公開日 2013/09/19 10:30
“いーぐる後藤”がジャズの魅力をラジオで“指南” − MUSIC BIRD「”ザ”ジャズセミナー」
【特別企画】番組プロデューサーが裏側を語る
ファイル・ウェブ編集部
老舗ジャズ喫茶『いーぐる』の名物オーナーにしてジャスに関する著書執筆や講演活動も多数行っている「いーぐる後藤」。そんな彼がパーソナリティを務め、幅広い層に向けてジャズの魅力を伝授するラジオ番組「いーぐる後藤の”ザ”ジャズセミナー」が、音楽専門の衛星デジタルラジオ「MUSIC BIRD（ミュージックバード）」で放送されている。
いーぐる後藤とはどんな人物なのか？ どんな番組内容なのか？ 番組プロデューサーが裏側を語ってくれた。
＜スタッフより＞
◆ジャズと共に45年！名物店主による「ジャズの楽しみ方」、伝授します！
後藤雅洋氏
東京・四谷にある老舗ジャズ喫茶『いーぐる』のオーナー後藤雅洋がお送りする「いーぐる後藤の”ザ”ジャズセミナー」（火22：00〜／再放送：土9：00〜）。
後藤氏は「ジャズ初心者・入門者」の啓蒙にとても熱心な人。その多くの著書もそうだし、カルチャー・センターでもジャズの扉をたたく多くの人を指導してきました。また一方で「いーぐる連続講演」というジャズ中上級者向けの講演会も数百回も催してきました。そんな後藤による「JAZZ指南」が聴けるのがこの番組。
ジャズ初心者という方も、より深い知識を得たいという方も必聴です。
◆番組ディレクターが語る、番組への想い、後藤氏の素顔
〜『いーぐる後藤の”ザ”ジャズセミナー』に見る後藤雅洋氏の生真面目さ〜
実のところ番組ディレクターである私は『ジャズ喫茶』に足繁く通うタイプではない。
ただ、超貧乏な学生生活を送っていた40数年前の1970年代はそれはそれはよく通った。なんせステレオを持ってなかったので仕方がなかったのである。（当然レコードなんて持っているわけない）
中央線の阿佐ヶ谷に長いこと住んでいたのでお隣高円寺の『サン・ジェルマン』（歩いていけるので電車賃が節約できる）、さらにお隣の中野駅の南口にある『クレッセント』（バイトの友だちがやっていて一杯の珈琲の伝票で5杯はそーっと注いでくれたから）。
だから後藤雅洋氏の四谷『いーぐる』。寺島靖国氏の『メグ』。両方とも21世紀になるまで足を踏み入れたことがなかったのである。勿論両店とも名前は知っていたが、なぜか縁がなかった。1973年頃からFM東京の『ジャズ・ライヴ収録番組』を担当するようになってからは、急に『ジャズ喫茶』とは縁が遠くなってしまう。スタジオ、ライヴ・ハウス、コンサート・ホールなどで収録をしていると、目の前で、現在進行形で行われている音楽に夢中になってしまうのは当然の帰結である。数えてみれば1975年から2001年まで実に四半世紀！私はジャズ喫茶に行っていないのである。
そんな私がジャズ喫茶の店主がパーソナリティーである仕事をやることになった。
最初は寺島靖国氏。打ち合わせをしながら、なにかうしろめたい。1回も行ったことがないお店のオーナーだからだ。次に後藤氏。これも同じ気持ち。『メグ』などは場所さえ勘違いしていた位だ。寺島氏の番組のことは前回詳しく歴史を述べたのでここでは触れない。
さて本題の後藤雅洋氏。
私がこの方に会う前に持っていた印象は「ジャズ道場の師範』というジャズ武闘派のイメージである。実際に柔道・空手の有段者でもあるし、店で騒いだりとんでもないリクエストをした客には『4の字固め』をかけて悶絶させるという『都市伝説』（ガセネタです！）まで流れた事もあるという硬派中の硬派のイメージだった。
