公開日 2021/12/25 07:00
【はじめてのゲーミングPC】普通のPCじゃダメなの?初心者が後悔しないためのポイントは?
<第1回>マウスコンピューターに聞いた
最近は色々なゲームが無料で始められるが、そのなかでも『Apex Legends(エーペックスレジェンズ)』の名前はよく見かけていた。そんな人気なら、と流行りに乗って、PlayStationにインストールしたのが1年ほど前。これまでFPSゲームをやってこなかったが、気づけば数時間が経ってしまうほど楽しい。多くの人が熱中するわけだ。
そこそこ遊ぶ時間が長くなると、他の人のプレイが気になってきた。いまは国内外の配信者による上手なプレイがすぐ観られるので、「こんな動きができるわけない」と思いながら眺める日々を過ごしていたが、たまに耳にして気になったのが「キーマウ」という言葉だった。
本連載では、このことをきっかけに記者がゲーミングPCを初体験し、Apexで勝利するまでの流れをレポートしていく。
■いざ、ゲーミングPCデビューへ
調べてみると、「キーマウ」とは「キーボード」「マウス」を略した言い方で、いわゆるコントローラー(PAD)とどちらが強いかの論争が起きるほど、界隈では熱いトピックのようだ。
記者はPlayStationでプレイしているのでずっとコントローラーを使っていたが、エイムアシストがついているおかげでなんとか弾が当たる、逆にいえばアシストありでも当たらないことも多い、という程度のスキルのため、その恩恵が受けられないのは心配だ。
そしてキーマウでは、キーボードで走ったり跳んだりの動きを操作、マウスで銃を撃つ操作を行うようだが、キーボードであのように滑らかな動きができるとは信じがたい。アナログスティックのほうが操作しやすいのでは?
しかし、キャラクターコントロールにおいてはキーマウが有利といわれている。またマウスカーソルを任意の位置に合わせることは簡単なので、もしかしたらエイムしやすいのかも、という期待もある。慣れさえすれば、コントローラーより上手くなるかもしれない。
ムクムクとゲーミングPC欲が高まってきたが、普段はMacBookを使っていて、ディスプレイもマウスも全部持っていない。ゼロから揃えるとして、知識もないので何が必要なのかもわからない。ということで、秋葉原のマウスコンピューターさんにお邪魔して、『初心者が買っておいて間違いないゲーミングPC』について教えてもらった。
■ゲーミングPCって高くない?
さて、とは言ったものの、そもそもゲーミングPCでないといけないのだろうか? 普通のPCに比べて価格がかなり高い。別にゲームができるなら、光ったりしなくとも良いので普通のPCでいいのだが。
そうズバリ聞いてみると、「構造自体は普通のPCもゲーミングPCも同じ」という回答が。ではどこで差が生まれるかというと、『グラボ(グラフィックボード)』が重要とのこと。そこに組み込まれた『GPU』が “強い” かどうかで、ゲームのプレイに大きな影響があるそうだ。
一般的なPCではCPUに内蔵しているオンボードグラフィックスを使っているが、外部GPU(グラボ)を使うことでゲームや動画編集といった負荷のかかる作業が行える。言ってしまえば、普通のPCにグラボを詰めばゲームはできる。GPUとCPUの重要度合いでは、「8:2くらいでグラボが命」というほどに大きなウエイトを占めている。
これ以外に大きな違いはないが、普通のPCは8GBメモリが主流である一方、ゲーミングでは16GB以上を搭載。物によっては32GB搭載しているものもある。このあたりのパーツの差が、そのまま価格差になっているようだ。正直言って高いことは高いが、ただ高いのではなく必要な値段ということで納得できた。
■「ノート」と「デスクトップ」はどちらがオススメ?
