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[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域

【第80回】ハイレゾ初心者はまずコレを! 高橋敦のオススメ作品ベスト10

公開日 2014/03/20 13:09 高橋敦
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Jeff Beck「Blow By Blow」


▼基本データ
フォーマット:FLAC|176.4kHz/24bit
販売サイト :mora
楽曲の詳細&ダウンロードはこちら:
http://mora.jp/package/43000001/4547366206418/

▼項目評価
ボーカル |ーーーーー|
質感   |★★★★・|
帯域の広さ|★★★・・|
解像感  |★★★★・|
空気感  |★★★★・|
空間性  |★★★★・|

▼紹介コメント
当代トップのロック・ギタリストがロックとジャズとのせめぎ合いの中に生み出した、ギター・インストのまさに不朽の名作。キレにしてもニュアンスにしても、フィンガーピッキングに完全移行して以降のそれとは異なる、この時期ならではのものがある。ピッキングやボリューム操作によると思われる音色のコントロールはまさに絶品だ。

またキレといえばドラムスのキレまくりっぷりもこの作品のポイント。若きリチャード・ベイリー氏の手数を詰め込みながらも細かなグルーブも大きなグルーブも同時に叩き出すセンスには脱帽するしかない。

曲の面ではキーボードのマックス・ミドルトン氏の貢献が大きいとのことだ。その後の活動を見てもマックス・ミドルトン氏参加作品には美しいコードワークの曲が多く、それをベック氏が時には流麗に時にはトリッキーに時には強引にかいくぐるのが見所。お二人の相性は実に良い。ジョージ・マーティン氏のプロデュースでエアー・スタジオでの録音となればさすが、録音含めてトータルの完成度も高い。

▼CD音源との比較
現在僕の手元にあるCD音源は2005年発売のリマスター。音量音圧的にはそれとハイレゾとの違いはさほどではない。ただハイレゾ版の方が中低域に余白があり、そのあたりで鳴る楽器の解像感や抜けに差が出ている。



Michael Jackson「Thriller」


▼基本データ
フォーマット:FLAC|176.4kHz/24bit
販売サイト :mora
楽曲の詳細&ダウンロードはこちら:
http://mora.jp/package/43000001/4547366206043/

▼項目評価
ボーカル |★★★★・|
質感   |★★★★・|
帯域の広さ|★★★★・|
解像感  |★★★★・|
空気感  |★★★★・|
空間性  |★★★★・|

▼紹介コメント
ポップスにおける最高クオリティ作品のひとつと言って文句は出ないだろう。マイケル・ジャクソン氏本人の才能が大前提だが、それを具現化するにあたっての状況もベストだったのだと思う。前作の実績があったので、当時最高のミュージシャン、最高のプロデューサー、最高のエンジニア、最高の録音設備、等の条件が揃っていたはずだ。そして「当時」は音楽産業華やかりし時代で資金も潤沢。アナログ録音の技術ノウハウは十分に蓄積され、デジタル録音の足音はまだ聞こえてきていない、アナログ録音の完成期だ。

アコースティックな演奏をホール等で俯瞰的に捉えた生々しさとは異なる、エレクトロニック楽器をスタジオでオンマイクできっちり録音した接写的生々しさが際立つ。しかも録音時か録音後にそれに適切な加工を施したものと思われるが、音色の艶やアタック感はさらに際立つ。また帯域で言うとミッドロー、低域と中域の間あたりが充実しており、それがベース等の密な太さを生んでいる。

演奏としても、「Beat It」でのルカサー氏のバッキングとエディ・ヴァン・ヘイレン氏のソロが大きく注目されるが、それに限らずどこをとっても見事な演奏しかない。例えば「Thriller」でのデイヴィッド・ウィリアムズ氏のカッティングなどはそれだけに耳を向けても楽しくて仕方ない。まあつまり、録音も演奏も何もかもどこに注目しても見事な作品。

▼CD音源との比較
ー(ハイレゾ版のみ所有)

次ページラストは宇多田ヒカル「First Love」に、田村ゆかり&花澤香菜による「TVアニメーション『のうりん』挿入歌〜」で〆ます

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