公開日 2014/12/19 16:18
【レビュー】JVCのタフネス仕様ビデオカメラ“Everio”「GZ-RX500」の実力をチェック
会田肇が試す
■タフネス仕様のRXシリーズ最新モデル「GZ-RX500」
屋外で撮影する機会が多くなるビデオカメラは、当然ながら撮影中に雨が降ってくることもあるし、あるいはマリンスポーツやウィンタースポーツなど過酷なシーンで利用することも想定される。昨年JVCから登場した『RXシリーズ』は、そんな撮影に耐えうる“タフネス仕様"を備えながらも、普通のビデオカメラ感覚で撮影できるとして高く評価されていた。その最新モデルとして登場したのが「GZ-RX500」(以下RX500)だ。ここでは、前モデル「GZ-RX130」(以下RX130)と比較をしながら解説してみたい。
最大のポイントである“タフネス仕様"についてだが、その能力はRX130から基本的に踏襲されていると考えていい。防水性能は水深5mで約30分にわたって耐えられるIPX8相当で、耐低温は-10度の環境にも耐える能力を発揮。防塵能力に対してもIP5Xの性能を備えた他、一般的な撮影時の高さに相当する1.5mから落としても平気な耐衝撃性能も確保している。
カメラとしての基本機能もRX130から踏襲された。普通のビデオカメラと同じように横型で構えられ、従来と変わらぬ取り扱いが出来る『RXシリーズ』の特徴はそのまま活かされたと考えていい。
撮像素子には総画素数251万画素の1/5.8型裏面照射CMOSセンサーを採用し、レンズは光学40倍ズーム(ダイナミックズーム時:60倍、デジタルズーム時:200倍)のコニカミノルタHDレンズを組み合わせる。動画撮影時の焦点距離が40.5〜1,990mm相当と、広角端での画角が狭めであるのも同じだ。動画映像はAVCHDで記録し、60pモードにも対応。静止画はJPEGのみで記録される。モニターにタッチパネル機能付の3型(23万ドット)を採用するのもRX130と同等だ。なお、同社では本機の発売に先駆けて、アンケートに協力すれば特別価格で購入できるモニター販売キャンペーンも実施。詳細は公式ページでアナウンスされている。
■P in P撮影対応でより便利な使い方が可能に
ではRX130との具体的な違いはどこにあるのか。それはソフトウェア上での機能アップが中心となる。なかでも注目したい新機能が「ズームアップウインドウ機能」だ。撮影中の映像内の特定部分をアップしてピクチャーinピクチャーとして一画面に収められるというもので、発表会などで全体を捉えながら我が子の姿だけをアップで撮りたい時などに使うと便利な機能だ。
操作方法も簡単で、メニューであらかじめこのモードを切り替えると、左右いずれかの上側(任意切り替え式)に小画面が表示される。その上でアップしたい部分に触れればいい。拡大したい部分をモニター上でタッチするだけですぐにその部分をズームアップできるわけで、いわば“2カメ"的な使い方が出来るというわけだ。
メニューデザインも変更された。RX130では各機能をイラストで表現していたが、RX500ではオーソドックスなタイル状のデザインとなった。「イラストの方が親しみやすい」との考え方もあろうが、個人的には文字でダイレクトに訴える本機の方がわかりやすいように感じた。ここから中に入るとメニュー構成はRX130と同じで、反応の良いタッチパネルによる設定が行える。ただ、ページ送りが結構多めだ。外観上はボディカラーが変更され、マットなブラックと、やや洒落た雰囲気のピンクゴールドの2種類になった。
また、バッテリー容量も増えて、連続撮影時間はRX130の4時間30分から4時間50分にまでアップ。バッテリー交換が出来ないタイプのモデルとしては有り難いスペックアップと言える。そのほか外観上はボディカラーが変更され、マットなブラックと、やや洒落た雰囲気のピンクゴールドの2種類になった。
撮影映像の傾向はRX130に準ずる。スペック上はフルHDが撮影できるとするが、これは手ブレ補正をOFFにした時の話。手ブレ補正が電子式であるため、これをONにしているとその分解像度が下がり、アクティブモードにすると有効画素数はさらに下がってしまう。解像度を重視するときは、必要に応じて手ブレ補正をOFFにするといい。色合いはやや控えめながら視認しやすい配色で、ノイズもよく抑えられている。絞りバネはこのクラスでは一般的な二枚羽根式となるが、ボケ味は意外にキレイ。光学40倍の望遠効果を活かすと被写体をキレイに浮かび上がらせることが出来た。
