PRACTIVO&DITAコラボイヤホン「Q1」との組み合わせもチェック
使いやすくて、歌声なめらか。カジュアルDAP「ACTIVO P1」をボーカル中心に聴き込んだ
Astell&Kernのカジュアルブランド “ACTIVO” が今夏より再始動。第1弾としてDAP「ACTIVO P1」(以下、P1)がリリースされた。かつて人気を得た「CT10」がそうであったように、Astell&Kernブランドの製品で応えているものとはまた異なるニーズに応えてくれる、そして見るからに新鮮なDAPだ。
まず注目してほしいのはサイズ感。昨今のDAPは昨今のスマホと同様に大画面化=大型化が進み、厚みと重量においてはスマホを超えるため、手応えズッシリだ。
対してP1の縦横の寸法は10年超も昔のiPhone 5に近く、重量も昨今のスマホよりはるかに軽い155g。片手持ちも苦にならないし、ディスプレイ全体に指が届きやすい。
一方で “小さすぎない” こともポイント。ディスプレイは4.1型の広さとHD解像度が確保されており、操作しにくいこともないし、動画再生も十分にこなしてくれる。端子やボタンの配置にも癖はなく、超小型DAPにありがちな使い勝手の特殊さとは無縁だ。
無理のない普通のコンパクトさから生み出される、手になじむ心地よさ。それこそがP1いちばんの魅力だ。
ユーザーインターフェース(UI)設計にも癖はなく、SoC性能も十分で動作の引っかかりもない。OSはAndroidなのでアプリの追加も自由。今回の試聴もApple MusicとYouTubeアプリでのWi-Fiストリーミングで行った。
オーディオ周りの設計も万全だ。DAC部はESS製「ES9219Q」チップ×2基のデュアル構成で、特にバランス駆動時にその力を発揮。DACチップ内蔵のアンプ回路は使わず独自のアンプ回路を搭載し、Astell&Kernのノウハウを注ぎ込んだサウンドソリューション「TERATON ALPHA AMP」が採用されている。
ほか、PCM 384KHz/32bitとDSD256のネイティブ再生、DSD変換も含めたアップサンプリングによるデジタルオーディオリマスター(DAR)、左右チャンネルの分離を調整してスピーカー的に自然な聴こえ方を得られるクロスフィード、20バンドEQなど、仕様や機能はメインブランドAstell&Kernの最新世代DAPに劣らぬ充実っぷりだ。連続再生約20時間に至っては同社DAPで最長クラス。
細かなところでは、PC等と接続してのUSB-DACモード時の設定項目「バッテリーの充電」も要注目。USB-DACとして常用しPCに接続しっぱなしにする運用でも、これをオフにしておけばバッテリーへの負荷を抑えられそうだ。
ではサウンド・インプレッションだが、国内代理店アユートから「声の表現にも自信アリ!」とのメッセージが届けられていたので、今回はそこにフォーカス。ストリーミング配信も充実している、声優やVTuberの楽曲で試してみた。イヤホンはqdcの人気モデル「SUPERIOR EX」に加え、11月29日に発売予定の新モデル「ACTIVO Q1」(以下、Q1)を組み合わせた。
Q1はACTIVOとシンガポールDITAブランドとのコラボモデルで、DITAの1ダイナミック/1BAハイブリッドイヤホン「PROJECT M」がベース。ダイナミックドライバーを収める音響チャンバーをステンレスから真鍮に変更するなど、チューニングをACTIVOサウンドに調整。そのチャンバーはパウダーコーティングでホワイト仕上げにすることで、外観もP1にフィットさせてある。
一方のSUPERIOR EXは、中国qdcと日本FitEarの2大カスタムIEMブランドのコラボによるダイナミック型イヤホン。qdc「SUPERIOR」をベースにアルミ製筐体や銀メッキOFCケーブルを採用しており、しっかり沈み込む低音と丁寧に整えられた高音を備えた人気モデルだ。
まずは星街すいせいさん「ビビデバ」で総合チェック。先んじてQ1の音調を筆者リファレンス再生環境のバランス駆動で確認すると、中高域の明瞭さ、音像の立体的な浮かび上がり方、音の立ち上がりのキレやそこから来る粒立ち感が印象的。ボーカルから背景の音まで全てにフォーカスが合っていて、全体がクリアだ。
