WM1ZとWM1Aは異なるコンセプトが起点
<IFA>試聴レポ有:ソニー開発者に聞く“ウォークマン”新フラグシップ「WM1」誕生の背景
新しい“ウォークマン”のフラグシップモデル「WM1シリーズ」は、今年のIFA2016でソニーが発表した注目製品だ。現行モデル「NW-ZX2」に代わる新しいフラグシップが今回開発された経緯を、開発に携わったソニーのオーディオ製品開発者である大庭亮氏に訊ねた。
■2つのフラグシップは異なるコンセプトを起点につくられている
プレスカンファレンスで発表された通り、ソニーはこの秋にウォークマンのフラグシップモデルを2機種発売する。ヨーロッパ以外で発売される地域について言明はなかったものの、そこに日本が含まれていることは間違いないだろう。価格は上位機の「NW-WM1Z」が3,000ユーロ(約34万円)前後、兄弟機の「NW-WM1A」が1,200ユーロ(14万円弱)前後になるとみられる。
アウトドアで音楽再生を楽しむためのポータブルハイレゾプレーヤーは、特に日本やアジアで人気の高いアイテムだ。Astell & Kernの「AK380」をはじめとする海外ブランドがハイレゾ対応の高級機を発売して、マニアを中心に好評を得ている。
ソニーも2015年の春にフラグシップの「NW-ZX2」を発売しているが、よりいっそうの高音質を追求して、最先端のハイレゾ再生機能をキャッチアップしたハイエンドモデルを期待する機運もそろそろ高まっていた頃だったので、今回のフラグシップ発売に期待を寄せている方も多いと思う。
まずはソニーの大庭氏に2つの新製品が目指すコンセプトを聞いてみた。大庭氏は「ハイレゾウォークマンのZXシリーズではデジタルアンプのS-Master HXによるシャープでキレのある音づくりを目指してきました。一方でZX2をお使いいただいているユーザー、あるいは音を聴いていただいたファンの方々から、アナログアンプの柔らかなサウンドも欲しいという声も常日頃からいただいていました」とコメント。
「WM1AではZX2からの正常進化を追求し、かたやWM1Zでは皆様からの声を活かして、クラシックも雄大に再現できるようなアナログアンプライクな音づくりに挑戦しました。二つのフラグシップは音質傾向がかなり異なっていることが特徴です」と言葉を続けた。
歴代のハイレゾ対応ウォークマンのフラグシップモデル「NW-ZX1」「NW-ZX2」と比べて、まずそのデザインが大きく変わっていることがわかる。現行モデルは背面ボトム側にアンプブロックが内蔵されていたためやや出っ張っていたが、今度の2機種は背面がフラット。代わりに左右側面のトップが少し膨らんでいる。
前のデザインには賛否両論があったものと思うが、ウォークマンのフラグシップモデルを象徴するデザインになっていたことも確かだ。また本体にやや厚みが出ているのはメイン基板の表側と裏側に、それぞれバランスとアンバランスの回路を分けて配置しているからだ。
WM1Zは音質を重視した強靱なシャーシと内部の大型パーツの採用により、ZX2よりもさらにウェイトが重くなっている。恐らく手に取ってみたら誰もがその重量感に驚くだろう。その差をスペックで比べると、WM1Zが約455g、WM1Aが約267g、ZX2が約235gという順になる。
後述するが、シャーシや内部高音質パーツの採用による重量化であることを知ればこの重さは納得できる。取りあえず今の時点ではフラグシップの貫禄として好意的に受け止めたい。でも正直に言えばWM1Zは「片手持ち操作も楽々快適に扱えるプレーヤー」として紹介することは難しい。
そこで、特に外出先に持ち歩きながらアウトドアリスニングを楽しむ際には、プレーヤー本体をバッグの中などに入れたまま、音楽再生を遠隔操作できる専用のBluetoothリモコン「RMT-NWS20」を活用する手もある。WM1Aの方は手に持つとスペックの数値通り、ZX2と重さはあまり大きく変わっていない感じがする。
■ZX2から進化した主な3点とは
現行モデルのZX2と比べてWM1シリーズが進化したポイントは多々あるが、中でも重要なポイントを3点挙げるとすれば、先述のDSDネイティブ再生やバランス出力への対応など「新機能の追加」、独自OSをベースにした「UIの変更」、そして新規開発のパーツも積極的に投入したことによる「高音質化」である。
■2つのフラグシップは異なるコンセプトを起点につくられている
プレスカンファレンスで発表された通り、ソニーはこの秋にウォークマンのフラグシップモデルを2機種発売する。ヨーロッパ以外で発売される地域について言明はなかったものの、そこに日本が含まれていることは間違いないだろう。価格は上位機の「NW-WM1Z」が3,000ユーロ(約34万円)前後、兄弟機の「NW-WM1A」が1,200ユーロ(14万円弱)前後になるとみられる。
アウトドアで音楽再生を楽しむためのポータブルハイレゾプレーヤーは、特に日本やアジアで人気の高いアイテムだ。Astell & Kernの「AK380」をはじめとする海外ブランドがハイレゾ対応の高級機を発売して、マニアを中心に好評を得ている。
ソニーも2015年の春にフラグシップの「NW-ZX2」を発売しているが、よりいっそうの高音質を追求して、最先端のハイレゾ再生機能をキャッチアップしたハイエンドモデルを期待する機運もそろそろ高まっていた頃だったので、今回のフラグシップ発売に期待を寄せている方も多いと思う。
まずはソニーの大庭氏に2つの新製品が目指すコンセプトを聞いてみた。大庭氏は「ハイレゾウォークマンのZXシリーズではデジタルアンプのS-Master HXによるシャープでキレのある音づくりを目指してきました。一方でZX2をお使いいただいているユーザー、あるいは音を聴いていただいたファンの方々から、アナログアンプの柔らかなサウンドも欲しいという声も常日頃からいただいていました」とコメント。
「WM1AではZX2からの正常進化を追求し、かたやWM1Zでは皆様からの声を活かして、クラシックも雄大に再現できるようなアナログアンプライクな音づくりに挑戦しました。二つのフラグシップは音質傾向がかなり異なっていることが特徴です」と言葉を続けた。
歴代のハイレゾ対応ウォークマンのフラグシップモデル「NW-ZX1」「NW-ZX2」と比べて、まずそのデザインが大きく変わっていることがわかる。現行モデルは背面ボトム側にアンプブロックが内蔵されていたためやや出っ張っていたが、今度の2機種は背面がフラット。代わりに左右側面のトップが少し膨らんでいる。
前のデザインには賛否両論があったものと思うが、ウォークマンのフラグシップモデルを象徴するデザインになっていたことも確かだ。また本体にやや厚みが出ているのはメイン基板の表側と裏側に、それぞれバランスとアンバランスの回路を分けて配置しているからだ。
WM1Zは音質を重視した強靱なシャーシと内部の大型パーツの採用により、ZX2よりもさらにウェイトが重くなっている。恐らく手に取ってみたら誰もがその重量感に驚くだろう。その差をスペックで比べると、WM1Zが約455g、WM1Aが約267g、ZX2が約235gという順になる。
後述するが、シャーシや内部高音質パーツの採用による重量化であることを知ればこの重さは納得できる。取りあえず今の時点ではフラグシップの貫禄として好意的に受け止めたい。でも正直に言えばWM1Zは「片手持ち操作も楽々快適に扱えるプレーヤー」として紹介することは難しい。
そこで、特に外出先に持ち歩きながらアウトドアリスニングを楽しむ際には、プレーヤー本体をバッグの中などに入れたまま、音楽再生を遠隔操作できる専用のBluetoothリモコン「RMT-NWS20」を活用する手もある。WM1Aの方は手に持つとスペックの数値通り、ZX2と重さはあまり大きく変わっていない感じがする。
■ZX2から進化した主な3点とは
現行モデルのZX2と比べてWM1シリーズが進化したポイントは多々あるが、中でも重要なポイントを3点挙げるとすれば、先述のDSDネイティブ再生やバランス出力への対応など「新機能の追加」、独自OSをベースにした「UIの変更」、そして新規開発のパーツも積極的に投入したことによる「高音質化」である。