ニュース
HOME > ニュース > AV&ホームシアターニュース
公開日 2019/11/01 13:13
対応作品の配信を年内開始
「IMAX Enhanced」上陸決定。TSUTAYA TV独占配信、ソニーブラビアが国内初対応
編集部:小野佳希
映画館での「IMAX」のような映像や音声を家庭のホームシアター機器で楽しめる「IMAX Enhanced」の日本上陸が決定、映像配信サービス「TSUTAYA TV」が、「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」を始めとするIMAX Enhanced対応作品の配信を年内に開始する。また、日本国内向けテレビとして初めてソニーの「ブラビア」がIMAX Enhanced対応になることも発表された。
■映画館のIMAX体験が家庭でも楽しめる
IMAX Enhancedは、XPERI(dts)とIMAXが2018年9月のCEDIAに合わせて発表した、ホームエンターテイメント向けの新たな映像/音声規格・認定プログラム。簡単に言えば「劇場のIMAXが家庭でも楽しめるようになる映像/音声規格および認定プログラム」と表現できる。IMAX Enhanced規格で制作されたコンテンツを、IMAX Enhanced認証を受けた機器で視聴することになる。
今回、日本でのIMAX Enhanced対応コンテンツの配信はTSUTAYA TVが独占配信。前述の「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」のほか、「メン・イン・ブラック:インターナショナル」「ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル」「スパイダーマン:スパイダーバース」「スパイダーマン:ホームカミング」なども4K HDRのIMAX Enhanced版として配信予定。なお、作品全編ではなく「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」の場合、作品中の40分間がIMAX Enhanced画角のシーンになる。
都度課金型での販売となり、価格は1作品770円(税込)となる予定。「TVOD(都度課金)でのお客様の反応を見ながら将来的にはSVOD(サブスクリプション型見放題)での提供も検討していきたい」(TSUTAYA Digital Entertainment 執行役員 山内智裕氏)とのことで、発表会では「まずは5作品となるが、スタート後、年内には順次20〜30作品くらいには増やしていきたい」(TSUTAYA TVスタッフ)との言葉を聞くこともできた。
なお、11月22日-24日に開催される「東京コミコン2019」にて、IMAX Enhanced対応コンテンツの視聴体験会が実施される。
コンテンツの視聴には対応機器が必要で、国内のテレビとしてはソニー製ブラビアがアップデートで対応予定。対応機種は4K有機ELテレビA9G/A9Fシリーズと、4K液晶テレビZ9F、X9500G。今後、他のモデルについても対象を順次追加していくという。
なお、AV機器に対するIMAX Enhanced認証においては、例えばAVアンプであれば9.1ch以上に対応することなど機器ジャンルごとに条件がある。プレミアムな体験を提供することを目的としているためで、テレビについても基本的には65インチ以上が条件となっているが、「国や地域の状況によって判断する」(説明員)とのことで、今回のソニーブラビアの場合は最小の49インチモデルも認証をクリアしている。
ソニーホームエンタテインメント&サウンドプロダクツ TV事業本部 技術戦略室 主幹技師の小倉敏之氏は、「技術の進化によって劇場での体験をすべてデジタルデータにできる時代になっている。そこを光や音というアナログに変換することがテレビの役割だ」と説明。
「そこではまず正確に、より良く変換することが求められる。そのために、ブラビアに搭載しているプロセッサー『X1 Ultimate』では信号を端折ったりせずに全データを正しく扱って正しく処理し、製作者の意図をちゃんと保持しようとしている。また、ディスプレイ側では高度なノウハウによって最大限のパフォーマンスを引き出せるように努力している」と語る。
そして、「これらによってコンテンツのパワーをお客様にそのまま提供できるよう努めている」とし、「IMAX Enhancedがやってくることによって、我々のその努力が報われる」と歓迎の意を示した。
■映画製作者の意図を家庭でも忠実に再現