■「普通のコンパクトさ」が生み出す心地よさ
まず注目してほしいのはサイズ感。昨今のDAPは昨今のスマホと同様に大画面化=大型化が進み、厚みと重量においてはスマホを超えるため、手応えズッシリだ。
対してP1の縦横の寸法は10年超も昔のiPhone 5に近く、重量も昨今のスマホよりはるかに軽い155g。片手持ちも苦にならないし、ディスプレイ全体に指が届きやすい。
一方で “小さすぎない” こともポイント。ディスプレイは4.1型の広さとHD解像度が確保されており、操作しにくいこともないし、動画再生も十分にこなしてくれる。端子やボタンの配置にも癖はなく、超小型DAPにありがちな使い勝手の特殊さとは無縁だ。
無理のない普通のコンパクトさから生み出される、手になじむ心地よさ。それこそがP1いちばんの魅力だ。
■癖のない使い勝手と、Astell&Kernゆずりの高音質設計が同居
ユーザーインターフェース(UI)設計にも癖はなく、SoC性能も十分で動作の引っかかりもない。OSはAndroidなのでアプリの追加も自由。今回の試聴もApple MusicとYouTubeアプリでのWi-Fiストリーミングで行った。
オーディオ周りの設計も万全だ。DAC部はESS製「ES9219Q」チップ×2基のデュアル構成で、特にバランス駆動時にその力を発揮。DACチップ内蔵のアンプ回路は使わず独自のアンプ回路を搭載し、Astell&Kernのノウハウを注ぎ込んだサウンドソリューション「TERATON ALPHA AMP」が採用されている。
ほか、PCM 384KHz/32bitとDSD256のネイティブ再生、DSD変換も含めたアップサンプリングによるデジタルオーディオリマスター(DAR)、左右チャンネルの分離を調整してスピーカー的に自然な聴こえ方を得られるクロスフィード、20バンドEQなど、仕様や機能はメインブランドAstell&Kernの最新世代DAPに劣らぬ充実っぷりだ。連続再生約20時間に至っては同社DAPで最長クラス。
細かなところでは、PC等と接続してのUSB-DACモード時の設定項目「バッテリーの充電」も要注目。USB-DACとして常用しPCに接続しっぱなしにする運用でも、これをオフにしておけばバッテリーへの負荷を抑えられそうだ。
■DITAコラボイヤホン「Q1」とともに、“声” の実力をチェック
ではサウンド・インプレッションだが、国内代理店アユートから「声の表現にも自信アリ!」とのメッセージが届けられていたので、今回はそこにフォーカス。ストリーミング配信も充実している、声優やVTuberの楽曲で試してみた。イヤホンはqdcの人気モデル「SUPERIOR EX」に加え、11月29日に発売予定の新モデル「ACTIVO Q1」(以下、Q1)を組み合わせた。
Q1はACTIVOとシンガポールDITAブランドとのコラボモデルで、DITAの1ダイナミック/1BAハイブリッドイヤホン「PROJECT M」がベース。ダイナミックドライバーを収める音響チャンバーをステンレスから真鍮に変更するなど、チューニングをACTIVOサウンドに調整。そのチャンバーはパウダーコーティングでホワイト仕上げにすることで、外観もP1にフィットさせてある。
一方のSUPERIOR EXは、中国qdcと日本FitEarの2大カスタムIEMブランドのコラボによるダイナミック型イヤホン。qdc「SUPERIOR」をベースにアルミ製筐体や銀メッキOFCケーブルを採用しており、しっかり沈み込む低音と丁寧に整えられた高音を備えた人気モデルだ。
まずは星街すいせいさん「ビビデバ」で総合チェック。先んじてQ1の音調を筆者リファレンス再生環境のバランス駆動で確認すると、中高域の明瞭さ、音像の立体的な浮かび上がり方、音の立ち上がりのキレやそこから来る粒立ち感が印象的。ボーカルから背景の音まで全てにフォーカスが合っていて、全体がクリアだ。
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