PR 公開日 2024/07/30 06:30
ハイコスパ&多機能プレーヤーの決定版。Apple MusicもAmazon Musicも楽しめるeversoloのストリーマーをチェック
android OSを搭載し各種アプリもインストール可能
ストリーミングも対応、リーズナブルな多機能ミュージックサーバー
今年から日本に上陸したeversoloは中国のAVメーカーZidooが擁するブランド。Zidooは映像までカバーするマルチメディア製品を手掛けるのに対し、eversoloはオーディオに特化した製品群という棲み分けがされている。eversolo製品は先行してフラグシップのミュージックサーバー「DMP-A8」とUSB-DAC&ヘッドホンアンプ「DAC-Z8」が導入されており、第3弾として今回紹介する「DMP-A6 Master Edition」が登場した。
DMP-A6 Master Editionはandroid OSをベースに作り込まれた多機能なミュージックサーバーであり、税込176,000円という本格的なオーディオ機器として比較的リーズナブルな値付けながら、機能的には上位機のDMP-A8とほとんど共通する、極めて充実した内容を備えている。
まず、DMP-A6 Master Editionはその名の通り同社の「DMP-A6」の特別モデルという立ち位置で、ネットワークオーディオ機器としての機能は共通。オリジナル機に対して、フロントパネルのロゴ・プレートやボリュームインジケーターの発光色がゴールドになっていること、超低ジッターを実現するデュアル・フェムトクロックシステムの搭載、より高品質なコンポーネントを用いたアナログ回路の3点が違いとなっている。
筐体は厚みのある航空用アルミニウムで構成され、質感・剛性ともに価格を越えた満足感がある。外観上の大きな特徴である6型のフルカラータッチディスプレイは、本体操作時に優れたメニューの視認性や操作性をもたらす。
DMP-A6 Master Editionは専用のコントロールアプリ「eversolo Control」が用意されており、アプリを使っての操作が主眼になるとはいえ、ネットワークオーディオの作法に不慣れなビギナーからすれば、本体ディスプレイで操作できるというのは安心感に繋がるだろう。現に、ネットワークオーディオ機器に大型のディスプレイを搭載するというのは近年の世界的なトレンドでもある。
とにかく多機能なDMP-A6 Master Editionだが、基本的には手持ちのファイル音源や各種ストリーミングサービスに対応するミュージックサーバーとして使うケースが多いだろう。ストリーミングサービスはTIDAL・Qobuzのほか、Amazon Musicに対応する貴重な製品であり、さらに本機のandroid OSを巧みに生かし、アプリを追加する形でApple Music(Apple Music Classicalを含む)の再生も可能としている。
また、USB-Cと同軸・光デジタル入力を備えており、単体DACとしても使用可能。DACチップはES9038Q2Mをデュアルで搭載し、リニアPCM 768kHz/32bitとDSD512の再生に対応。アナログ出力ではボリューム可変出力も可能だ。
DMP-A6 Master EditionはUSBを含むデジタル出力を用いてフルスペックのネットワークトランスポートとしても使用でき、HDMI端子からのマルチチャンネルPCM・DSD出力も可能。AVアンプなど、マルチチャンネル入力に対応する機器と組み合わせれば、最大5.1chの再生が行える。マルチチャンネルのソースの入手性という現実的な問題はさておき、これは極めて希少な、本機の目玉機能のひとつともいえる。
音源保存用のストレージとしては背部に接続するUSBストレージやサーバーを利用できるのにくわえて、底面に設けられたスロットにM.2 SSDを増設することも可能。なお、ストレージは基本的にユーザーが用意する形となるが、本体容量として32GBのメモリーを搭載しており、ごく小規模なライブラリであれば別途ストレージを用意せずに利用できる。
そのほか、DMP-A6 Master EditionはRoon Ready対応、外付けディスクドライブを接続してのCD再生&リッピングなど、到底紹介しきれないほどの機能を備えている。上位機のDMP-A8はアナログ入力を含む本格的なプリアンプ機能を持つなど、製品間で微妙な差はあるものの、eversolo製品の多機能ぶりは本当に傑出している。ユーザーがどのような使い方を望んでも、それに応えてくれるだけの懐の深さがあるのだ。なお、日本仕様ではWi-FiとBluetoothは使用できない。
適度にエッジの利いた粒立ちの良い音。アコースティック楽曲との相性も良好
DMP-A6 Master Editionの試聴は筆者のリビングシステムにて、Nmodeのプリメインアンプ「X-PM9」、Paradigmのブックシェルフ「Persona B」と組み合わせて行った。
手持ちのファイル音源の再生、ストリーミングサービスの再生、USB-DACとしての再生と、一通り内蔵DACを使った再生をしてみたが、共通して感じられたのは適度にエッジの利いた粒立ちの良い音。とはいえ過剰に高域が目立つような印象はなく、帯域のエネルギーバランスは上から下まで均等、整然としている。空間の再現においても、高い分解能のおかげで再生音が混濁するような事態にはならない。この辺りはさすがにエントリークラスの製品とは一線を画した再生能力を感じさせる。
特に組み合わせたアンプ&スピーカーの特徴と噛み合ったのか、ジョン・バトラーのギター・インストゥルメンタル『Ocean (2012)』やヘルゲ・リエン/クヌート・ヘムの『Villingsberg』など、アコースティックかつシンプルな構成の楽曲との相性はすこぶる良好。楽器のトランジェントが克明に描写され、透明感と清々しさに溢れた再生音を味わうことができた。
新曲代表として聴いたチャーリー・XCXの新作『Brat』の「360」では、多用される打ち込みの輪郭描写に曖昧なところがなく、ボーカルを中心とした立体感もしっかりと表現できている。中低域は引き締まりつつもエネルギー感もしっかり乗っているため、純粋に音楽を聴いた際の満足度も高い。
総じて再生機器としてのDMP-A6 Master Editionは、滑らかさや豊かさよりも透明感や解像感の高さといった要素が強く感じられた。この印象はDMP-A6 Master Editionをネットワークトランスポートとして筆者のメインシステムに繋いだ時も共通しており、本機の特色といえる。一方で、DMP-A6 Master EditionはDACフィルターの選択やイコライザ―といった機能を備えているため、好みの音に追い込んでいくという楽しさもあるだろう。
繰り返しになるが、DMP-A6 Master Editionは他と隔絶した多機能ぶりが最大の特徴といえるが、単にできることが多いというだけではなく、個々の機能はそれぞれ使い勝手も含めてじゅうぶんに「実用に足る」レベルで仕上がっていることにこそ価値がある。
手持ちの音源を大切にしたいユーザーには高度な仕様を提供するミュージックサーバーとして、ストリーミングサービスを中心に使いたいユーザーには貴重なAmazon MusicやApple Music対応機として、外部DACとしての組み合わせでさらなる音質向上を狙うユーザーにはフルスペックのネットワークトランスポートとして使える。高度な専用コントロールアプリが用意され、さらに本体の大型ディスプレイのおかげでビギナー層にもとっつきやすい。DMP-A6 Master Editionはネットワークオーディオ時代の様々な要望に全力で応えてくれる、実に心強い存在だ。
(提供:ブライトーン)