• ブランド
    特設サイト
公開日 2015/01/29 10:30

【レビュー】パイオニアのポタアン「XPA-700」を人気イヤホン/ヘッドホンと組み合わせて試聴!

野村ケンジ
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
音にも使い勝手にもこだわった、
使いこなし甲斐のあるポタアン「XPA-700」



パイオニア初のポタアン「XPA-700」。愛称は“TACTICAL ARMORED(タクティカル・アーマード)”
パイオニア初のポータブルヘッドホンアンプ(=ポタアン)「XPA-700」は、実にユニークで、実に使いこなし甲斐のある製品だ。まず第一にコンセプトが面白い。「NO RULE 俺だけの世界へ。」というキャッチフレーズに込められているのは、“自分だけの特別な一台”たりうるカスタマイズ性の豊富さだ。

4つのバンパー(フロント3つ、リア1つ)とケーブルガイドを同梱。DAPとの重ね方やケーブルの太さなどによって最適な形状を作り上げることができる。精密ドライバーも付属する

たとえば外観は、前後のバンパーが外せたり交換できるようになっていて、利用するプレーヤーやケーブルにあわせてケーブルを取り回しやすいベストなカタチにくみ上げることができる。しかも、さらにアナログポタアンを組み合わせて3段積みにするなど、メーカーを越えた組み合わせまで想定されている。パイオニアは名のある国内メーカーであるのにもかかわらず、自社製品だけの統一性・利便性ばかりを考えることなく、もっと楽しく、さらに自由に活用して欲しいという発想が盛り込まれているのだ。

本機の企画を担当した林 佑二氏はガチのポタアンマニア。写真に写っている氏の私物ケーブルなどを使いながら端子の配置等を試行錯誤し、音質/重ねやすさ/接続しやすさを兼ね備えたデザインにしたのだという

入力も、microUSBだけでなく、光デジタル端子やアナログライン入力も用意され、様々なポータブルプレーヤーと接続することができるようになっている。USB端子も備え、iOS端末のデジタル接続も可能だ。出力も、一般的な3.5mmステレオミニ端子だけでなく、角形4pinも用意され、今話題のバランス接続も楽しむことができる。その意気や良し。いちポータブルオーディオファンとしては、嬉しいかぎりだ。

入力や出力などは本体サイドのつまみで切り替えられる

多彩な接続端子を搭載。バランス駆動にも対応する

一方で、音質やサウンドキャラクターに関しても、いくつかのカスタマイズが行えるようになっている。たとえば「LOCK RANGE ADJUST」は、ロックレンジの精度をコントロールしてジッターノイズを軽減するもの。さらに、高域特性を変化させる「DIGITAL FILTER」(カチッとして骨格感が出る「SHARP」、音色や響きが柔らかく自然な雰囲気になる「SLOW」、音の立ち上がりが良い「SHORT」から選択可能)や、最大192kHzまでのアップサンプリング機能も搭載されており、環境や好みに合わせて音質を調整することができる。


なかでも最大の注目株は「LOCK RANGE ADJUST」だろう。こちらは、パイオニアの据置型ヘッドホンアンプ内蔵USB-DAC「U-05」にも採用されているもので、DACのロックレンジを狭めていくことで、ジッターノイズを低減しピュアな音を実現するというもの。4段階の調整ができる。ロックレンジを狭め過ぎると音ギレが生じるため環境に応じたセッティングの調整が必要となるが、それがまた楽しい! なかなかにいじり甲斐のある調整機能なのだ。

ロックレンジアジャストやDIGITAL FILTERなどの機能は、本体サイドのつまみで調整可能

DACのロックレンジを狭めると、ジッターの影響を受けない範囲が広がるのでS/Nが向上する(しかしやり過ぎると音が途切れる)。これはDACチップが元々持っている機能のひとつなのだが、通常はユーザーが調整できるようにはされてない。XPA-700では特別に開放されている。

なお、ここまで楽しく、コンセプトのはっきりした製品でありながら、音質についても一切の手抜かりがない。音質の要となるDACはESS社製「ES9018K2M」をチョイス。ちなみにパイオニアは既にAVアンプやプリメインアンプ「A-70」(2012年発売)などでESS社製DACを採用しており、その使いこなしに関してはかなりの定評を持つ。さらに、基板上のレイアウトもデジタル部とアナログ部、電源部をセパレートしてノイズを低減。バランス出力に関しては、アンプを左右独立にするなど、DACから最終出力段までフルバランス伝送を実現している。

さらにさらに、44.1kHz系・48kHz系用にそれぞれのクロックを用意したデュアルクロック制御のアシンクロナス転送や、1点集中のアースレイアウトを採用するなど、コンパクトな筐体の中に、音質へのこだわりがぎっしりと詰め込まれているのだ。

XPA-700を人気イヤホン/ヘッドホンと組み合わせ!

さて、それでは実際のサウンド、その実力を確認するべく、様々なヘッドホン、イヤホンと組み合わせて試聴を行ってみよう。プレーヤーはPCを活用、まずはイヤホンから試聴を行った。

次ページXPA-700を人気イヤホン/ヘッドホンと組み合わせ!

1 2 3 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 楽天ブラックフライデーでJBLの超人気サウンドバー「BAR 1000/800」が激安!プロも驚く革新的モデルはどんな音を鳴らす?
2 評論家が厳選!マランツ「MODEL M1」でPolk Audio/KEF/TAD/Harbethのスピーカーを鳴らす
3 ビクター新ワイヤレスヘッドホン「HA-S99N」速攻レビュー! 評論家が「もう驚きでしかない」と高評価した魅力とは?
4 ボーズ、McIntosh Groupを買収。マッキントッシュ、ソナス・ファベールが傘下に
5 レグザが100型クラス大画面4Kテレビを拡充する理由とは? 目黒蓮の特別コメントも
6 パナソニック「2023年度 優秀ご販売店様謝恩会」を開催。21店が栄誉に輝く
7 山之内 正氏によるエソテリック×アキュフェーズ×マランツ比較試聴会、「ハイエンドオーディオ&アクセサリーショウ2024」で開催
8 オーディオファイル待望の物量投入型プリメインアンプ!デノン「PMA-3000NE」をクオリティチェック
9 B&Wの音は “信頼に値する重要な指標”。音元出版の新試聴室に「802 D4」が導入されたワケ
10 新開発ユニットを巧みに操る懐深いサウンド。ELAC「Debut 3.0」フロア型/ブックシェルフ型を聴く
11/22 10:41 更新
MAGAZINE
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー193号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.194
オーディオアクセサリー大全2025~2026
別冊・ケーブル大全
別冊・オーディオアクセサリー大全
最新号
2025~2026
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.22 2024冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.22
プレミアムヘッドホンガイド Vol.32 2024 AUTUMN
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.32(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2024年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年夏版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年冬版(電子版)
音元出版の雑誌 電子版 読み放題サービス
「マガジンプレミアム」お試し無料!

雑誌販売に関するお問合せ

WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX