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PRACTIVO&DITAコラボイヤホン「Q1」との組み合わせもチェック

使いやすくて、歌声なめらか。カジュアルDAP「ACTIVO P1」をボーカル中心に聴き込んだ

公開日 2024/12/05 06:30 高橋 敦
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Astell&Kernのカジュアルブランド “ACTIVO” が今夏より再始動。第1弾としてDAP「ACTIVO P1」(以下、P1)がリリースされた。かつて人気を得た「CT10」がそうであったように、Astell&Kernブランドの製品で応えているものとはまた異なるニーズに応えてくれる、そして見るからに新鮮なDAPだ。

「ACTIVO P1」(7万7000円/税込)

■「普通のコンパクトさ」が生み出す心地よさ


まず注目してほしいのはサイズ感。昨今のDAPは昨今のスマホと同様に大画面化=大型化が進み、厚みと重量においてはスマホを超えるため、手応えズッシリだ。

対してP1の縦横の寸法は10年超も昔のiPhone 5に近く、重量も昨今のスマホよりはるかに軽い155g。片手持ちも苦にならないし、ディスプレイ全体に指が届きやすい。

10年以上前のスマホ並みに小さく軽い

一方で “小さすぎない” こともポイント。ディスプレイは4.1型の広さとHD解像度が確保されており、操作しにくいこともないし、動画再生も十分にこなしてくれる。端子やボタンの配置にも癖はなく、超小型DAPにありがちな使い勝手の特殊さとは無縁だ。

無理のない普通のコンパクトさから生み出される、手になじむ心地よさ。それこそがP1いちばんの魅力だ。

■癖のない使い勝手と、Astell&Kernゆずりの高音質設計が同居


ユーザーインターフェース(UI)設計にも癖はなく、SoC性能も十分で動作の引っかかりもない。OSはAndroidなのでアプリの追加も自由。今回の試聴もApple MusicとYouTubeアプリでのWi-Fiストリーミングで行った。

オーディオ周りの設計も万全だ。DAC部はESS製「ES9219Q」チップ×2基のデュアル構成で、特にバランス駆動時にその力を発揮。DACチップ内蔵のアンプ回路は使わず独自のアンプ回路を搭載し、Astell&Kernのノウハウを注ぎ込んだサウンドソリューション「TERATON ALPHA AMP」が採用されている。

カジュアルを掲げながらも、音質設計とチューニングにはAstell&Kernのノウハウが投入されている

ほか、PCM 384KHz/32bitとDSD256のネイティブ再生、DSD変換も含めたアップサンプリングによるデジタルオーディオリマスター(DAR)、左右チャンネルの分離を調整してスピーカー的に自然な聴こえ方を得られるクロスフィード、20バンドEQなど、仕様や機能はメインブランドAstell&Kernの最新世代DAPに劣らぬ充実っぷりだ。連続再生約20時間に至っては同社DAPで最長クラス。

アップサンプリングによって音の質感を変化させる「DAR」など、さまざまな聴き方が楽しめる機能が備わる

Android OS採用なので、スマホのように通知パネルのカスタマイズなどもできる

細かなところでは、PC等と接続してのUSB-DACモード時の設定項目「バッテリーの充電」も要注目。USB-DACとして常用しPCに接続しっぱなしにする運用でも、これをオフにしておけばバッテリーへの負荷を抑えられそうだ。

底面にはUSB-C端子とmicroSDカードスロット、そして「BY ASTELL&KERN」のサイン

■DITAコラボイヤホン「Q1」とともに、“声” の実力をチェック


ではサウンド・インプレッションだが、国内代理店アユートから「声の表現にも自信アリ!」とのメッセージが届けられていたので、今回はそこにフォーカス。ストリーミング配信も充実している、声優やVTuberの楽曲で試してみた。イヤホンはqdcの人気モデル「SUPERIOR EX」に加え、11月29日に発売予定の新モデル「ACTIVO Q1」(以下、Q1)を組み合わせた。

ACTIVOのイヤホン「Q1」も交えてP1の音質を聴き込んだ

Q1はACTIVOとシンガポールDITAブランドとのコラボモデルで、DITAの1ダイナミック/1BAハイブリッドイヤホン「PROJECT M」がベース。ダイナミックドライバーを収める音響チャンバーをステンレスから真鍮に変更するなど、チューニングをACTIVOサウンドに調整。そのチャンバーはパウダーコーティングでホワイト仕上げにすることで、外観もP1にフィットさせてある。

「ACTIVO Q1」(6万6000円/税込)

高級ケーブルブランドCardasの線材と、着脱交換可能なAwesome Plug V2を採用した「MOCCA2ケーブル」、ドイツTanos社製のシステムボックス型ケースなど、付属品も充実

一方のSUPERIOR EXは、中国qdcと日本FitEarの2大カスタムIEMブランドのコラボによるダイナミック型イヤホン。qdc「SUPERIOR」をベースにアルミ製筐体や銀メッキOFCケーブルを採用しており、しっかり沈み込む低音と丁寧に整えられた高音を備えた人気モデルだ。

qdc「SUPERIOR EX」(3万3000円/税込、別売4.4mmバランスケーブルは1万1000円/税込)

まずは星街すいせいさん「ビビデバ」で総合チェック。先んじてQ1の音調を筆者リファレンス再生環境のバランス駆動で確認すると、中高域の明瞭さ、音像の立体的な浮かび上がり方、音の立ち上がりのキレやそこから来る粒立ち感が印象的。ボーカルから背景の音まで全てにフォーカスが合っていて、全体がクリアだ。

次ページ声優/VTuberソングを聴き込むと、シングルエンド/バランスの個性も明らかに

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