ではゲーミングPCから選ぶとして、ノートとデスクトップのどちらが良いのだろうか? これは「基本的にどっちもあり」とのこと。ライフスタイルやゲームカテゴリに応じて、好きな方を選んで良さそうだ。
ノートPCは「出張先にも持っていって常にゲームとともにありたい、練習したい」といった人が選ぶケースが多いそう。作業が多く、一日も目が離せないこともあるMMORPGなどのユーザーが選ぶ傾向にあるらしい。
デスクトップは大画面でプレイできるほか、周辺機器のカスタムの幅が広いことがメリット。ノートでも外付けは可能だが、パーツの換装にもスペース上の制約がある。さらに、キーボードがノートの場合は固定されているが、外付けだと好きな位置に動かせるのが大きいそうだ。
ディスプレイやキーボードをどんどん外付けしていくくらいなら、始めからデスクトップを選んだほうが楽だろう。マウスコンピューターの担当者にも「持ち運びが一切なく、キーマウでプレイしたいなら、デスクトップにしない理由がない」とオススメされたので、ここはデスクトップを選ぼう。
■どの程度のスペックが必要?
デスクトップのゲーミングPCを買うとして、どの程度のスペックが必要で、ぶっちゃけ予算はいくらあればいいのか?
スペックで見ていくと、マウスコンピューターではエントリーモデルの位置づけとして「EL-B-1660Ti」を用意している。CPUはi7以上あって、グラボはGeForce GTX 1660Ti。これくらいあれば、ファイナルファンタジーやドラゴンクエストなどMMORPGを標準画質で快適にプレイできるそうだ。
なお、一秒間に何回画面の書き換えを行っているかを示すフレームレートは、高ければそれだけ表示が滑らかさになり、FPSでは勝敗につながるほどの重要な値だが、このモデルは60fpsでライトなゲームをプレイするのであれば大丈夫らしい。
ミドルクラスは「EN-Z-EX」。特にグラボにGeForce RTX 3060 Tiを積んでいるモデルが、同店でも売れ筋らしい。購入者の声として多いのが「APEX Legendsをやりたい」「バトルフィールド 2042を遊びたい」「144Hzで戦いたい」というもので、記者の目的にも合致する。グラボの性能的にもコスパがよく、動きの多いFPSゲームで、中程度の画質で144Hzで動かせるらしい。
ちなみに、この画質が中程度というのはPC基準であり、コンシューマーハードでの最高画質が、PCの中程度の画質だったりすることもあるとか。とにもかくにも、「グラボはGeForce RTX 3060 Ti以上」、というのが初ゲーミングPCで後悔しないポイントになりそうだ。
ハイエンドモデルについても聞いてみると、「EP-Z」というモデルはGeForce RTX 3080を積んでおり、動きの滑らかさだけでなく画質にもこだわりたい方が選ぶという。高負荷な代わりに光をよりリアルに描画するリアルタイムレイトレーシングも快適で、景色がキレイなレーシングゲームなどでは違いが大きく発揮される。
フレームレートは60Hzと144Hzでは大きな差があると聞くし、グラボは相応のものが欲しい。逆にメモリはオープンワールドのような広いマップでも16GBで足りるそうだ。総合的に考えて、『Apex Legends』をストレスなく遊ぶには、マウスコンピューターの場合はEN-Z-EXを基準に選べば良さそうだ(店の人もそうオススメしてくれている)。
それぞれウェブ販売価格で、EL-B-1660Tiが税込153,780円〜、EN-Z-EXが税込241,780円〜、EP-Zが税込335,280円〜。周辺機器を揃えるための費用も考えないといけない。
■PCのほかに必要なデバイスは?
