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様々な角度から徹底比較

【レビュー】3,500万曲が聴き放題「Google Play Music」を試す。Apple Musicとも比較

公開日 2015/09/29 12:39 編集部:風間雄介
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検索機能はGoogle Play Musicに一日の長

続いて検索機能について見ていこう。この部分がやはりGoogle Play Musicの真骨頂で、Apple Musicに比べて使いやすく出来ている。

Apple Musicでは、検索対象として「Apple Music」と「マイミュージック」が分かれており、それぞれに対して検索を行わなければならない。Apple Musicはその名の通り、アップルが無料で提供している楽曲ライブラリで、マイミュージックは自分の手持ち楽曲をアップロードしたり、Apple Musicからマイミュージックに登録したものが含まれる。

Apple Musicは「マイミュージック」も「ライブラリ」と「プレイリスト」に分け、ライブラリの中に「最近追加した曲」があるほか、アーティスト/アルバムなどの表示順を選ぶのもここ。要素が多すぎてわかりづらく使いにくい

つまり何か楽曲を探すとき、Apple Musicの場合「あれは自分の手持ちコンテンツだったっけ。それとも持っていなかったか。いや、Apple Music内にあるものを『マイミュージック』に登録していたかもしれない」などと記憶をたどりながら検索対象を選択しなければならない。これはかなりのストレスだ。

対するGoogle Play Musicでは、このような検索対象の選択は必要ない。シンプルにアーティストの名前やアルバム名、楽曲名などを入力すれば、即座に検索結果が表示される。さらに徹底しているのは、検索結果にすら、それが手持ち楽曲をアップロードしたものか、それともクラウドライブラリーのものかが表示されないところだ。全く同じものとして扱われるので、余計なことを考えずに、直感的に目的のコンテンツにたどり着ける。

しかも、検索結果に出てくるアーティストや楽曲の数が、Googleの方が桁違いに多い。これは冒頭に書いた、楽曲数の多さによるものだが、なにか適当な単語を入力しても、ほとんどの場合結果が表示されるのには驚かされる。

また、検索結果に関連アーティストが表示されるのもよい。60-70年代の英国ロックをご存じの方しかわからない例で恐縮だが、たとえば「ロニー・レーン」で検索すると、ロン・ウッドやフェイセズなども表示され、関連楽曲にも導いてくれる。

また、たとえば「Jefferson Airplane」というバンド名を入力すると、Google Play Musicでは同名バンドはもちろん、一部メンバーがあとから始めた「Jefferson Starship」も表示される。これに対して、Apple Musicは真正直にJefferson Airplaneのみを表示する。もう少し遊びがあってもよいのにと感じる。

Apple Musicで「Jefferson Airplane」を検索。アーティスト欄に関連アーティストは出てこない

さらに、Jefferson AirplaneをJefferson Airpraneと、「エル」を「アール」に置き換えて検索してみた。するとApple Musicでは結果が見つからないと言われるが、Google Play Musicでは、おなじみの「もしかして:Jefferson Airplane」が表示され、表記ミスにもしっかり対応してくれる。

Apple Musicの検索精度が低いとは思わないが、細かな気配りが行き届いていて、より使いやすいのは、検索技術を長年にわたって高めてきたGoogleの方だ。

スマホアプリの使い勝手は一長一短

最後に、スマホアプリの全般的な使い勝手をざっくりとチェックしよう。

両アプリはナビゲーションの考え方が全く異なっている。Apple Musicは、基本的に最下段のメニューから各項目へ飛び、その各項目の中で、さらに深い機能にアクセスするスタイル。これまでの「ミュージック」アプリとApple Musicを統合することに腐心している。自分がどこにいるのか迷いにくいが、複雑な機能をシンプルな構造に落とし込もうとするあまり、若干迷いやすいインターフェースも散見される。

これに対してGoogle Musicは、タップしていくとどんどんページが進んでいくスタイル。階層を深く掘っていくと言うよりは、フラットな関係にあるページを次々に遷移するようなイメージだ。このため最初のページに戻ろうと思うと、ひたすら戻るボタンを連打するか、エッジスワイプを繰り返し行うことでページバックすることになる。このUIが好きでない方もいるようだが、個人的には戻る際の動作がスピーディーなので、特に問題は感じない。とはいえ、一発で最初のページに戻るボタンもあってよいとは思うが。

さて、UIは一長一短あるものの、Apple Musicを使っていて不便に思う部分があるので指摘しておきたい。再生中の楽曲詳細ページから、そのアーティストやアルバムのページへジャンプするのに手間がかかり、ナビゲーションもわかりにくいのだ。

Google Play Musicは、このあたりがしっかり作り込まれている。楽曲再生中にリストバーを押すと「ラジオを起動」「マイライブラリに追加」「プレイリストに追加」「アーティストに移動」「アルバムに移動」「キューを編集」「キューを消去」などのメニューが即座に表示され、すぐに目的の操作を行うことができる。当たり前の機能が、当たり前に搭載されているだけなのだが、Apple Musicの不親切な仕様に比べると、その便利さがとても際立つ。

さりげない提案で発見へと導くGoogle Play Music

Google Play Musicは再生中楽曲のアーティストページやアルバムページへ即座に移動できる。当たり前の機能だが、とても重要だ

「人間は33歳以上になると新しい音楽を求めなくなる」などという研究結果もあるようだ。アラフォーの筆者も例に漏れず、最近はめっきり懐メロに逃避することが増えた。こうなると、新しい音楽を推薦してくる機能がメインのApple Musicはやや重く感じる。

もっとも、新しい楽曲との出会いが欲しくないのなら、あるいはそれを消化する十分な時間がないのなら、定額制音楽配信サービスなど使わなければよい。筆者も、無い時間をやりくりしてでも新たな刺激が欲しいから、こういったサービスを試用している。

だが、その出会いに至るまでの演出には、人それぞれ好みがある。あくまで個人の感想だが、新しい楽曲との出会いにおいて、小洒落たリコメンドをグイグイ前面に押し出すApple Musicよりも、強力な検索機能をベースに、緩やかなつながりを見せて「こんなのもあるよ」と、さりげなく提案してくるGoogle Play Musicの方が好ましく感じた。



ここまで長々と書き連ねてきたことを理由に、設定の奥深くにあるApple Musicの自動購読をオフにし、しばらくはGoogle Play Musicで行ってみようと決めた。

一点注意したいのは、Google Play Musicの料金プランが1つだけで、1アカウント1デバイスまでの同時再生が上限となっており、Apple Musicのように割安なファミリープランの用意がないこと。

1アカウントで2デバイス同時再生を行うことはできない

家族で同時に使いたいという思いもあるため、Apple Musicの楽曲数がGoogle Play Music並みになったり、アプリの使い勝手がより高まれば、また考えが変わるかもしれない。

互いに切磋琢磨し、よりよいサービスに育っていくことを期待したい。


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