PCMは全て1bit DSD変換して処理
マランツ、独自開発のディスクリートDACを搭載した旗艦SACDプレーヤー「SA-10」
マランツは、独自開発のディスクリートDACを搭載したフラグシップSACDプレーヤー「SA-10」を2016年10月下旬に発売する。価格は600,000円(税抜)。
SA-10は、自社開発によるディスクリートDAC「Marantz Musical Mastering(MMM)」を初めて搭載したUSB-DAC内蔵SACDプレーヤー。このMMMは、全てのPCM信号を前段において11.2MHzまたは12.3MHz/1bit DSDに変換し、後段のアナログFIRフィルターでD/A変換を行う(DSD入力は前段をパスする)。この際に用いる全てのアルゴリズムおよびパラメーターがマランツオリジナルとなる。
従来から自社開発してきたドライブメカ、デジタルフィルター、アナログステージに加えて、本機ではDACまで自社開発/ディスクリート構成とすることで「理想のマランツサウンドを追求できた」という。
ドライブメカには同社オリジナルの「SACDM-3」を搭載。D/A変換以降には、同社の高速アンプモジュール「HDAM」によるフルバランス構成のアナログステージを採用。USB-B入力のアイソレートに加えて、ディスクリートDACの前段/後段をアイソレートしてノイズ排除を徹底する「コンプリート・アイソレーション・システム・デュオ」も初搭載した。
SACD/CDに加えて、各種ハイレゾ音源を保存したデータディスクの再生も可能。USB-DACは11.2MHz DSDや384kHz/32bitの再生に対応する。またUSB-A端子からUSBストレージに保存したハイレゾ音楽を再生できる。アナログ音声出力端子はバランスXLRを1系統、アンバランスRCAを1系統備える。
なお、本機とコンビになるフラグシップのプリメインアンプ「PM-10」も2016年度内の発売を予定している(詳細は後述)。
マランツは8月30日にプレス向けの発表会を開催。本機の音質検討を担当したマランツのサウンドマネージャー 尾形好宣氏、製品企画およびマーケティングを担当する高山健一氏が、SA-10の詳細について説明した。
以下に、SA-10の詳細を紹介していく。
■独自開発したディスクリートDAC「Marantz Musical Mastering(MMM)」
SA-10/PM-10は、2016年5月に独ミュンヘンで開催された「High End 2016」にて参考出展されていた(関連ニュース)。今回、このうちSA-10が正式発表されたかたちとなる。
SA-10の最大の特徴は、マランツが独自に開発したディスクリート型DAC「Marantz Musical Mastering(MMM)」を搭載したことだ。
Marantz Musical Masteringは、オーバーサンプリングとΔΣ変換により入力されたPCM信号をDSD化する「MMM-Stream」と、DSD信号をアナログ変換する「MMM-Conversion」の2パートから構成される。
MMM-Streamは独自アルゴリズムによってPCM信号を11.2MHz/1bitのDSD信号に変換(44.1kHz系の場合。48kHz系は12.3MHz DSDに変換)、後段のMMM-Conversionに送り出す役目を果たす。この過程におけるオーバーサンプリング、デジタルフィルター、ΔΣ変換、ノイズシェーパー、ディザー、レゾネーターなどの処理を全て自社開発のアルゴリズムとパラメーターで行うことで、マランツが理想とするサウンドを狙った。また、デジタルフィルターは「SA-7S1」で開発されたものをさらに進化させたという。
MMM-Conversionでは、MMM-Streamから入力される1bit DSD信号をアナログFIRフィルターによってダイレクトにD/A変換する。シンプルな回路でD/A変換を行うことで、原音に忠実なアナログ信号を得ることができるという。
MMM-Stream部は本機のデジタル基板に、MMMConversion部はアナログ基板に設置されている。その間には高速デジタル・アイソレーション回路を挿入して、デジタル/アナログステージを完全に分離。さらに、ディスクリート構成のために回路規模の大型化や自由度の高い音質パーツの選定が可能になったという。
Marantz Musical Masteringにおける各種パラメーター設定をユーザーに開放したことも特徴だ。デジタルフィルター(1/2)、ノイズシェーパー(3次/4次)、レゾネーター(有/無)、ディザー(1/2/オフ)をそれぞれ選択可能で、ユーザーは合計24通りの組み合わせから好みのサウンドを選べる。
SA-10は、自社開発によるディスクリートDAC「Marantz Musical Mastering(MMM)」を初めて搭載したUSB-DAC内蔵SACDプレーヤー。このMMMは、全てのPCM信号を前段において11.2MHzまたは12.3MHz/1bit DSDに変換し、後段のアナログFIRフィルターでD/A変換を行う(DSD入力は前段をパスする)。この際に用いる全てのアルゴリズムおよびパラメーターがマランツオリジナルとなる。
従来から自社開発してきたドライブメカ、デジタルフィルター、アナログステージに加えて、本機ではDACまで自社開発/ディスクリート構成とすることで「理想のマランツサウンドを追求できた」という。
ドライブメカには同社オリジナルの「SACDM-3」を搭載。D/A変換以降には、同社の高速アンプモジュール「HDAM」によるフルバランス構成のアナログステージを採用。USB-B入力のアイソレートに加えて、ディスクリートDACの前段/後段をアイソレートしてノイズ排除を徹底する「コンプリート・アイソレーション・システム・デュオ」も初搭載した。
SACD/CDに加えて、各種ハイレゾ音源を保存したデータディスクの再生も可能。USB-DACは11.2MHz DSDや384kHz/32bitの再生に対応する。またUSB-A端子からUSBストレージに保存したハイレゾ音楽を再生できる。アナログ音声出力端子はバランスXLRを1系統、アンバランスRCAを1系統備える。
なお、本機とコンビになるフラグシップのプリメインアンプ「PM-10」も2016年度内の発売を予定している(詳細は後述)。
マランツは8月30日にプレス向けの発表会を開催。本機の音質検討を担当したマランツのサウンドマネージャー 尾形好宣氏、製品企画およびマーケティングを担当する高山健一氏が、SA-10の詳細について説明した。
以下に、SA-10の詳細を紹介していく。
■独自開発したディスクリートDAC「Marantz Musical Mastering(MMM)」
SA-10/PM-10は、2016年5月に独ミュンヘンで開催された「High End 2016」にて参考出展されていた(関連ニュース)。今回、このうちSA-10が正式発表されたかたちとなる。
SA-10の最大の特徴は、マランツが独自に開発したディスクリート型DAC「Marantz Musical Mastering(MMM)」を搭載したことだ。
Marantz Musical Masteringは、オーバーサンプリングとΔΣ変換により入力されたPCM信号をDSD化する「MMM-Stream」と、DSD信号をアナログ変換する「MMM-Conversion」の2パートから構成される。
MMM-Streamは独自アルゴリズムによってPCM信号を11.2MHz/1bitのDSD信号に変換(44.1kHz系の場合。48kHz系は12.3MHz DSDに変換)、後段のMMM-Conversionに送り出す役目を果たす。この過程におけるオーバーサンプリング、デジタルフィルター、ΔΣ変換、ノイズシェーパー、ディザー、レゾネーターなどの処理を全て自社開発のアルゴリズムとパラメーターで行うことで、マランツが理想とするサウンドを狙った。また、デジタルフィルターは「SA-7S1」で開発されたものをさらに進化させたという。
MMM-Conversionでは、MMM-Streamから入力される1bit DSD信号をアナログFIRフィルターによってダイレクトにD/A変換する。シンプルな回路でD/A変換を行うことで、原音に忠実なアナログ信号を得ることができるという。
MMM-Stream部は本機のデジタル基板に、MMMConversion部はアナログ基板に設置されている。その間には高速デジタル・アイソレーション回路を挿入して、デジタル/アナログステージを完全に分離。さらに、ディスクリート構成のために回路規模の大型化や自由度の高い音質パーツの選定が可能になったという。
Marantz Musical Masteringにおける各種パラメーター設定をユーザーに開放したことも特徴だ。デジタルフィルター(1/2)、ノイズシェーパー(3次/4次)、レゾネーター(有/無)、ディザー(1/2/オフ)をそれぞれ選択可能で、ユーザーは合計24通りの組み合わせから好みのサウンドを選べる。
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