なお、手ブレ補正については少し注意が必要かもしれない。とくに光学40倍の実力を堪能するなら脇をしっかりと締めて撮影する必要があり、できれば三脚の併用をお勧めする。徒歩撮影に有効なアクティブモードでは斜め方向の抑えに少し甘く感じられる部分もあったが、それでも広角側での日常撮影では十分な効果を発揮していた。液晶モニターは3型と標準的なサイズで、タッチ操作もしやすい。なお、反射で見えくい明るい場所などでは角度を変えるなどして工夫して使いたい。
■「幅広いシーンで重宝するビデオカメラに仕上がった」
本機は動画撮影中でも静止画撮影が可能(1,920×1,080ドット)で、全モードでこれを実現している。また、撮影後にプレイバックしながら一時停止して静止画としてキャプチャーも可能。もし、静止画切り出しを想定するなら保存データサイズは大きくなるが、あらかじめプログレッシブな60pで撮影しておくといいだろう。内蔵メモリーが64GBもあるのでそのあたりは十分対応できる。
本機で忘れてはいけない水中モードだが、水深に応じた二つのモードを用意する。マニュアルモードへの切り替えが必要だが、水深によって変化する青みを除去するのに効果を発揮する。自動でないのが残念だが、それ以外のインテリジェントオート(i.A.)モードはよく反応し、最適モードに自動的に切り替わる。通常シーンの撮影ならこのモードで十分だ。
内蔵メモリが64GBとなってからやや価格が高めになったものの、その使い勝手はかなり高く、日常撮影も十分に使いこなせる仕様を備えているのは大きなポイント。幅広いシーンで重宝するビデオカメラに仕上がったと言っていいだろう。
<「GZ-RX500」モニター販売キャンペーン情報>
・応募期間 : 2015年1月5日(月) 〜 20日(火)
・募集人数 : 各色150名(計300名)
※使用時の感想・要望等のアンケートへの協力で、入札による特別価格での購入が可能
屋外で撮影する機会が多くなるビデオカメラは、当然ながら撮影中に雨が降ってくることもあるし、あるいはマリンスポーツやウィンタースポーツなど過酷なシーンで利用することも想定される。昨年JVCから登場した『RXシリーズ』は、そんな撮影に耐えうる“タフネス仕様"を備えながらも、普通のビデオカメラ感覚で撮影できるとして高く評価されていた。その最新モデルとして登場したのが「GZ-RX500」(以下RX500)だ。ここでは、前モデル「GZ-RX130」(以下RX130)と比較をしながら解説してみたい。
最大のポイントである“タフネス仕様"についてだが、その能力はRX130から基本的に踏襲されていると考えていい。防水性能は水深5mで約30分にわたって耐えられるIPX8相当で、耐低温は-10度の環境にも耐える能力を発揮。防塵能力に対してもIP5Xの性能を備えた他、一般的な撮影時の高さに相当する1.5mから落としても平気な耐衝撃性能も確保している。
カメラとしての基本機能もRX130から踏襲された。普通のビデオカメラと同じように横型で構えられ、従来と変わらぬ取り扱いが出来る『RXシリーズ』の特徴はそのまま活かされたと考えていい。
撮像素子には総画素数251万画素の1/5.8型裏面照射CMOSセンサーを採用し、レンズは光学40倍ズーム(ダイナミックズーム時:60倍、デジタルズーム時:200倍)のコニカミノルタHDレンズを組み合わせる。動画撮影時の焦点距離が40.5〜1,990mm相当と、広角端での画角が狭めであるのも同じだ。動画映像はAVCHDで記録し、60pモードにも対応。静止画はJPEGのみで記録される。モニターにタッチパネル機能付の3型(23万ドット)を採用するのもRX130と同等だ。なお、同社では本機の発売に先駆けて、アンケートに協力すれば特別価格で購入できるモニター販売キャンペーンも実施。詳細は公式ページでアナウンスされている。
■P in P撮影対応でより便利な使い方が可能に