PC本体のほかに必要なデバイスは、ゲーミングディスプレイ、ゲーミングマウス、ゲーミングキーボード、ゲーミングヘッドセット。マウスパッドなども欲しくなるかもしれないが、まずこれらがあればいいだろう。
どの順番で揃えるべきか、優先度を聞いてみると「どれも同じくらい重要」らしい。とはいえ、ディスプレイがメリットが大きいそうなので、まずこちらは144Hz対応のものを選びたい。解像度についてはWQHDモデルが増えてきたが、圧倒的に多いのはフルHDのモデルであり、実際144HzであればフルHDで十分ということなので、Zowie「XL2411K」あたりを選択。
キーボードやマウスは何が変わるのか自体がわからないので、とりあえずゲーミングではないものを用意する。
しかし、PCでゲームをやったことがないのに、すべていきなり購入するにはハードルが高すぎる。マウスコンピューターに頼み込んで、なんとかEN-Z-EXを1ヶ月間借り受けることができた。この期間で手応えを掴めればよいのだが。
【ポイントまとめ】
・ゲーミングPCはグラボでほぼ決まる
・好きに選んで問題ないが、特に動かさないならデスクトップ
・メモリは16GB、グラボは「RTX 3060 Ti」以上なら初心者に十分な性能
・周辺機器も“ゲーミング”で揃えるならまずディスプレイから
※本記事内の構成、価格は取材当時のものです。
そこそこ遊ぶ時間が長くなると、他の人のプレイが気になってきた。いまは国内外の配信者による上手なプレイがすぐ観られるので、「こんな動きができるわけない」と思いながら眺める日々を過ごしていたが、たまに耳にして気になったのが「キーマウ」という言葉だった。
本連載では、このことをきっかけに記者がゲーミングPCを初体験し、Apexで勝利するまでの流れをレポートしていく。
■いざ、ゲーミングPCデビューへ
調べてみると、「キーマウ」とは「キーボード」「マウス」を略した言い方で、いわゆるコントローラー(PAD)とどちらが強いかの論争が起きるほど、界隈では熱いトピックのようだ。
記者はPlayStationでプレイしているのでずっとコントローラーを使っていたが、エイムアシストがついているおかげでなんとか弾が当たる、逆にいえばアシストありでも当たらないことも多い、という程度のスキルのため、その恩恵が受けられないのは心配だ。
そしてキーマウでは、キーボードで走ったり跳んだりの動きを操作、マウスで銃を撃つ操作を行うようだが、キーボードであのように滑らかな動きができるとは信じがたい。アナログスティックのほうが操作しやすいのでは?
しかし、キャラクターコントロールにおいてはキーマウが有利といわれている。またマウスカーソルを任意の位置に合わせることは簡単なので、もしかしたらエイムしやすいのかも、という期待もある。慣れさえすれば、コントローラーより上手くなるかもしれない。
ムクムクとゲーミングPC欲が高まってきたが、普段はMacBookを使っていて、ディスプレイもマウスも全部持っていない。ゼロから揃えるとして、知識もないので何が必要なのかもわからない。ということで、秋葉原のマウスコンピューターさんにお邪魔して、『初心者が買っておいて間違いないゲーミングPC』について教えてもらった。
■ゲーミングPCって高くない?
さて、とは言ったものの、そもそもゲーミングPCでないといけないのだろうか? 普通のPCに比べて価格がかなり高い。別にゲームができるなら、光ったりしなくとも良いので普通のPCでいいのだが。
そうズバリ聞いてみると、「構造自体は普通のPCもゲーミングPCも同じ」という回答が。ではどこで差が生まれるかというと、『グラボ(グラフィックボード)』が重要とのこと。そこに組み込まれた『GPU』が “強い” かどうかで、ゲームのプレイに大きな影響があるそうだ。
一般的なPCではCPUに内蔵しているオンボードグラフィックスを使っているが、外部GPU(グラボ)を使うことでゲームや動画編集といった負荷のかかる作業が行える。言ってしまえば、普通のPCにグラボを詰めばゲームはできる。GPUとCPUの重要度合いでは、「8:2くらいでグラボが命」というほどに大きなウエイトを占めている。
これ以外に大きな違いはないが、普通のPCは8GBメモリが主流である一方、ゲーミングでは16GB以上を搭載。物によっては32GB搭載しているものもある。このあたりのパーツの差が、そのまま価格差になっているようだ。正直言って高いことは高いが、ただ高いのではなく必要な値段ということで納得できた。
■「ノート」と「デスクトップ」はどちらがオススメ?
ではゲーミングPCから選ぶとして、ノートとデスクトップのどちらが良いのだろうか? これは「基本的にどっちもあり」とのこと。ライフスタイルやゲームカテゴリに応じて、好きな方を選んで良さそうだ。
ノートPCは「出張先にも持っていって常にゲームとともにありたい、練習したい」といった人が選ぶケースが多いそう。作業が多く、一日も目が離せないこともあるMMORPGなどのユーザーが選ぶ傾向にあるらしい。
デスクトップは大画面でプレイできるほか、周辺機器のカスタムの幅が広いことがメリット。ノートでも外付けは可能だが、パーツの換装にもスペース上の制約がある。さらに、キーボードがノートの場合は固定されているが、外付けだと好きな位置に動かせるのが大きいそうだ。
ディスプレイやキーボードをどんどん外付けしていくくらいなら、始めからデスクトップを選んだほうが楽だろう。マウスコンピューターの担当者にも「持ち運びが一切なく、キーマウでプレイしたいなら、デスクトップにしない理由がない」とオススメされたので、ここはデスクトップを選ぼう。
■どの程度のスペックが必要?
