PR 公開日 2023/12/04 06:30
コルセア「VIRTUOSO PRO」レビュー。抜けのよいクリアなサウンドが魅力の開放型ゲーミングヘッドセット
ゲームはもちろん映像/音楽鑑賞も楽しくなる
年末年始に家でじっくりゲームを楽しみたいと考えている人は多いだろう。筆者も購入したまま遊ぶ時間を取れず積んだままのゲームを進めようとか、ネットゲームを存分に楽しみたいな、と今からワクワクしている。
せっかくゲームを楽しむなら、本格的なゲーミングヘッドセットを利用したい。性能がよいヘッドセットは高音質で定位も明瞭。人気のFPSやオープンワールドゲームは、他のキャラクターの足音から画面外の動きも感じ取れるほど高い没入感を得られる。「たかが音」と思われるかもしれないが、ゲームとサウンドは密接に関わっており、良い音にするだけでプレイの質もアップできる。
ゲーミングヘッドセットを扱うブランドの中で、高い信頼性と確かな品質で高い支持を集めているのがコルセアだ。PCゲームの黎明期からPCパーツやキーボードなど、さまざまなゲーミングデバイスを手掛けており、高い耐久性と安心感から世界中にコルセア愛好家がいるほど。そんなコルセアが新たに発売した有線接続のヘッドセットが「VIRTUOSO PRO」である。
VIRTUOSO PROの最大の特徴が、ヘッドセットでは珍しくヘッドホン部に開放(オープン)型を採用したこと。一般的なヘッドホンは密閉型と呼ばれ、ドライバーが収まるハウジングが樹脂や木材で密閉されており音が漏れない構造となる。ドライバーが発した音が、ハウジング内で反響することから、その素材や内部設計によって音質が変化する。
対する開放型はハウジングが密閉されておらず、自由に空気が出入りできる。音も一緒に移動するため再生時の漏れは避けられないが、密閉型とは一線を画す広がりのあるスピーカーライクなナチュラルサウンドを楽しめるメリットがある。
VIRTUOSO PROのハウジングは側面が三角形のパンチ穴が無数に空いたメッシュ状になっている。中を覗くと50mm径のネオジムドライバーがフレームに固定されているのが見える。このドライバーは、コルセアの密閉型ヘッドセットの上位機でも使われているものだが、開放型の特性に合わせてチューニングされており、再生周波数帯域は20Hz〜40kHzと広帯域をカバーする。
ハウジングはフレームが樹脂でできているものの、エッジ部分やアーム、ヘッドバンドとの結合部といった要所に金属製パーツが用いられている。ハウジングを強引に開いたり、捻ったりしてみたが、堅牢性はかなりものもだった。
ヘッドバンドで頭頂部を支持する部分とイヤーパッドは、ファブリックと低反発素材を組み合わせており、肉厚で当たりが柔らかい。装着すると、最初はやや側圧が強く感じられるのだが、数分経つとイヤーパッドが側頭部に馴染んでウソのようにソフトに感じられる。質量が380gと大きさの割に軽く、ハウジングやパッドの通気性の良さもあって、4時間ほど連続でゲームをプレイしても耳が疲れたり、側頭部が痛くなったりしなかったのには驚いた。
ケーブルは着脱が可能。左右ハウジングに3.5mmの入力端子があり、ここにそれぞれケーブルを挿す両出し方式を採用する。付属ケーブルは2種類あり、1本が左チャンネルの端子部分にブームマイクが付いたタイプ、もう1本はマイクなしのストレートタイプとなる。いずれも再生機器側の端子は3.5mmだ。ケーブルは被覆がファブリック製のため、柔らかく取り回しがしやすい。タッチノイズもほぼなかった。
ブームマイクは、声を狙って捉える単一指向性のもの。マイクのアーム部は芯に針金のような素材を用いており、任意の角度に曲げて形を保持できる。比較的柔らかいので、簡単に口元に近づけたり、遠ざけたりしやすい。ブームマイクの付け根の端子との分岐部分にスライド式のスイッチがあり、瞬時にミュートが可能となっている。
ゲームでのサウンドを試す前に、素の音質を確かめよう。ソニーのDAP「NW-ZX707」に接続し、Amazon Musicで藤井風「花」をストリーミング再生した。一聴して低域から高域までウェルバランスのナチュラルな音色だと分かる。高解像度で量感があり、ボーカルは肉付きよく滑らか。明瞭でエネルギー感があるのに過度に誇張された感覚がない、絶妙のバランスで音の輪郭を描いてくれる。aikoの「カブトムシ」は、中域から高域までスムーズに伸びる。声の繊細なニュアンスも消え際も自然に表現しており、歪みが少ないことが分かる。
オーケストラの空間表現は広がりが豊か。モンスターハンターシリーズのテーマ曲「英雄の証」は、オープニングでホーンセクションが空間に拡がる。そこに弦楽器が加わり、メインフレーズに入ると、幾重にも音が重なる。一つひとつの音の美しさとホールで聴いているような臨場感に鳥肌が立った。伸びやかで素直な音が頭中を駆け巡るさまは、スピーカー再生で得られる音楽体感にかなり近い印象だ。
開放型であることからどうしても音が漏れることは避けられない。周囲の人に迷惑がかからないか家族に音漏れをチェックしてもらったが、「よほど大音量にしない限り、音漏れは気にならなかった」そうだ。
いよいよゲームで音質をチェックする。まずは、PCでネットワーク対戦が人気のFPS『Apex Legends』をプレイ。恥ずかしながら、筆者はFPSがそこまで得意ではない。とりわけ近距離戦闘が苦手なので、建物内や遮蔽物に隠れつつ移動しながら距離を取っておきたい。この時頼りになるのが音だ。
VIRTUOSO PROは驚くほど音の定位が正確で曖昧さがない。音の発生源が斜め後方なのか真後ろ寄りなのかといった微妙な位置まで分かる。遠方で味方が戦闘を始めても、銃声を頼りに位置や距離感を把握して的確にヘルプに行ける。先手を打てず背後から撃たれた時も、瞬時に方向を把握して物陰に隠れたり、反撃したりといった次のアクションにつなげやすい。
戦闘が続くと、アイテム取得や弾丸の装填といった効果音が立て続けに鳴るが、音がクリアで聴き分けが容易。周囲で何があり、自分が何をしたのかが手に取るように分かる。また、フレンドとのプレイ時にあえて周りで音楽を流しながらボイスチャットを試したのだが、音楽はほとんど分からなかったそうで、今までのヘッドセットより声が聴きやすいと好評だった。開放型で自分の声がナチュラルに耳に入るため、普通に会話している感覚なのも使いやすかった。
続いてPlayStation 5に切り替え、『デス・ストランディング』を遊ぶ。本作は近未来のアメリカを舞台にした、オープンワールドのアクションアドベンチャーゲーム。主人公のサムが依頼された荷物を各地に届けながらストーリーが進む。途中、BT(Beached Things=座礁物)と呼ぶ見えない敵と対峙する場面では、テレビのスピーカーだと音がスカスカでなんとか雰囲気は伝わるものの没入感に乏しい。これが、VIRTUOSO PROだと音と映像がリンクした世界に身を置いているように感覚になる。姿の見えないBTは手形を残して移動するのだが、その音が本当にリアルで、側に何かが居るような感覚になる。この緊張感が病みつきになり、テレビのスピーカーだと本作を心から楽しめなくなってしまった。
レースゲームの『グランツーリスモ7』では、高速道路と湾岸部の倉庫エリアが混在する「東京エクスプレスウェイ」コースの南ルートを走ってみた。VIRTUOSO PROでプレイしてまず驚いたのがエンジン音のリアルさ。車種を変えるとエンジン音も変わるのだが、どれも本物のように音が立体的。高揚した気分で高速道路を爆走すると、防音壁の高さによって音の反響が変わっていたり、湾岸部の開けた場所だと反響がなかったりと本当に車に乗っているように音が変化していることに気付く。これまでテレビのスピーカーで遊んでいたが、音の違いが瞬時に把握できたのはトンネルを出入りしたときくらい。壁の高さまで考慮して反響音を再現していると分からなかった。
ゲームをひとしきり遊んだ後は、PS5からPrime Videoでアニメ『葬送のフリーレン』を視聴する。この作品は、長寿のエルフであるフリーレンが、かつて一緒に冒険した仲間の死に直面し、人を知りたいと旅に出るストーリー。非常に静かなトーンで淡々と物語が進み、音と映像による巧みな演出で世界観に引き込んでいく。VIRTUOSO PROの凄いところが、ちょっとした会話でも声のわずかな表情の違いまでよく見えること。これが、感情の起伏に乏しいフリーレンの心の中を浮き彫りにし、観ている筆者の心にも響いてくる。すっかり作品の虜になり、配信中の全話を一気見してしまった。
VIRTUOSO PROは抜けがよい開放型の特性を活かした、気持ちのいいナチュラルサウンドが魅力で、ゲームや映像の魅力を底上げしてくれた。オーディオ用ヘッドホンとしての実力も相当なもので、価格以上のクオリティといっても過言ではない。オプションで機器側に4.4mm端子を採用するバランスケーブルが用意されており、より高音質で音楽を聴きたいというニーズも満たしてくれるのも有り難い。
その実力が評価され、VGP2024では『ゲーミングヘッドホン(2万円以上3万円未満)』で金賞を受賞している。本機があれば、ゲームはもちろん映像視聴や音楽リスニングと年末年始を楽しく快適に過ごせるはずだ。
