11月1日に発売
結局iPhoneとどっちが良い? 買い換えはアリ? Google純正スマホ「Pixel 3」実力チェック
メインカメラに搭載されたイメージセンサーの画素数は約12.2メガピクセルと、スペック的には最新のiPhone XSやiPhone XRとほぼ変わらない。
インカメラは広角と標準のデュアルレンズ仕様で、広角(視野97度)で撮影すると、自撮り写真が背景も入れ込みながらワイドアングルで撮れる。面白い機能ではあるが、固定フォーカスになり、広角側に寄せるとレンズの歪みが気になってしまう。標準レンズでポートレートモードを使ってセルフィーを撮るほうが実用的に感じられた。
他にも、セルフィーにCGキャラクターを写しこんでAR写真が残せる「Playground」や、被写体の人物とCGキャラクターの表情が連動しながら変化する「Playmoji」も楽しい。ただし、これらの機能はカメラアプリの中に統合されており、アプリのメニュー階層を深く掘らないと起動できないのが残念だ。ホーム画面などから直感的にアクセスして使えるようにしてほしい。
今回試用したPixel 3シリーズには、暗所をよりきれいに撮れる「夜景モード」のアップデート追加が完了していなかったので、夜景はふつうにHDR+もオフにして撮った。それでも夜景がかなり明るく色鮮やかに撮れるので、底力は十分に高いと言える。
Pixel 3シリーズで撮影した写真・動画のデータは、Googleフォトのオンラインストレージに、圧縮をかけず、元のクオリティのままアップロードできる。Pixel 3/3 XLのユーザーは、ストレージを2022年の1月31日まで無料で使える権利も与えられる。なんとも太っ腹なサービスだ。
さらに、カメラを視覚的な情報の入力インターフェースとして使う、グーグルならではの面白い機能にも注目したい。
ひとつはAIによる機械学習技術を活用した「Googleレンズ」だ。Pixel 3シリーズではカメラアプリに統合され、使いやすくなった。こちらも今回のサンプル機は最終版ではなかったので、あくまで参考程度のレポートになるが、名前のわからない動物や植物にカメラをかざすと、物体を認識して名前や詳細を素速くウェブ検索できる。また名刺の電話番号や住所をスキャンし、連絡先に保存できる機能はかなり使えそうだ。
■メイン素材に樹脂を用いた軽量ボディ
Pixel 3とPixel 3 XLは、ともに筐体のメイン素材が樹脂で、背面はソフトタッチガラスを採用する2トーンデザインだ。本体は薄型で軽く、質感や手触りは上々だ。Pixel 3 XLは筆者がふだん使っているiPhone Xより10gほど重い184gなのだが、手に持った感触はむしろ軽く感じる。Pixel 3は148gと実際に軽いので、女性にもおすすめだ。
本体下側の両サイドフレームを “ぎゅっ” と握るような操作でGoogleアシスタントを起動できる「Active Edge」の搭載も特徴の1つ。しかしGoogleアシスタントは小声でも起動できたり、Bluetoothでペアリングしたヘッドホン起動するなど様々な手段があるので、Active Edgeが必要となる場面は多くなさそうだ。HTC Uシリーズのように、Active Edgeに「テザリングの起動」などほかの操作を割り当て、一発で呼び出せたら便利そうなのだが。
生体認証によるキーロック解除は、本体背面の指紋センサーで行う。とても素速くて正確だ。スリープから復帰するときは指紋センサーから一発なのであまり気にならないのだが、逆にスリープモードに切り替えたいとき、本体右側面の電源ボタンがボリュームボタンの上にあることが気になった。特にXLの方は、ボリュームボタンよりも上に、ぐんと指を伸ばして操作しなければならない。ボリュームボタンではなく、より頻繁に使う電源ボタンの方を下に配置してほしい。
6.3インチのPixel 3 XL、横幅はスリムなのだが、さすがに縦のサイズは、片手持ちで操作するには長さが余る。本体が軽く質感も滑らかだからこそ、電車の中での片手持ち操作は落とさないか緊張してしまうので、専用ケースを装着したくなる。必然的に片手でのメール打ちは、キーボード部分を小さく表示する「片手モード」が活躍することになった。
アップルではiOS 12から採用されている、スマホの使いすぎを抑止するための「スマートスクリーン」によく似た機能が、Android 9搭載のPixel 3シリーズにも搭載され地得る。設定リストにある「Digital Wellbeing」だ。平らな場所にスマホを裏返しにして置くとマナーモードを自動でオンにできる「フリップでShhh」の設定もこの中にある。
■急速ワイヤレス充電に対応。専用スタンドでスマートディスプレイ化も
バッテリーパックの容量は3 XLが3,430mAh、3が2,915mAhだ。6.3インチのPixel 3 XLを使い倒して感じたバッテリーの持続時間の手応えは、1日のあいだ、ふつうにウェブブラウジングやメール入力をして、時々電話や音楽・映像鑑賞に使うと、夜に残っているバッテリーゲージは40% - 50%というところ。急速充電にも対応しており、パッケージに付属する充電器とケーブルを使えば、15分間の充電で最大7時間分の充電ができて便利だ。ワイヤレス給電のQiに対応しており、Pixel 3/3 XL専用の充電器「Pixel Stand」を使うことで最大10Wの急速ワイヤレス充電もできる。
ワイヤレス充電器「Pixel Stand」の価格は9,504円(税込)。ワイヤレス充電器として使えるだけであく、スタンドにスマホを乗せた状態で「OK、グーグル」とアシスタントに話しかけると、音声だけでなく画面に検索結果などを表示してくれる。つまりスマートディスプレイのような使い方ができるのだ。
同じホームネットワークに登録されているスマートデバイスを音声で操作することもできた。めざましアラームやタイマーにも使える。日本ではスマートディスプレイ「Google Home Hub」の発売がしばらく先になりそうなので、それまではPixel 3シリーズで、それらしい雰囲気が味わえる。
■USB Type-C接続の「Pixel USB-Cイヤホン」が付属
続いて音楽再生をチェックしよう。Pixel 3/3 XLにプリインストールされている音楽プレーヤーアプリはGoogle Playミュージックだが、今回はオンキヨーの「HF Player」を入れて検証を行った。