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音声信号の相互送信対応、マイクロコネクタも登場

HDMI 1.4の詳細が明らかに − イーサネットを統合、3D/4K2Kもサポート

公開日 2009/05/28 18:45 Phile-web編集部
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■HDMIの3D化にあわせBDの3D仕様策定もにらむパナソニック

パナソニック(株)高画質高音質開発センター 所長の宮井 宏氏は、同社の3D技術への取り組みについて説明。

パナソニック(株)宮井 宏氏

宮井氏は「ハリウッドでは3D映画が急激に普及している。2006年末に220劇場だったものが、2008年末には2,000劇場になり、全体の40%を占めた。国内でも昨年の30館から今年は180館になるなど、ブームの兆しがある」とコメント。興行側もデジタルシネマによる配給コスト削減、チケット単価の維持などのメリットがあり、2D映画にくらべ、1劇場あたり3〜4倍の収益が上がるという。

さらに宮井氏は「北米では2009年度に、すでに10本の3D作品上映が決まっている。2010年に向けてさらに加速していくだろう。今後はアニメーションだけでなく実写映画も増え、ブラッカイマー監督の「G-FORCE」、キャメロン監督の「AVATAR」などが今年公開を控えている」とコンテンツ面の拡充も進んでいると強調した。

ハリウッドスタジオにとっても、全体の収益の半分程度を占めるセルパッケージの売上げは死活問題に関わる。「2007年から2008年にかけてはDVDの普及・成熟化によって売上げが減衰傾向にあった。このためハリウッドはBDへの意向を加速させたいとの思いを持っており、そのために3Dなどを活用したいという意向を持っているようだ」と宮井氏は解説する。

BDの今後の進化として考えられるのはさらなる高解像度化を行う4K2K対応、もう一つは3D対応だが、宮井氏は「パナソニックの見解としては、まず3D表示拡張をすすめるのが適正と考える」とコメント。その理由として、「4K2Kの場合、映画の24pの映像の場合は現在の4倍の容量が必要になる。60pのものだと、実にデータ量は8倍になる。それに対して3D表示では、フルHD解像度の場合でもHDTVの2倍のデータ量で済み、50GBの現行BDで対応できる」と説明した。なお、パナソニックでは3D映像の方法として、フルHD映像を右眼、左目の2ch分用意するフレームシーケンシャル表示を本命に開発を行っている。この方式だと、左右片目あたりの情報量は1,920×1,080のフルHDとなる。

パナソニックの見解としては、現状の仕様を活かせる3D対応から進めるべきだと説明した

さらに「放送で3Dや4K2Kを実現するためにはインフラを更新する必要があり、時間がかかる。新規格を早期に導入するためにはBDで導入する必要がある」と、3D BDタイトルを発売する意義を強調した。

具体的な製品の開発にあたっては、「現行のBDプレーヤーとHDMIを拡張する方向で3Dに対応させる」とし、「このため、BDとHDMIの3D拡張規格を早期に完成させる必要がある」と話した。HDMI-3D仕様については、使いやすさを考慮し、テレビの表示可能フォーマットリストに3Dエリアを追加するほか、AV信号に重畳して伝送する情報パケットに3D識別フラグを追加することで、自動認識することが可能となっている。

フレームシーケンシャル表示は左右片目あたりの情報量は1,920×1,080のフルHDとなることを訴求した

HDMI-3Dの仕様

つまり実際の製品では、HDMI 1.4で3D対応BDプレーヤーと対応テレビを接続すると、3Dフォーマットを自動認識し、自動的にそのフォーマットに合致した表示方法に切り替わるということになる。ただし、「HDMIの規格化と同時にBDの規格化も進めないと、この自動認識が働かず、ユーザーにとって使いづらいものになる」とし、BDの3D規格早期策定が必要であることを強調した。

HDMI 1.4準拠ケーブルで接続することにより、3Dフォーマットを自動認識し、自動で表示方法を切り換えることができる

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