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公開日 2017/10/13 21:24
多数の優秀モデルから真の「銘機」を選出

「オーディオ銘機賞2018」審査会が開催 ー 審査委員長2名が今年の傾向を語る

編集部:小澤貴信
小社『季刊・オーディオアクセサリー』誌主催 “オーディオ銘機賞2018”の審査会が、本日10月8日(金)に開催された。


「オーディオ銘機賞」は、オーディオ文化の向上とマーケットの活性化を目指し、1978年に創設された。膨大な数の現行ピュアオーディオ・コンポーネント群の中から、卓抜した性能・革新の内容を持ち、しかもオーディオマインドにあふれ、今後のロングセラーおよびベストセラーが予想される、真の意味での「銘機」を選出するのが本賞の趣旨である。

結果として、数多くあるオーディオアワードのなかで業界のスタンダードアワードとして幅広く認知され、受賞モデルが必ずヒットモデルとなるという実績を得て、ユーザーはもちろん、オーディオに関わる多くの方から大きな注目を集めるに至った。

また審査にあたっては公正を期すため、技術的見識の深い「オーディオ評論家の審査委員」と、マーケットにおける商品性に詳しい「流通側の審査委員」で審査員を構成していることが本賞の特徴となっている。審査会では膨大なノミネート機種の中から、三賞「金賞」「銀賞」「銅賞」および「特別賞」、ジャンルごとの「オーディオ銘機賞」の受賞モデルが決定される。

選考会に先立って、「オーディオ評論家」と「流通」のそれぞれを代表する2名の審査委員長に、今年の全体的な傾向をうかがった。

オーディオ評論家・審査委員長 藤岡 誠氏

藤岡 誠氏

今年もオーディオ銘機賞の季節がやってまいりました。オーディオファンの皆様は毎年本賞を楽しみにしていらっしゃることでしょう。一方で、各オーディオメーカーや輸入代理店の方々は期待と不安の両方を抱いているかもしれません。

さて、オーディオ銘機賞に値する製品というのは、高度な技術が要求されるのは当然として、好きな音楽を自分の家で、自分の部屋で楽しむ道具としての『趣味性の豊かさ』がおおいに求められます。

その意味でいうと、足を引っ張るつもりは毛頭ないのですが、昨今のイヤホンやヘッドホンで聴くオーディオは、ゼネラルオーディオとも言うべきものであると考えています。そして、オーディオ銘機賞の対象となるような製品は、こうしたゼネラルオーディオとは一線を画すスタンスがあっていいのではないか。これが私の持論であります。

ですから、昨今のアナログレコード再生への指向が多くのファンの間で高まっていることは、趣味のオーディオへの原点回帰の様に思えるのです。この潮流を私は非常に喜ばしく感じています。

また、各種各様のアナログプレーヤーが発売されている現状も頼もしい限りです。数年前では考えられないような多様な種類が揃っています。今回も多数のアナログプレーヤーが銘機賞にノミネートされていますが、これらは膨大なモデルの中から選ばれたものなのです。アナログ再生に情熱を持っている方にも、ぜひオーディオ銘機賞を参考にしてほしいと思います。


流通・審査委員長 CAVIN大阪屋 森田正二氏

森田正二氏

最近のオーディオには大きく3つの流れがあります。ひとつは従来のCDを中心としたオーディオであり、もうひとつはPCやネットワークを軸とした新しい潮流であるネットオーディオです。そしてこの新しい流れに呼応するように、レコード再生を行うアナログオーディオが再び脚光を浴びています。

このように、現在のオーディオにはかつてないほど多様なソースと多様な楽しみ方が用意されてきています。それらの楽しみを支えるオーディオ製品においても、メーカーは続々と新製品の開発を行っていて、従来のモデルも積極的にモデルチェンジが行われています。また、しばらく休止していたメーカーの再参入、さらには全く新しいメーカーの参入も見うけられ、マーケットは非常に活況を呈しています。

特にハイエンドオーディオは非常に賑わっていて、ハイエンド製品が質・量ともにこれほど充実していることは未だかつてなかったのではないでしょうか。これはオーディオファイルにとっては素晴らしく恵まれた環境であり、ぜひこの環境をおおいに楽しみ、トライしてもらいたいと考えています。同時に業界としては、この素晴らしい環境より多くの人たちにアピールして、オーディオ楽しむ方々をさらに増やしていくことが必要です。

反面、ここ何年かの話になりますが、エントリークラスやミドルクラスの製品がいまひとつ物足りないという印象を受けます。ぜひこのクラスの製品開発にも注力していただいてほしいと思います。

また、一部の販売店やメーカーがオーディオ初心者講座と銘打って、各地で入門層に向けて様々な取り組みを行っていますが、こうした活動を多方面にわたって展開することで、ファンを拡大することが重要となります。いずれにしろ、素晴らしい製品が出揃ってきており、ユーザーにとっては素晴らしい環境である一方で、今回のオーディオ銘機賞を選定することは非常に大変な作業になると思います。



「オーディオ銘機賞2018」の各賞受賞結果は、11月21日発売の『季刊・オーディオアクセサリー』に掲載される。またファイルウェブでも、オーディオ銘機賞特設サイトにて順次結果をお知らせしていく。

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