またお店が上智大学や法政大学に近く学生に人気のあるジャズ喫茶であったため、学生達にジャズのなんたるかの啓蒙活動を自然と行っていたという。そのおかげでここから村井康司氏や杉田宏樹氏などの優秀な中堅ジャズ評論家を輩出している事はよく知られている。そしてほぼ隔週の土曜日に行われている『いーぐる連続講演』はすでに500回をこえているし『朝日カルチャー』のジャズ講座も絶える事なく続いている。
そう、ここ『いーぐる』はある意味での『ジャズ・ファン養成学校』なのだ。
そして『いーぐる後藤のTHE JAZZ SEMINAR』。
実は後藤雅洋氏がミュージックバードに出演するのはこれが初めてではない。2000年に岩浪洋三さんと映像作家の山下泰司氏の3人で鼎談『GACHINNKO!ジャズ放談』を始めたが1年で終了。翌2001年『後藤雅洋のワシ派宣言』という番組をスタートさせ、これは前番組と違って毎回の週代わりゲスト番組であったが、これも1年しか持たなかった。
原因は思い当たった。後藤雅洋氏が生真面目すぎるのである。その生真面目さは相手のゲストにも乗り移り話が固くなる。それと礼儀正しい性格なので、目上の人に対して、例えば岩浪洋三氏などには決してズケズケとは突っ込まない。（寺島靖国さんとは対照的である）だから番組が『予定調和的』に終わることが多かった記憶がある。
それを踏まえ2012年の4月に始まったのが『いーぐる後藤の”ザ”ジャズセミナー』。こちらはその辺りの反省をもってフォーマットを変えた。まず後藤雅洋氏の一人語りにした。一人しゃべりは難しいのだが、やってみると以前の2番組より後藤氏の固さが取れたように感じた。
ゲストに気を使わなくていいことが理由だと思った。あとは後藤氏からなんとか不真面目さを引き出すしかないと考え、私が時々番組中にからむ事にした。
でも不思議だなあ。一緒に呑んでるとあんなに不真面目な話題に興味を持つのに。。。
（太田 俊）
◇ ◇ ◇
MUSIC BIRDでは、加入すると月額聴取料金が最大2ヶ月分無料になるほか、アンケート回答でもれなくQUOカード2,000円分をプレゼントするなどのキャンペーンも現在実施中。メールで資料請求を受け付けている。
いーぐる後藤とはどんな人物なのか？ どんな番組内容なのか？ 番組プロデューサーが裏側を語ってくれた。
＜スタッフより＞
◆ジャズと共に45年！名物店主による「ジャズの楽しみ方」、伝授します！
後藤雅洋氏
東京・四谷にある老舗ジャズ喫茶『いーぐる』のオーナー後藤雅洋がお送りする「いーぐる後藤の”ザ”ジャズセミナー」（火22：00〜／再放送：土9：00〜）。
後藤氏は「ジャズ初心者・入門者」の啓蒙にとても熱心な人。その多くの著書もそうだし、カルチャー・センターでもジャズの扉をたたく多くの人を指導してきました。また一方で「いーぐる連続講演」というジャズ中上級者向けの講演会も数百回も催してきました。そんな後藤による「JAZZ指南」が聴けるのがこの番組。
ジャズ初心者という方も、より深い知識を得たいという方も必聴です。
◆番組ディレクターが語る、番組への想い、後藤氏の素顔
〜『いーぐる後藤の”ザ”ジャズセミナー』に見る後藤雅洋氏の生真面目さ〜
実のところ番組ディレクターである私は『ジャズ喫茶』に足繁く通うタイプではない。
ただ、超貧乏な学生生活を送っていた40数年前の1970年代はそれはそれはよく通った。なんせステレオを持ってなかったので仕方がなかったのである。（当然レコードなんて持っているわけない）
中央線の阿佐ヶ谷に長いこと住んでいたのでお隣高円寺の『サン・ジェルマン』（歩いていけるので電車賃が節約できる）、さらにお隣の中野駅の南口にある『クレッセント』（バイトの友だちがやっていて一杯の珈琲の伝票で5杯はそーっと注いでくれたから）。
だから後藤雅洋氏の四谷『いーぐる』。寺島靖国氏の『メグ』。両方とも21世紀になるまで足を踏み入れたことがなかったのである。勿論両店とも名前は知っていたが、なぜか縁がなかった。1973年頃からFM東京の『ジャズ・ライヴ収録番組』を担当するようになってからは、急に『ジャズ喫茶』とは縁が遠くなってしまう。スタジオ、ライヴ・ハウス、コンサート・ホールなどで収録をしていると、目の前で、現在進行形で行われている音楽に夢中になってしまうのは当然の帰結である。数えてみれば1975年から2001年まで実に四半世紀！私はジャズ喫茶に行っていないのである。
そんな私がジャズ喫茶の店主がパーソナリティーである仕事をやることになった。
最初は寺島靖国氏。打ち合わせをしながら、なにかうしろめたい。1回も行ったことがないお店のオーナーだからだ。次に後藤氏。これも同じ気持ち。『メグ』などは場所さえ勘違いしていた位だ。寺島氏の番組のことは前回詳しく歴史を述べたのでここでは触れない。
さて本題の後藤雅洋氏。
私がこの方に会う前に持っていた印象は「ジャズ道場の師範』というジャズ武闘派のイメージである。実際に柔道・空手の有段者でもあるし、店で騒いだりとんでもないリクエストをした客には『4の字固め』をかけて悶絶させるという『都市伝説』（ガセネタです！）まで流れた事もあるという硬派中の硬派のイメージだった。
またお店が上智大学や法政大学に近く学生に人気のあるジャズ喫茶であったため、学生達にジャズのなんたるかの啓蒙活動を自然と行っていたという。そのおかげでここから村井康司氏や杉田宏樹氏などの優秀な中堅ジャズ評論家を輩出している事はよく知られている。そしてほぼ隔週の土曜日に行われている『いーぐる連続講演』はすでに500回をこえているし『朝日カルチャー』のジャズ講座も絶える事なく続いている。
そう、ここ『いーぐる』はある意味での『ジャズ・ファン養成学校』なのだ。
そして『いーぐる後藤のTHE JAZZ SEMINAR』。
実は後藤雅洋氏がミュージックバードに出演するのはこれが初めてではない。2000年に岩浪洋三さんと映像作家の山下泰司氏の3人で鼎談『GACHINNKO!ジャズ放談』を始めたが1年で終了。翌2001年『後藤雅洋のワシ派宣言』という番組をスタートさせ、これは前番組と違って毎回の週代わりゲスト番組であったが、これも1年しか持たなかった。
原因は思い当たった。後藤雅洋氏が生真面目すぎるのである。その生真面目さは相手のゲストにも乗り移り話が固くなる。それと礼儀正しい性格なので、目上の人に対して、例えば岩浪洋三氏などには決してズケズケとは突っ込まない。（寺島靖国さんとは対照的である）だから番組が『予定調和的』に終わることが多かった記憶がある。
それを踏まえ2012年の4月に始まったのが『いーぐる後藤の”ザ”ジャズセミナー』。こちらはその辺りの反省をもってフォーマットを変えた。まず後藤雅洋氏の一人語りにした。一人しゃべりは難しいのだが、やってみると以前の2番組より後藤氏の固さが取れたように感じた。
ゲストに気を使わなくていいことが理由だと思った。あとは後藤氏からなんとか不真面目さを引き出すしかないと考え、私が時々番組中にからむ事にした。
でも不思議だなあ。一緒に呑んでるとあんなに不真面目な話題に興味を持つのに。。。
（太田 俊）
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