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【特別企画】Sound Reality Sereiesの新モデルを聴く

野村ケンジが聴く「ATH-SR9」。家でも外でも高音質!使い勝手と音質を見事に両立したヘッドホン

公開日 2016/12/02 10:00 野村ケンジ
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2014年に発売されたオーディオテクニカ製のヘッドホン「ATH-MSR7」は、ポータブル性と音質の両立を追求するという、同社にとって新たなるコンセプトにチャレンジした製品だ。結果として「ATH-MSR7」は多くのヘッドホンユーザーから好評を博し、一役人気モデルとなった。その流れを受ける形で2016年11月、Sound Realityシリーズに「ATH-MSR7」同様のコンセプトを受け継ぐ新製品群が登場した。

ちなみにこのSound Realityシリーズ、ドライバーまでフルデジタル伝送する“ピュア・デジタル・ドライブ”を採用しaptX HDにも対応した上級クラスのワイヤレスヘッドホン「ATH-DSR9BT」から、オンイヤータイプのスタンダードモデル「ATH-AR1」まで、ワイヤレス4製品、(一般的な)有線タイプ4製品を一挙にラインナップ。そのなかでも今回紹介する「ATH-SR9」は、「ATH-MSR7」の上位に位置する有線タイプのフラグシップモデルに位置づけされている。ポータブル性を確保しつつも、音質に関して更なる追及を行った製品に仕立てられているのが特徴だ。

ATH-SR9

ATH-SR9は、細部に至るまで音質についてのこだわりを徹底していることが分かる。まず、ドライバーは「ATH-MSR7」と同じ45mm口径としながらも、専用のユニットを新開発。振動板にDLC(Diamond Like Carbon)コーティングを施すことで剛性を高め、高域特性を飛躍的に向上させつつ、磁気回路に純鉄一体型ヨークや7N-OFCショートボビン巻きボイスコイルを採用。同時に、ハウジング内部を振動板前後の空間が均一となる新設計「ミッドポイント・マウントテクノロジー」により、高レスポンスで抜けの良い再生音を実現。さらにその境界面をダンパーによって仕切ることにより、不要な低域成分の伝播を最適化している。



いっぽう、外観のデザインについては「ATH-MSR7」と基本的な部分を共有しつつも、不要振動から発生する歪みを効果的に抑制するネジ止めされたアルミニウムハウジングや、ヘッドバンドとハウジング部をつなぐ部分にアルミ製スライダーを採用することで、音質だけでなくデザイン的にも上質感漂う印象となった。また「ATH-MSR7」で好評だった着脱式ケーブルは、片出しから両出しタイプに変更。コネクタもオーディオテクニカの専用設計となるA2DCを新採用することで、音質とユーザビリティを巧みに両立している。

ケーブルはA2DCコネクターを新採用。両出し式とした

ポータブルヘッドホンであり、Sound Realityシリーズのフラグシップモデルでもあるだけに、「ATH-SR9」は付属品も充実した内容となっている。まず、ケースはスイーベル機構をもつヘッドホンならではの薄型セミハードケースを採用。さらに、別途ケーブル収納用のケースも付属している点はなかなかにユニークといえる。これは1.2m長の標準ケーブルのほか、スマートフォン用ケーブルが付属されていることから用意されているのかもしれないが、別売品として用意された、6N-OFC+OFCハイブリッドのツイスト構造&布巻きシース採用のケーブル「HDC113A/1.2」などを収納するのにも役立ってくれそうだ。

ケースは薄型セミハードケース。ケーブル収納用のケースも中に入っているのがユニーク


SR9の実力を人気のハイレゾDAPでチェック

さて、肝心のサウンドはいかがなものだろう。“ポータブル”を謳うヘッドホンであることも考慮して、ハイレゾ対応DAP(Questyle「QP1R」とAstell&Kern「AK70」)での試聴を試みた。


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