(提供:CORSAIR)
せっかくゲームを楽しむなら、本格的なゲーミングヘッドセットを利用したい。性能がよいヘッドセットは高音質で定位も明瞭。人気のFPSやオープンワールドゲームは、他のキャラクターの足音から画面外の動きも感じ取れるほど高い没入感を得られる。「たかが音」と思われるかもしれないが、ゲームとサウンドは密接に関わっており、良い音にするだけでプレイの質もアップできる。
ゲーミングヘッドセットを扱うブランドの中で、高い信頼性と確かな品質で高い支持を集めているのがコルセアだ。PCゲームの黎明期からPCパーツやキーボードなど、さまざまなゲーミングデバイスを手掛けており、高い耐久性と安心感から世界中にコルセア愛好家がいるほど。そんなコルセアが新たに発売した有線接続のヘッドセットが「VIRTUOSO PRO」である。
VIRTUOSO PROの装着感:開放型+肉厚イヤーパッドで長時間のプレイが苦にならない
VIRTUOSO PROの最大の特徴が、ヘッドセットでは珍しくヘッドホン部に開放(オープン)型を採用したこと。一般的なヘッドホンは密閉型と呼ばれ、ドライバーが収まるハウジングが樹脂や木材で密閉されており音が漏れない構造となる。ドライバーが発した音が、ハウジング内で反響することから、その素材や内部設計によって音質が変化する。
対する開放型はハウジングが密閉されておらず、自由に空気が出入りできる。音も一緒に移動するため再生時の漏れは避けられないが、密閉型とは一線を画す広がりのあるスピーカーライクなナチュラルサウンドを楽しめるメリットがある。
VIRTUOSO PROのハウジングは側面が三角形のパンチ穴が無数に空いたメッシュ状になっている。中を覗くと50mm径のネオジムドライバーがフレームに固定されているのが見える。このドライバーは、コルセアの密閉型ヘッドセットの上位機でも使われているものだが、開放型の特性に合わせてチューニングされており、再生周波数帯域は20Hz〜40kHzと広帯域をカバーする。
ハウジングはフレームが樹脂でできているものの、エッジ部分やアーム、ヘッドバンドとの結合部といった要所に金属製パーツが用いられている。ハウジングを強引に開いたり、捻ったりしてみたが、堅牢性はかなりものもだった。
ヘッドバンドで頭頂部を支持する部分とイヤーパッドは、ファブリックと低反発素材を組み合わせており、肉厚で当たりが柔らかい。装着すると、最初はやや側圧が強く感じられるのだが、数分経つとイヤーパッドが側頭部に馴染んでウソのようにソフトに感じられる。質量が380gと大きさの割に軽く、ハウジングやパッドの通気性の良さもあって、4時間ほど連続でゲームをプレイしても耳が疲れたり、側頭部が痛くなったりしなかったのには驚いた。
ケーブルは着脱が可能。左右ハウジングに3.5mmの入力端子があり、ここにそれぞれケーブルを挿す両出し方式を採用する。付属ケーブルは2種類あり、1本が左チャンネルの端子部分にブームマイクが付いたタイプ、もう1本はマイクなしのストレートタイプとなる。いずれも再生機器側の端子は3.5mmだ。ケーブルは被覆がファブリック製のため、柔らかく取り回しがしやすい。タッチノイズもほぼなかった。
ブームマイクは、声を狙って捉える単一指向性のもの。マイクのアーム部は芯に針金のような素材を用いており、任意の角度に曲げて形を保持できる。比較的柔らかいので、簡単に口元に近づけたり、遠ざけたりしやすい。ブームマイクの付け根の端子との分岐部分にスライド式のスイッチがあり、瞬時にミュートが可能となっている。
VIRTUOSO PROの音質:表現力が豊かで量感のあるナチュラルサウンドを楽しめる
ゲームでのサウンドを試す前に、素の音質を確かめよう。ソニーのDAP「NW-ZX707」に接続し、Amazon Musicで藤井風「花」をストリーミング再生した。一聴して低域から高域までウェルバランスのナチュラルな音色だと分かる。高解像度で量感があり、ボーカルは肉付きよく滑らか。明瞭でエネルギー感があるのに過度に誇張された感覚がない、絶妙のバランスで音の輪郭を描いてくれる。aikoの「カブトムシ」は、中域から高域までスムーズに伸びる。声の繊細なニュアンスも消え際も自然に表現しており、歪みが少ないことが分かる。
オーケストラの空間表現は広がりが豊か。モンスターハンターシリーズのテーマ曲「英雄の証」は、オープニングでホーンセクションが空間に拡がる。そこに弦楽器が加わり、メインフレーズに入ると、幾重にも音が重なる。一つひとつの音の美しさとホールで聴いているような臨場感に鳥肌が立った。伸びやかで素直な音が頭中を駆け巡るさまは、スピーカー再生で得られる音楽体感にかなり近い印象だ。
