CDなど感動を届けることに貢献してきた企業だと思っています。21世紀のソニーは“感動を作る”というところに貢献していきたいと思っています。21世紀では、感動を届ける主なメディアはネットワークになってきました。そこには、ビッグテックも含めたくさんのプレイヤーが存在しています。我々がより貢献できる、我々の強みが発揮できるのは、むしろ作ること、クリエイティブコミュニティに貢献することではないかと考えています」と述べ、クリエイターがより効率的に作業できるための環境づくりに貢献したい、という考えを明らかにした。
クリエイティブ環境をサポートする具体例として、リアルタイム3D処理やアニメ制作ソフトの開発、AI技術の活用、CMOSイメージセンシング技術などが挙げられた。
Epic Gamesの「Unreal Engine」は、“リアルタイムのコンピューティング技術”に大きな強みを持つ。Unreal Engineを活用し、スポーツにおける現実の選手の骨格の動きをリアルタイムに捉える事例や、ゴースト・バスターズのマシュマロマンの俳優の動きをモーションキャプチャーし、3Dの街並みに重ねて撮影するといった事例を紹介した。
またアニプレックス傘下の制作スタジオA-1 PicturesとCloverWorksやソニーミュージックなどと連携したアニメ制作ソフト「AnimeCanvas」の開発も進めており、今年度中の試験導入を目指す。将来的には社外のスタジオへの提供も視野に入れているという。将来的には、アニメクリエイターを育成するアカデミーの設立も検討している。
AIテクノロジーについては、「テクノロジー企業としてはAIは積極的に活用していきたいが、一方でクリエイティブ・エンタテイメント企業としてはクリエイターの権利は守らないといけない」(吉田氏)と、現代のAIに対する複雑な立場について言及した。
「大きく可能性を感じているのはコンピューターゲームを使った領域だと考えています。ゲームの開発規模は大きくなってきており、3Dアセットを作ることや登場するプレイヤーをAIで生成する、テスト、アシュアランスなどで活用できるのではないかと考えています」。また「最近グランツーリスモ・ソフィーというレーシングゲームに実装しましたが、ゲーム中にAIで強化学習をした車が走り、ユーザーと競技をする。これはまさにユーザーのエンゲージメントを上げる領域ではないかと考えています」とゲーム体験の向上にもつながる事例を紹介した。
CMOSイメージセンサーについては、「映画制作のクリエイターから世界中のスマートフォンユーザーまで多くの人々のクリエイションを支えている」とコメント。ミラーレス一眼カメラ「α9 III」に搭載されたグローバルシャッター方式のイメージセンサーや、映画制作に活用されるデジタルシネマカメラ「VENICE」にも活用が広がっている。
さらには、新たなエンタテイメント空間と位置付ける「モビリティの安全」にも貢献しているという。ソニー・ホンダモビリティなどと協業し、音響技術も活用することでパーソナライズされたエンタテイメント空間の実現、移動体験に新たな価値を創出するという。
また、映画やゲーム、音楽といった自社IPもさらに強化していくという。自社IPはヒットドリブンなところがあるが、「多様なコンテンツがあり、それらによるシナジーを作ることで安定した成長が実現できる」と吉田氏は指摘した。
境界を超えてIPを拡張する「IP360」により、ファンとのエンゲージメントを深め、IPの価値を最大化する取り組みを強化していくという。具体的には、日本のアニメをグローバルに配信するCrunchyrollのさらなる強化や、「Horizon」「God of War」といった人気ゲームタイトルの映画化、IPを活用したアトラクションやテーマパークのようなものにも挑戦していく考えだ。
そのほか、ビートルズの4人のメンバーのそれぞれの視点から振り返るドキュメンタリー映画が、サム・メンデス監督により4本同時に制作が進んでいることも明らかにした。
またPlayStation5についても、「大変成功しているプラットフォームである」(十時氏)という認識を示した。「当初の2,500万台という目標は、コロナ禍の影響を想定したアグレッシブなケースとして作っていましたので、それが剥落した現在は順調に進んでいると見ています。インダストリー全体のコンソール機としてのシェアは高く、まずもって満足できる数字であると評価しています」。
会場では、ヘッドマウントディスプレイを活用した3DのCADソフトウェア操作の実演デモンストレーションなども行われた。CADソフトとして知られるシーメンスと協業し、たとえばバイクのCADデータを、三次元空間上で直感的に作成できるといったもの。両手に装着できる触知デバイスもセットになっており、右手でパーツを掴み、左手でサイズを調整するといった使い方もできる。
そのほか、リアルタイムにライブパフォーマンスに映像や音の演出を加えるソリューションや、ゴースト・バスターズの世界観に入り込んだような3Dアトラクションといった、今後実装が期待される最新テクノロジーについても披露した。
ソニーは2021年にグループ再編を行い、「ゲーム」「音楽」「映画」「エンタテインメント・テクノロジー&サービス」「イメージング&センシング・ソリューション」「金融」と6つの事業部を独立させ、グループシナジーを加速させてきた。金融事業についてはパーシャル・スピンオフに向けた準備を整える一方で、「エンタテイメントの注力」と「クリエイションシフト」を長期的な経営の柱として掲げていくという。
吉田氏は「クリエイティビティは人に宿る」とした上で、ソニーグループとして「テクノロジーを通じて人々のクリエイティビティに貢献」することを重視していくという。
その背景について、「ソニーは20世紀にウォークマンやトリニトロンカラーテレビ、CDなど感動を届けることに貢献してきた企業だと思っています。21世紀のソニーは“感動を作る”というところに貢献していきたいと思っています。21世紀では、感動を届ける主なメディアはネットワークになってきました。そこには、ビッグテックも含めたくさんのプレイヤーが存在しています。我々がより貢献できる、我々の強みが発揮できるのは、むしろ作ること、クリエイティブコミュニティに貢献することではないかと考えています」と述べ、クリエイターがより効率的に作業できるための環境づくりに貢献したい、という考えを明らかにした。
クリエイティブ環境をサポートする具体例として、リアルタイム3D処理やアニメ制作ソフトの開発、AI技術の活用、CMOSイメージセンシング技術などが挙げられた。
Epic Gamesの「Unreal Engine」は、“リアルタイムのコンピューティング技術”に大きな強みを持つ。Unreal Engineを活用し、スポーツにおける現実の選手の骨格の動きをリアルタイムに捉える事例や、ゴースト・バスターズのマシュマロマンの俳優の動きをモーションキャプチャーし、3Dの街並みに重ねて撮影するといった事例を紹介した。
またアニプレックス傘下の制作スタジオA-1 PicturesとCloverWorksやソニーミュージックなどと連携したアニメ制作ソフト「AnimeCanvas」の開発も進めており、今年度中の試験導入を目指す。将来的には社外のスタジオへの提供も視野に入れているという。将来的には、アニメクリエイターを育成するアカデミーの設立も検討している。
AIテクノロジーについては、「テクノロジー企業としてはAIは積極的に活用していきたいが、一方でクリエイティブ・エンタテイメント企業としてはクリエイターの権利は守らないといけない」(吉田氏)と、現代のAIに対する複雑な立場について言及した。
「大きく可能性を感じているのはコンピューターゲームを使った領域だと考えています。ゲームの開発規模は大きくなってきており、3Dアセットを作ることや登場するプレイヤーをAIで生成する、テスト、アシュアランスなどで活用できるのではないかと考えています」。また「最近グランツーリスモ・ソフィーというレーシングゲームに実装しましたが、ゲーム中にAIで強化学習をした車が走り、ユーザーと競技をする。これはまさにユーザーのエンゲージメントを上げる領域ではないかと考えています」とゲーム体験の向上にもつながる事例を紹介した。
CMOSイメージセンサーについては、「映画制作のクリエイターから世界中のスマートフォンユーザーまで多くの人々のクリエイションを支えている」とコメント。ミラーレス一眼カメラ「α9 III」に搭載されたグローバルシャッター方式のイメージセンサーや、映画制作に活用されるデジタルシネマカメラ「VENICE」にも活用が広がっている。
さらには、新たなエンタテイメント空間と位置付ける「モビリティの安全」にも貢献しているという。ソニー・ホンダモビリティなどと協業し、音響技術も活用することでパーソナライズされたエンタテイメント空間の実現、移動体験に新たな価値を創出するという。
また、映画やゲーム、音楽といった自社IPもさらに強化していくという。自社IPはヒットドリブンなところがあるが、「多様なコンテンツがあり、それらによるシナジーを作ることで安定した成長が実現できる」と吉田氏は指摘した。
境界を超えてIPを拡張する「IP360」により、ファンとのエンゲージメントを深め、IPの価値を最大化する取り組みを強化していくという。具体的には、日本のアニメをグローバルに配信するCrunchyrollのさらなる強化や、「Horizon」「God of War」といった人気ゲームタイトルの映画化、IPを活用したアトラクションやテーマパークのようなものにも挑戦していく考えだ。
そのほか、ビートルズの4人のメンバーのそれぞれの視点から振り返るドキュメンタリー映画が、サム・メンデス監督により4本同時に制作が進んでいることも明らかにした。
またPlayStation5についても、「大変成功しているプラットフォームである」(十時氏)という認識を示した。「当初の2,500万台という目標は、コロナ禍の影響を想定したアグレッシブなケースとして作っていましたので、それが剥落した現在は順調に進んでいると見ています。インダストリー全体のコンソール機としてのシェアは高く、まずもって満足できる数字であると評価しています」。
会場では、ヘッドマウントディスプレイを活用した3DのCADソフトウェア操作の実演デモンストレーションなども行われた。CADソフトとして知られるシーメンスと協業し、たとえばバイクのCADデータを、三次元空間上で直感的に作成できるといったもの。両手に装着できる触知デバイスもセットになっており、右手でパーツを掴み、左手でサイズを調整するといった使い方もできる。
そのほか、リアルタイムにライブパフォーマンスに映像や音の演出を加えるソリューションや、ゴースト・バスターズの世界観に入り込んだような3Dアトラクションといった、今後実装が期待される最新テクノロジーについても披露した。