公開日 2023/10/24 06:30
“ラックスマン流”ネットワーク再生の新提案!ストリーミングから映画まで「NT-07」が広げるエンタメの楽しみ方
【特別企画】音質も発展性も全方位に抜かりなし!
ラックスマンから待望のストリーマーが登場!自宅試聴室で徹底チェック
2022年10月、有楽町国際フォーラムで開催された東京インターナショナルオーディオショウのラックスマンブースで、僕はその一角に見たことのない製品を見つけた。ブラスターホワイト仕上げのフロントパネル、センター付近ディスプレイには、オレンジ色で楽曲名が表示されている。
この製品がハイレゾファイルを再生するストリーマーだということに気付くのに、そう時間はかからなかった。ついに老舗の国産オーディオブランド、ラックスマンが各種デジタル出力を搭載するネットワークトランスポート「NT-07」を登場させたのだ。
今回は自宅試聴室にNT-07を持ち込み、機能面、使い勝手、音質を検証した際の情報をお伝えしよう。
まずはシャーシ周りから確認しよう。寸法は440W×92H×398Dmm。フロントパネルには、左側から電源ボタン、有機ELのディスプレイ、USB-A端子が装備されている。フルサイズのシャーシだが高さが抑えられており、フロントパネルの造形はモダンで精密度が高い。
リアパネルにはRJ-45のLAN端子、そしてUSB Type-A、Coaxial、Opticalの3系統のデジタル出力を搭載。さらに、デジタル楽曲ファイルを保存したUSB外付けハードディスク/メモリを接続して音楽再生を可能とする2つ目のUSB Type-A端子も搭載する。そしてHDMI端子を2系統搭載することもポイントとなる。つまり、テレビがあるリビングオーディオの用途にも対応するのだ。ピュアハイファイによる音楽再生を追求するNT-07だけれど、テレビとも接続できる仕様を備えたことは、ラックスマンからのサプライズ的なプレゼントだ。
ソースについては本体に接続したUSBメモリ/ハードディスクや、ネットワーク上に設置したオーディオサーバーに保存されたハイレゾ楽曲ファイル(最大PCM 768kHz/32bit・DSD 22.5MHzに対応)、CDリッピングファイルの再生が可能だ。MQAフォーマット音源のコアデコードにも対応する。
さらに近日、日本上陸が期待されるQobuzや、TIDALとSpotifyなどのストリーミングサービス聴取が可能で、統合ソリューションroonのエンドポイントとしての機能(記事執筆時点では認証待ちの状態)するなど、ファイル再生、ストリーミングの両方で万全の対応を果たしている。
電源の強化や無線機能の非搭載など、正攻法の音質対策
音質対策のポイントは、電源の強化およびノイズ対策がしっかり押さえられていること。スイッチング電源を使わずアナログ電源により駆動されているが、その電源回路もこだわっており、OI型の大型電源トランスおよび10,000μF×2の大容量ブロックコンデンサーで構成されたディスクリートのハイイナーシャ電源回路を、振動吸収材を介して搭載する。
ノイズ対策については、高速なSoCチップを使い秀逸な動作レスポンスを求めつつ、ノイズ源となる経路を多層基板の内層に配置、アースの取り方にもこだわっている。また、ノイズを嫌ってWi-FiやBluetoothなどの無線デバイスからの接続を排除するなど、正攻法な音質対策もとられていることもポイントだ。ノンツイスト構造の新電源ケーブル「JPA-10000i」が付属するのも嬉しいところ。
また、iOSやAndroidデバイスにインストール可能な操作アプリ「LUXMAN Stream」も用意されているほか、オーディオライクな操作が可能な専用リモコンも付属する。昨今のネットワーク再生機器に多いパターンで、専用タブレットなどのアプリで多機能な選曲を、曲送りなどシンプルな操作は専用リモコンでワンプッシュで行うなど使い分けができるようになっている。