• ブランド
    特設サイト
公開日 2012/09/13 11:21

独自技術でBluetooth再生も高音質化した − ケンウッド“Kシリーズ”「K-531」を聴く

注目製品レビュー
レビュー/高橋 敦
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
ケンウッドのオーディオコンポーネント“Kシリーズ”に、独自技術によって高音質なBluetoothワイヤレス再生が楽しめる「K-531」が発表され、話題を集めている。本機のサウンドをライターの高橋敦氏が試聴した

Bluetoothの手軽さと、iPhone/iPodのデジタル接続による高音質を両立させたモデル


Kシリーズ「K-531」
原音再生をコンセプトに進化を続ける「Kシリーズ」の最新システム。スマートフォン等のユーザーに向けて新たにBluetoothレシーバーを搭載した。ケーブル接続だと音楽を聴きながら、手元のスマートフォンでネットをチェックしたりするのにケーブルの存在が煩わしかったが、Bluetoothでのワイヤレス接続ならそういうことがない。ましてドック接続と較べれば、その身軽さは天と地の差だ。


Bluetoothワイヤレスリスニングに対応

もちろんCD再生も楽しめる
Bluetoothは伝送時の圧縮による音質劣化が弱点だが、本機ではそこも対策されている。低音域の量感と中高域の情報量をDSP処理によって補正して自然なものとする「Bluetooth Sound Enhancer」を搭載。他にも、Bluetooth回路の基板をアンプ基板と独立させて相互干渉を低減、伝送時のビットレートを適時適当に切り替えるなど、様々な面から音質向上が図られている。


本機の背面端子部
ベーシックな要素は前モデル「K-521」から継承している。アンプ部分は、音声データを一度もアナログに変換することなくアンプ最終段までデジタルのまま処理する、フルデジタルプロセッシングで信号の鮮度を維持。デジタル処理の部分では、音声をデジタルデータ化する際に失われる高域の補間機能「Supreme EX」や、音の偏りやリスニング位置による音の印象の違いを低減する音響パワー補正技術「CONEQ」を搭載する。


付属のリモコン

天面に操作ボタンを配置する
天板にはiPhone/iPod用のデジタル接続対応ドックを用意。Bluetoothの手軽さに対して、こちらは音質面では有利だ。


天面のパネルを開けるとiPodドックとUSB端子が表れる
スピーカーキャビネットは全面15mm厚のMDFによる四方留め構造。その頑強さで安定した響きを得ている。


ユニットはソフトドーム型トゥイーターとピュアホワイトコーンウーファーの組み合わせ

キャビネットの背面にバスレフポートを設けている
iPhoneと組み合わせて、期待のBluetooth接続から聴いてみた。「Bluetooth Sound Enhancer」の効果は大きく、オンにすると音色の活力がぱっと強まる。シンバルは明るくなり、ベースは太さと厚みを増す。ボーカルも抜けが良くなり、声の低音の響きも豊かになる。副作用は感じられないので、常時オンでよいだろう。

ジャズ・ポップス系のエスペランサ・スポルディング「Radio Music Society」からの曲では、シンバルは前述のように明るいがそれでいて派手すぎない。ベースはブリッとした弾力が少し強調されてドライブ感を強める。ドラムスは太く柔らかな抜けっぷりで、好ましい意味でのビンテージ感がある。大きな癖は出さず、それでいて各楽器のおいしいところを一押ししてくれる印象だ。

ロック・ポップス系の相対性理論「シンクロニシティーン」では、スネアドラムやシンバルの音色の濁点、ざらつきも生かして、ロックの荒さの表現もしっかりこなす。

続いてiPhoneをドックにつないでデジタル接続で聴くと、ギターの音色のカッチリ感やシンバルの薄刃さが増す。硬質で緻密な描写という印象だ。CD再生も、iPodデジタル再生ほどにはキレないが、それに近い印象。

絶対的な音質はドック接続やCD再生に優位があるが、Bluetoothの音のまとめ方も巧く、十分に楽しめる。ワイヤレスの身軽さで生活に音楽を溶け込ませたい方にとって、本機が提案するスタイルと音質は魅力的なはずだ。


高橋 敦 プロフィール
埼玉県浦和市(現さいたま市)出身。東洋大学哲学科中退後、パーソナルコンピュータ系の記事を中心にライターとしての活動を開始。現在はデジタルオーディオ及びビジュアル機器、Apple Macintosh、それらの周辺状況などに関する記事執筆を中心に活動する。また、ロック・ポップスを中心に、年代や国境を問わず様々な音楽を愛聴。その興味は演奏や録音の技術などにまで及び、オーディオ評に独自の視点を与えている。

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

トピック

クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 楽天ブラックフライデーでJBLの超人気サウンドバー「BAR 1000/800」が激安!プロも驚く革新的モデルはどんな音を鳴らす?
2 評論家が厳選!マランツ「MODEL M1」でPolk Audio/KEF/TAD/Harbethのスピーカーを鳴らす
3 ビクター新ワイヤレスヘッドホン「HA-S99N」速攻レビュー! 評論家が「もう驚きでしかない」と高評価した魅力とは?
4 ボーズ、McIntosh Groupを買収。マッキントッシュ、ソナス・ファベールが傘下に
5 レグザが100型クラス大画面4Kテレビを拡充する理由とは? 目黒蓮の特別コメントも
6 パナソニック「2023年度 優秀ご販売店様謝恩会」を開催。21店が栄誉に輝く
7 山之内 正氏によるエソテリック×アキュフェーズ×マランツ比較試聴会、「ハイエンドオーディオ&アクセサリーショウ2024」で開催
8 オーディオファイル待望の物量投入型プリメインアンプ!デノン「PMA-3000NE」をクオリティチェック
9 B&Wの音は “信頼に値する重要な指標”。音元出版の新試聴室に「802 D4」が導入されたワケ
10 新開発ユニットを巧みに操る懐深いサウンド。ELAC「Debut 3.0」フロア型/ブックシェルフ型を聴く
11/22 10:41 更新
MAGAZINE
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー193号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.194
オーディオアクセサリー大全2025~2026
別冊・ケーブル大全
別冊・オーディオアクセサリー大全
最新号
2025~2026
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.22 2024冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.22
プレミアムヘッドホンガイド Vol.32 2024 AUTUMN
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.32(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2024年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年夏版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年冬版(電子版)
音元出版の雑誌 電子版 読み放題サービス
「マガジンプレミアム」お試し無料!

雑誌販売に関するお問合せ

WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX