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公開日 2021/08/13 06:30

Amazon Prime Videoに『シン・エヴァンゲリオン劇場版』襲来。いま見ておきたい「庵野秀明」関連作品まとめ

『シン・エヴァ』をよりディープに楽しめる…かも?
編集部:松永達矢
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Amazon Prime Videoは、興行収入100億円の突破も記憶に新しい『シン・エヴァンゲリオン劇場版』と、その制作現場を4年に渡り独占密着したドキュメンタリー番組『さようなら全てのエヴァンゲリオン〜庵野秀明の1214日〜』を本日8月13日より配信する。

『シン・エヴァンゲリオン劇場版』 (C)khara



これを機に、あらためて『エヴァ』を総ざらいする、庵野作品に触れていくという方もいるのではないか。そこで本記事では、Amazon Prime Videoで配信中の『エヴァ』並びに庵野秀明の関連作品を紹介したい。余りにも大きな括りであるため、ピックアップする作品はほんの一部となってしまうが、2021年最大のヒット作の見放題配信入りという一大イベントを楽しむ上で参考になる部分があれば幸いである。

まずは、シン・エヴァ直前の監督作品でもある2016年公開作の『シン・ゴジラ』。その製作発表は遡ること7年前の2014年12月で、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』(2012年)の公開から2年が経っていたのもあり「エヴァは?」となったファンも多いだろう。同日配信のドキュメンタリーに明るいが、シン・エヴァの制作にあたり庵野監督がシン・ゴジラを経たというのは非常に大きなトピックとなっている。

『シン・ゴジラ』

アニメーションの制作において、まずは映像の設計図となる「絵コンテ」を用意するのが通例とされているが、シン・エヴァにおいてはシン・ゴジラの時に使い勝手が良かったとして、監督のリクエストからAdobeのPremiere Proを用いたプリヴィズ(=Previsualization、事前に作成されるイメージ映像)を制作し、そこから絵コンテを描き出したという。そういった点では「シン・ゴジラ無くしてシン・エヴァ無し」と言っても差し支えないだろう。先記の通り、プリヴィズ制作時の様子はシン・エヴァと同時配信されるドキュメンタリー番組で確認することができる。

『さようなら全てのエヴァンゲリオン〜庵野秀明の1214日〜』 (C)NHK (C)khara

同じ実写作品という括りでは、庵野監督初の実写長編作品『ラブ&ポップ』(1998年)や、『式日』(2000年)もPrime Videoにて配信されている。なお、『式日』は、庵野監督に非常に縁深い土地「山口県 宇部市」が作品の舞台となっているなど、シン・エヴァ公開後の今だからこそ面白く鑑賞できるポイントが増えた作品であると言える。また、本作の主人公は映画監督の岩井俊二が演じており、その役名は「男・カントク」。一見、岩井俊二その人なのか? と思うかもしれないが、キャラ造形や舞台となった地から類推するに「撮影当時の庵野監督の心境」が投影されている見方もできる。

『式日』

原作付き、かつ前衛的な内容となっているため、作品をどう捉えるかは受け手次第ではあるが、脚本担当は庵野秀明自身によるもの。様々な物が透けて見えてしまうように写っても仕方がないのだ。ついては、『式日』における「カントク」に「庵野監督」の姿を見出すような見方をすれば20年後に公開される『シン・エヴァンゲリオン』の描く一側面にさらなる感慨深さが加わる…かもしれない。

また、自身の作品ではないが、過去のメディアインタビューにて「生涯で何度も観た実写作品」として挙げる、岡本喜八監督による戦争映画『激動の昭和史 沖縄決戦』(1971年)もPrime Videoで視聴が可能だ。

岡本喜八監督作品 『激動の昭和史 沖縄決戦』

『沖縄決戦』から受けたインスピレーションは、最新作のシン・エヴァにも宿るところがあるかもしれないが、庵野作品内で分かりやすく影響を受けているものだと、1988年から89年に掛けて制作されたOVA『トップをねらえ!』でセリフとシチュエーションの引用があるほか、「旧劇場版エヴァ」の『Air/まごころを、君に』(1997年)内の戦略自衛隊によるNERV本部占拠のシーンに、影響を色濃く見出すことができる。なお、『トップをねらえ!』はPrime Videoの見放題作品としてラインナップしているほか、「旧劇場版エヴァ」はNetflixにて視聴が可能となっている。

『トップをねらえ!』

『ふしぎの海のナディア』

Prime Videoを軸として関連作を紹介するのであれば、TVアニメ『ふしぎの海のナディア』(1990-1991年)にも触れておきたい。「TV版エヴァ」の初期設定に『ナディア』の世界観設定が大きく関わっているといったファン内で有名な逸話のほか、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』内では劇中BGMのアレンジ版が使用されていることや、酷似するシチュエーションでは『ナディア』を彷彿とさせるカット割りが行われている。

また、去る6月21日にニッポン放送でオンエアされたラジオ番組「シン・エヴァンゲリオンのオールナイトニッポン」内で、冬月コウゾウ役の清川元夢が庵野監督との出会いについて触れた際『ナディア』のタイトルを出していたことも非常に印象深い。

なお、「新劇場版エヴァ」は、第1作目の『序』からPrime Videoにてチェックできるため、先に挙げたナディアとQの比較のほか、この夏休みを利用してシリーズイッキ見してしまうのも有りかもしれない。すでに2回、3回と観たという方も、Prime Videoの「サービス」を利用して、5回6回と回数を重ねてみてはいかがだろうか。

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