開放型であることからどうしても音が漏れることは避けられない。周囲の人に迷惑がかからないか家族に音漏れをチェックしてもらったが、「よほど大音量にしない限り、音漏れは気にならなかった」そうだ。
VIRTUOSO PROでゲーム体験:定位の良さと優れた音質がよくゲームの楽しさを底上げしてくれる
いよいよゲームで音質をチェックする。まずは、PCでネットワーク対戦が人気のFPS『Apex Legends』をプレイ。恥ずかしながら、筆者はFPSがそこまで得意ではない。とりわけ近距離戦闘が苦手なので、建物内や遮蔽物に隠れつつ移動しながら距離を取っておきたい。この時頼りになるのが音だ。
VIRTUOSO PROは驚くほど音の定位が正確で曖昧さがない。音の発生源が斜め後方なのか真後ろ寄りなのかといった微妙な位置まで分かる。遠方で味方が戦闘を始めても、銃声を頼りに位置や距離感を把握して的確にヘルプに行ける。先手を打てず背後から撃たれた時も、瞬時に方向を把握して物陰に隠れたり、反撃したりといった次のアクションにつなげやすい。
戦闘が続くと、アイテム取得や弾丸の装填といった効果音が立て続けに鳴るが、音がクリアで聴き分けが容易。周囲で何があり、自分が何をしたのかが手に取るように分かる。また、フレンドとのプレイ時にあえて周りで音楽を流しながらボイスチャットを試したのだが、音楽はほとんど分からなかったそうで、今までのヘッドセットより声が聴きやすいと好評だった。開放型で自分の声がナチュラルに耳に入るため、普通に会話している感覚なのも使いやすかった。
続いてPlayStation 5に切り替え、『デス・ストランディング』を遊ぶ。本作は近未来のアメリカを舞台にした、オープンワールドのアクションアドベンチャーゲーム。主人公のサムが依頼された荷物を各地に届けながらストーリーが進む。途中、BT(Beached Things=座礁物)と呼ぶ見えない敵と対峙する場面では、テレビのスピーカーだと音がスカスカでなんとか雰囲気は伝わるものの没入感に乏しい。これが、VIRTUOSO PROだと音と映像がリンクした世界に身を置いているように感覚になる。姿の見えないBTは手形を残して移動するのだが、その音が本当にリアルで、側に何かが居るような感覚になる。この緊張感が病みつきになり、テレビのスピーカーだと本作を心から楽しめなくなってしまった。
レースゲームの『グランツーリスモ7』では、高速道路と湾岸部の倉庫エリアが混在する「東京エクスプレスウェイ」コースの南ルートを走ってみた。VIRTUOSO PROでプレイしてまず驚いたのがエンジン音のリアルさ。車種を変えるとエンジン音も変わるのだが、どれも本物のように音が立体的。高揚した気分で高速道路を爆走すると、防音壁の高さによって音の反響が変わっていたり、湾岸部の開けた場所だと反響がなかったりと本当に車に乗っているように音が変化していることに気付く。これまでテレビのスピーカーで遊んでいたが、音の違いが瞬時に把握できたのはトンネルを出入りしたときくらい。壁の高さまで考慮して反響音を再現していると分からなかった。
ゲームをひとしきり遊んだ後は、PS5からPrime Videoでアニメ『葬送のフリーレン』を視聴する。この作品は、長寿のエルフであるフリーレンが、かつて一緒に冒険した仲間の死に直面し、人を知りたいと旅に出るストーリー。非常に静かなトーンで淡々と物語が進み、音と映像による巧みな演出で世界観に引き込んでいく。VIRTUOSO PROの凄いところが、ちょっとした会話でも声のわずかな表情の違いまでよく見えること。これが、感情の起伏に乏しいフリーレンの心の中を浮き彫りにし、観ている筆者の心にも響いてくる。すっかり作品の虜になり、配信中の全話を一気見してしまった。
VIRTUOSO PROは抜けがよい開放型の特性を活かした、気持ちのいいナチュラルサウンドが魅力で、ゲームや映像の魅力を底上げしてくれた。オーディオ用ヘッドホンとしての実力も相当なもので、価格以上のクオリティといっても過言ではない。オプションで機器側に4.4mm端子を採用するバランスケーブルが用意されており、より高音質で音楽を聴きたいというニーズも満たしてくれるのも有り難い。
その実力が評価され、VGP2024では『ゲーミングヘッドホン(2万円以上3万円未満)』で金賞を受賞している。本機があれば、ゲームはもちろん映像視聴や音楽リスニングと年末年始を楽しく快適に過ごせるはずだ。
(提供:CORSAIR)