公開日 2014/04/22 12:00
タンノイのDefinitionシリーズの旗艦モデル「DC10A」を試聴する
名門スピーカーブランドの新世代モダンスピーカー
永い歴史を誇る名門スピーカーブランド、タンノイから新世代のモダンスピーカーとして2009年に登場したDefinition(ディフィニション)シリーズは、その高い実力と美しいデザインが認められ、いまなおロングセラーを続けている人気モデル群である。そして本シリーズのフラッグシップ機、DC10Aがついに登場した。大型アルニコマグネット『ALCOMAX-V』と本格的なコンプレッショントゥイーターを搭載した新設計10インチ・デュアルコンセントリック(同軸2ウェイ)ドライバーという伝統的な構成を持つ、話題のモデルの実力をレポートしよう。
Definitionシリーズとは?
■最新技術と伝統の両方の要素を持つタンノイの新世代の中核シリーズ
タンノイは最新のテクノロジーを持っているメーカーだが、同時に伝統とか格式といった、新進のオーディオメーカーでは持ち得ない要素も感じさせてくれるブランドである。紹介したいディフィニションシリーズのDC10Aはまさにその両方の要素を持ったスピーカーシステムだ。メーカーは、モダン・クラシックという言い方をしているがまさに絶妙なポジショニングの製品である。
まず、タンノイ全体の現在のラインアップを紹介してみよう。その頂点に双頭の鷲的に立つのがキングダム・ロイヤルと、ウェストミンスター・ロイヤル/SEだ。4ウェイでバーサタイルな表現力を持っているキングダムと、バックローデッドホーンから生み出される余裕の表現力のウェストミンスター。そのウェストミンスター・ロイヤル/SEを家長としてプレステージシリーズがある。価格帯としてはその下に位置しているのがディフィニションシリーズだ。モダンなデザインでありつつ、伝統的な8/10インチのデュアルコンセントリックドライバーを特徴としている。そして、その下に新開発した6インチのデュアルコンセントリックドライバーを搭載するプレシジョンシリーズが来て、末弟でありつつ実力機のマーキュリーXシリーズと展開している。
この中で、DC10Aはディフニションシリーズにいるのだが、その中でもスペシャルな存在のスピーカーである。
新しいDC10Aの概要と特徴
■従来の同軸ユニットとは異なりアルニコマグネットが採用された
DC10Aには本格的なコンプレッショントゥイーター搭載の、新設計の10 インチデュアルコンセントリックドライバーが採用されている。ただし、ディフニションシリーズの他のモデルとは異なったドライバーだ。他のモデルではウーファー用の磁気回路にはフェライト磁石を、トゥイーター用にはネオジム磁石を採用して、特に高域方向に広帯域化させているのだが、DC10Aだけは違う。1947年にデュアルコンセントリックドライバーが誕生した時の、低域用と高域用をひとつの磁石でまかなう磁気回路形式であり、しかもここに大型のアルニコマグネットを採用している。
アルニコマグネットと訊いただけでその良さをイメージできる方も少なくないだろう。芳醇な音色感。音楽的な、有機的な表現力を感じさせてくれる磁石だ。しかもここで採用されているアルニコは「ALCOMAX-V」と呼ばれ、ウェストミンスター・ロイヤル/SEをはじめとする最高級プレステージモデルのみに採用されたマグネットであり、従来のアルニコの3倍の磁気エネルギーを持っている。それだけでなく、ドライバーユニット全体の作り込みもさすがと思わせるものがある。
まず、ウーファーの振動板はクルトミューラー社特製のウーファーコーン。これはナチュラルな特性のコーン紙に特殊な薬剤をコーティングしたもので、振動板の分割振動を抑制し、定評のある音色感を持つ。エッジはコットンクロスをツインロール状に形成。強度と耐久性を高めるために特殊なフェノール樹脂を含浸させている。トゥイーターは軽量アルミ合金の逆ドーム型振動板で、ボイスコイルにはアルミ線を採用。6段階プレス法で徐々にドームを形成し、1回のプレスごとに加熱されて内部歪みを取り除いているという。そのトゥイーターの前にはホーンのネックがあり、ここに19個のスロート(穴)が開けられ、ここで位相の補正を行っている。
Definitionシリーズとは?
■最新技術と伝統の両方の要素を持つタンノイの新世代の中核シリーズ
タンノイは最新のテクノロジーを持っているメーカーだが、同時に伝統とか格式といった、新進のオーディオメーカーでは持ち得ない要素も感じさせてくれるブランドである。紹介したいディフィニションシリーズのDC10Aはまさにその両方の要素を持ったスピーカーシステムだ。メーカーは、モダン・クラシックという言い方をしているがまさに絶妙なポジショニングの製品である。
まず、タンノイ全体の現在のラインアップを紹介してみよう。その頂点に双頭の鷲的に立つのがキングダム・ロイヤルと、ウェストミンスター・ロイヤル/SEだ。4ウェイでバーサタイルな表現力を持っているキングダムと、バックローデッドホーンから生み出される余裕の表現力のウェストミンスター。そのウェストミンスター・ロイヤル/SEを家長としてプレステージシリーズがある。価格帯としてはその下に位置しているのがディフィニションシリーズだ。モダンなデザインでありつつ、伝統的な8/10インチのデュアルコンセントリックドライバーを特徴としている。そして、その下に新開発した6インチのデュアルコンセントリックドライバーを搭載するプレシジョンシリーズが来て、末弟でありつつ実力機のマーキュリーXシリーズと展開している。
この中で、DC10Aはディフニションシリーズにいるのだが、その中でもスペシャルな存在のスピーカーである。
新しいDC10Aの概要と特徴
■従来の同軸ユニットとは異なりアルニコマグネットが採用された
DC10Aには本格的なコンプレッショントゥイーター搭載の、新設計の10 インチデュアルコンセントリックドライバーが採用されている。ただし、ディフニションシリーズの他のモデルとは異なったドライバーだ。他のモデルではウーファー用の磁気回路にはフェライト磁石を、トゥイーター用にはネオジム磁石を採用して、特に高域方向に広帯域化させているのだが、DC10Aだけは違う。1947年にデュアルコンセントリックドライバーが誕生した時の、低域用と高域用をひとつの磁石でまかなう磁気回路形式であり、しかもここに大型のアルニコマグネットを採用している。
アルニコマグネットと訊いただけでその良さをイメージできる方も少なくないだろう。芳醇な音色感。音楽的な、有機的な表現力を感じさせてくれる磁石だ。しかもここで採用されているアルニコは「ALCOMAX-V」と呼ばれ、ウェストミンスター・ロイヤル/SEをはじめとする最高級プレステージモデルのみに採用されたマグネットであり、従来のアルニコの3倍の磁気エネルギーを持っている。それだけでなく、ドライバーユニット全体の作り込みもさすがと思わせるものがある。
まず、ウーファーの振動板はクルトミューラー社特製のウーファーコーン。これはナチュラルな特性のコーン紙に特殊な薬剤をコーティングしたもので、振動板の分割振動を抑制し、定評のある音色感を持つ。エッジはコットンクロスをツインロール状に形成。強度と耐久性を高めるために特殊なフェノール樹脂を含浸させている。トゥイーターは軽量アルミ合金の逆ドーム型振動板で、ボイスコイルにはアルミ線を採用。6段階プレス法で徐々にドームを形成し、1回のプレスごとに加熱されて内部歪みを取り除いているという。そのトゥイーターの前にはホーンのネックがあり、ここに19個のスロート(穴)が開けられ、ここで位相の補正を行っている。