デスクトップのゲーミングPCを買うとして、どの程度のスペックが必要で、ぶっちゃけ予算はいくらあればいいのか?
スペックで見ていくと、マウスコンピューターではエントリーモデルの位置づけとして「EL-B-1660Ti」を用意している。CPUはi7以上あって、グラボはGeForce GTX 1660Ti。これくらいあれば、ファイナルファンタジーやドラゴンクエストなどMMORPGを標準画質で快適にプレイできるそうだ。
なお、一秒間に何回画面の書き換えを行っているかを示すフレームレートは、高ければそれだけ表示が滑らかさになり、FPSでは勝敗につながるほどの重要な値だが、このモデルは60fpsでライトなゲームをプレイするのであれば大丈夫らしい。
ミドルクラスは「EN-Z-EX」。特にグラボにGeForce RTX 3060 Tiを積んでいるモデルが、同店でも売れ筋らしい。購入者の声として多いのが「APEX Legendsをやりたい」「バトルフィールド 2042を遊びたい」「144Hzで戦いたい」というもので、記者の目的にも合致する。グラボの性能的にもコスパがよく、動きの多いFPSゲームで、中程度の画質で144Hzで動かせるらしい。
ちなみに、この画質が中程度というのはPC基準であり、コンシューマーハードでの最高画質が、PCの中程度の画質だったりすることもあるとか。とにもかくにも、「グラボはGeForce RTX 3060 Ti以上」、というのが初ゲーミングPCで後悔しないポイントになりそうだ。
ハイエンドモデルについても聞いてみると、「EP-Z」というモデルはGeForce RTX 3080を積んでおり、動きの滑らかさだけでなく画質にもこだわりたい方が選ぶという。高負荷な代わりに光をよりリアルに描画するリアルタイムレイトレーシングも快適で、景色がキレイなレーシングゲームなどでは違いが大きく発揮される。
フレームレートは60Hzと144Hzでは大きな差があると聞くし、グラボは相応のものが欲しい。逆にメモリはオープンワールドのような広いマップでも16GBで足りるそうだ。総合的に考えて、『Apex Legends』をストレスなく遊ぶには、マウスコンピューターの場合はEN-Z-EXを基準に選べば良さそうだ(店の人もそうオススメしてくれている)。
それぞれウェブ販売価格で、EL-B-1660Tiが税込153,780円〜、EN-Z-EXが税込241,780円〜、EP-Zが税込335,280円〜。周辺機器を揃えるための費用も考えないといけない。
■PCのほかに必要なデバイスは?
PC本体のほかに必要なデバイスは、ゲーミングディスプレイ、ゲーミングマウス、ゲーミングキーボード、ゲーミングヘッドセット。マウスパッドなども欲しくなるかもしれないが、まずこれらがあればいいだろう。
どの順番で揃えるべきか、優先度を聞いてみると「どれも同じくらい重要」らしい。とはいえ、ディスプレイがメリットが大きいそうなので、まずこちらは144Hz対応のものを選びたい。解像度についてはWQHDモデルが増えてきたが、圧倒的に多いのはフルHDのモデルであり、実際144HzであればフルHDで十分ということなので、Zowie「XL2411K」あたりを選択。
キーボードやマウスは何が変わるのか自体がわからないので、とりあえずゲーミングではないものを用意する。
しかし、PCでゲームをやったことがないのに、すべていきなり購入するにはハードルが高すぎる。マウスコンピューターに頼み込んで、なんとかEN-Z-EXを1ヶ月間借り受けることができた。この期間で手応えを掴めればよいのだが。
【ポイントまとめ】
・ゲーミングPCはグラボでほぼ決まる
・好きに選んで問題ないが、特に動かさないならデスクトップ
・メモリは16GB、グラボは「RTX 3060 Ti」以上なら初心者に十分な性能
・周辺機器も“ゲーミング”で揃えるならまずディスプレイから
※本記事内の構成、価格は取材当時のものです。