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クラウド利用した新ワークフローを提案

JVC、ネットワーク機能を向上させた業務用ビデオカメラ「GY-HM850」

公開日 2014/02/19 11:00 ファイル・ウェブ編集部
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JVCケンウッドは、JVCブランドの業務用ビデオカメラ「GY-HM850」を3月下旬に発売する。価格はオープンだが、76万円前後での販売が予想される。


GY-HM850

GY-HM700」(2009年発売)のコンパクトさに「GY-HM650」(2012年発売)の機能を追加したのが特徴。「GY-HM750」(2011年発売)の後継機で、ネットワーク機能を活用した新たなワークフローを提案するモデルとなる。放送局での利用のほか、ブライダルや文教用などでの活用を想定しているという。

GY-HM850と既存モデルとの比較

レンズ

フジノン製ワイドアングル 光学20倍ズームを搭載。焦点距離は29-580mm(35mm換算)で、F1.6-3.0(ワイド - テレ)。新たにオートフォーカス機能が追加された。また、光学式手ブレ補正機能も備える。さらに、ユーザーからのニーズに応えサーボ/マニュアルズームや、独立リングで操作できるフォーカス/ズーム/アイリス機能を新搭載した。

オートフォーカス機能を追加したフジノン製ワイドアングル 光学20倍ズームを搭載

センサー

撮像素子は、「GY-HM650」に搭載されていたのと同じ有効207万画素の1/3型 3CMOSセンサー。12bit処理にも対応する。F11と高感度を実現している点も特徴で、最低被写体照度は0.15ルクス。フラッシュバンド補正機能や、2D DNR、ダイナミックレンジ補正等の高画像補整回路も備える。

「GY-HM650」に搭載されていたのと同じ有効207万画素の1/3型 3CMOSセンサーを搭載


エンコーダー

エンコーダーは、JVCケンウッド独自LSI「Falconbrid」を2チップ搭載。新たに50Mbps記録が可能なXHQモードを用意した点、4chオーディオ記録(AVCHD録画時を除く)に対応した点が特徴だ。また、HD+SD/HD+Web/HD+AVCHDなど異なるフォーマットを同時記録することもできる。


エンコーダーは「Falconbrid」を2チップ搭載。50Mbps映像や4chオーディオ記録に対応する

ビットレートと記録フォーマット一覧
なお、HD記録/SD記録/Web記録時のフォーマットとビットレートはそれぞれ以下のとおり。

HD:MPEG-2(35/25/19Mbps)
   H.264(50/35Mbps)
   AVCHD progressive
   AVCHD 24/17/9Mbps

SD:H.264(8Mbps)
Web:H.264(3/1.2Mbps)


インターフェース

インターフェースも使い勝手を向上。外部レコーダーや汎用モニター接続用のHDMI出力や、4chオーディオ記録用のAUX入力端子などが新設された。3G SDI出力端子も備える。また、6pinのJVCリモート端子やLancリモート端子も用意している。


4chオーディオ記録用のAUX入力端子などが新設された
ディスプレイ部のGUIも刷新。4chオーディオ記録対応などで煩雑になった設定が一目で分かるよう、視認性を向上させたという。なおディスプレイ部は4.3型 115万画素と大型化・高画素化している。ビューファインダーはHM700/650と同じく0.45型 122万画素で素子はLCOS。

GUIも視認性の高いものに刷新された


ネットワーク機能


後述のとおり、ネットワーク機能を向上させ、クラウドを利用した新たなワークフロー提案を行う
また、本機で注目なのがネットワーク機能の向上だ。3G/4GモデムやWi-Fiデバイスなどの外付けネットワークデバイスを接続できるUSBホスト端子を装備している点はHM650と同様。カメラの各種パラメーターを遠隔操作できるwebサーバー機能も引き続き搭載した。

また、FTPダウンロード/アップロード機能を搭載。タイトル/撮影者の名前といったメタデータをFTPサーバーからダウンロードして利用できるほか、メタデータを付加したクリップをFTPサーバーにアップロードすることができる。撮影した動画はカメラ側でトリミングもできるので、FTPサーバーへの負荷を減らすことが可能だ。

新たに搭載したのは、離れた場所から本機内のサーバーにアクセスし、データをピックアップできる機能。たとえば放送の現場で、遠隔地のカメラマンが撮影した本機の映像を放送局側でピックアップして利用することができるなど、利便性が大きく向上している。また、ライブストリーミングにも対応。遠隔地からライブ映像を配信することもできる。

離れた場所から本機内のサーバーにアクセスし、データをピックアップできる機能を新搭載

そして、アメリカのソフトウェア開発メーカー「Zixi」と協業し、パケットロスを防ぎネットワーク機能をより快適に利用できる機能を用意した点も大きな特徴だ。これまで通常のLTEアップロードを利用した場合、伝送時に信号がドロップすると、すぐに映像にブロックノイズやコマ落ちが発生してしまうという問題があった。しかしZixiが提供するサービスを利用することでこれを防ぐことができるという。

Zixiと協業した新機能を搭載

Zixiのサービスでは、撮影した映像のパケット重要度を解析し、重要なパケットには自動再送やエラー訂正をかけてクラウドサーバーに転送。回線状況も常時監視し、適切なビットレート管理も行うことで実現する。通常のUDPモードがパケットロス耐性0.2~0.3%であるのに対し、「Zixi(低遅延)2秒」モードでは5%、「Zixi(中遅延)5秒」モードでは30%になるとしている。

カメラ内でパケット重要度解析/エラー訂正などを行ってクラウドサーバーにアップする

Zixiモードを利用することでブロックノイズやコマ落ちを防ぐことができるという

さらにZixiはアマゾンウェブサービスにも対応。本機で撮影した映像をそのままアップすることはもちろん、FLVなどに変換してアップも可能なので、PCのほかスマホ/タブレット向け動画配信なども行える。複数台のカメラで撮影している動画をスイッチで切り換えられるので、各視聴者が好きなカメラの映像を選んで楽しむこともできるという。

アマゾンウェブサービスにも対応

PCのほかスマホ/タブレット向け動画配信なども行える

同社は利用例のひとつとして、遠隔地に住んでいるため孫の結婚式に出席できない祖父母が、本機からリアルタイム配信された映像をタブレットで見て楽しむ…というスタイルを紹介していた。

なお、GY-HM650も今年5月頃Zixiに対応する予定という。

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