ではRX130との具体的な違いはどこにあるのか。それはソフトウェア上での機能アップが中心となる。なかでも注目したい新機能が「ズームアップウインドウ機能」だ。撮影中の映像内の特定部分をアップしてピクチャーinピクチャーとして一画面に収められるというもので、発表会などで全体を捉えながら我が子の姿だけをアップで撮りたい時などに使うと便利な機能だ。
操作方法も簡単で、メニューであらかじめこのモードを切り替えると、左右いずれかの上側(任意切り替え式)に小画面が表示される。その上でアップしたい部分に触れればいい。拡大したい部分をモニター上でタッチするだけですぐにその部分をズームアップできるわけで、いわば“2カメ"的な使い方が出来るというわけだ。
メニューデザインも変更された。RX130では各機能をイラストで表現していたが、RX500ではオーソドックスなタイル状のデザインとなった。「イラストの方が親しみやすい」との考え方もあろうが、個人的には文字でダイレクトに訴える本機の方がわかりやすいように感じた。ここから中に入るとメニュー構成はRX130と同じで、反応の良いタッチパネルによる設定が行える。ただ、ページ送りが結構多めだ。外観上はボディカラーが変更され、マットなブラックと、やや洒落た雰囲気のピンクゴールドの2種類になった。
また、バッテリー容量も増えて、連続撮影時間はRX130の4時間30分から4時間50分にまでアップ。バッテリー交換が出来ないタイプのモデルとしては有り難いスペックアップと言える。そのほか外観上はボディカラーが変更され、マットなブラックと、やや洒落た雰囲気のピンクゴールドの2種類になった。
撮影映像の傾向はRX130に準ずる。スペック上はフルHDが撮影できるとするが、これは手ブレ補正をOFFにした時の話。手ブレ補正が電子式であるため、これをONにしているとその分解像度が下がり、アクティブモードにすると有効画素数はさらに下がってしまう。解像度を重視するときは、必要に応じて手ブレ補正をOFFにするといい。色合いはやや控えめながら視認しやすい配色で、ノイズもよく抑えられている。絞りバネはこのクラスでは一般的な二枚羽根式となるが、ボケ味は意外にキレイ。光学40倍の望遠効果を活かすと被写体をキレイに浮かび上がらせることが出来た。
なお、手ブレ補正については少し注意が必要かもしれない。とくに光学40倍の実力を堪能するなら脇をしっかりと締めて撮影する必要があり、できれば三脚の併用をお勧めする。徒歩撮影に有効なアクティブモードでは斜め方向の抑えに少し甘く感じられる部分もあったが、それでも広角側での日常撮影では十分な効果を発揮していた。液晶モニターは3型と標準的なサイズで、タッチ操作もしやすい。なお、反射で見えくい明るい場所などでは角度を変えるなどして工夫して使いたい。
■「幅広いシーンで重宝するビデオカメラに仕上がった」
本機は動画撮影中でも静止画撮影が可能(1,920×1,080ドット)で、全モードでこれを実現している。また、撮影後にプレイバックしながら一時停止して静止画としてキャプチャーも可能。もし、静止画切り出しを想定するなら保存データサイズは大きくなるが、あらかじめプログレッシブな60pで撮影しておくといいだろう。内蔵メモリーが64GBもあるのでそのあたりは十分対応できる。
本機で忘れてはいけない水中モードだが、水深に応じた二つのモードを用意する。マニュアルモードへの切り替えが必要だが、水深によって変化する青みを除去するのに効果を発揮する。自動でないのが残念だが、それ以外のインテリジェントオート(i.A.)モードはよく反応し、最適モードに自動的に切り替わる。通常シーンの撮影ならこのモードで十分だ。
内蔵メモリが64GBとなってからやや価格が高めになったものの、その使い勝手はかなり高く、日常撮影も十分に使いこなせる仕様を備えているのは大きなポイント。幅広いシーンで重宝するビデオカメラに仕上がったと言っていいだろう。
<「GZ-RX500」モニター販売キャンペーン情報>
・応募期間 : 2015年1月5日(月) 〜 20日(火)
・募集人数 : 各色150名(計300名)
※使用時の感想・要望等のアンケートへの協力で、入札による特別価格での購入が可能