IMAX Corporattion シニア・バイスプレジデントのブルース・マーコウ氏は、「天気の子」や「ボヘミアン・ラプソディ」など多くの作品がIMAXを採用して大ヒットしていると紹介。「劇場で我々が培ってきたIMAXの魅力を家庭でも楽しめるようになる」とIMAX Enhancedの魅力をアピール。「劇場ではIMAXのために特別な環境を構築しているが、これを家庭で楽しめる。IMAX Enhanced認証をパスした機器で対応コンテンツを見れば『これは違うぞ』ということをわかってもらえることだろう」と胸を張る。
また、「我々は映画製作者と密接な関係にあり、製作者の意図をきちんと反映することを特に意識している」ともコメント。この点についてはXPERI Corporation バイスプレジデントのジョン・マクダニエル氏も、「どうすれば製作者の意図を忠実に再現できるかが重要なポイントだ」と述べ。そのために音声面でdts:Xをベースに採用し、映画製作者の意図する音響を忠実に再現できるようにしていると語った。
なお、IMAX Enhancedコンテンツは映像/音声のメタ情報を持っており、対応機器がその情報に基づいて最適な処理を行う。XPERI チーフ・プロダクト兼サービス・オフィサーのギア・スカーデン氏は「より広い低音や深みのある音など、劇場の音声を忠実に実現する」と語るとともに、「ユーザーは何もしなくていい。ゆったりと音楽を楽しむだけだ」と特別な調整なども不要であることもアピールした。
ギア・スカーデン氏はまた、「ツタヤさんは日本で小売り、レンタルだけでなくコンテンツのネット配信にも高い実績をもっている」とコメント。「高いクオリティを求める日本のファンからの要求に応えるために、日本へのIMAX Enhanced導入にあたって協力することになるのは自然の流れだった」と説明した。
ツタヤの山内氏は、「映像サービスを30年間やっていいるが、30年前はVHSのレンタルだった。そこからDVD、ブルーレイと変わって映像品質が高まるたびにお客様が喜んでくれるのを目の当たりにしてきた。私自身も、CESでIMAX Enhancedを体験してその魅力に気づき、TSUTAYA TVでも配信しようと考えた」とコメント。「今後は作品数、対応デバイスの充実を期待している。IMAX Enhancedリビングでナンバーワンのブランドにがなるよう祈っている」と言葉を続けた。
また、「大きなデータのなかから映像と音声のファイルを取り出してそれぞれエンコーディングしてまた結合するわけだが、音声ファイルをdts規格でつくるのが初めてのことになるので、そこに特に苦労した。実際に再生してみたら左の音だけ出ていなかったり、シークしたら音が消えたりなどといったトラブルもあった」と開発の苦労話も拾う。「XPERIの協力によってようやく開発にこぎつけた」とし、「今後はエンコーディングも自動化してより速い処理をできるようにしていきたい」と今後の展開にも豊富を語った。
■映画館のIMAX体験が家庭でも楽しめる
IMAX Enhancedは、XPERI(dts)とIMAXが2018年9月のCEDIAに合わせて発表した、ホームエンターテイメント向けの新たな映像/音声規格・認定プログラム。簡単に言えば「劇場のIMAXが家庭でも楽しめるようになる映像/音声規格および認定プログラム」と表現できる。IMAX Enhanced規格で制作されたコンテンツを、IMAX Enhanced認証を受けた機器で視聴することになる。
今回、日本でのIMAX Enhanced対応コンテンツの配信はTSUTAYA TVが独占配信。前述の「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」のほか、「メン・イン・ブラック:インターナショナル」「ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル」「スパイダーマン:スパイダーバース」「スパイダーマン:ホームカミング」なども4K HDRのIMAX Enhanced版として配信予定。なお、作品全編ではなく「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」の場合、作品中の40分間がIMAX Enhanced画角のシーンになる。
都度課金型での販売となり、価格は1作品770円(税込)となる予定。「TVOD(都度課金)でのお客様の反応を見ながら将来的にはSVOD(サブスクリプション型見放題)での提供も検討していきたい」(TSUTAYA Digital Entertainment 執行役員 山内智裕氏)とのことで、発表会では「まずは5作品となるが、スタート後、年内には順次20〜30作品くらいには増やしていきたい」(TSUTAYA TVスタッフ)との言葉を聞くこともできた。
なお、11月22日-24日に開催される「東京コミコン2019」にて、IMAX Enhanced対応コンテンツの視聴体験会が実施される。
コンテンツの視聴には対応機器が必要で、国内のテレビとしてはソニー製ブラビアがアップデートで対応予定。対応機種は4K有機ELテレビA9G/A9Fシリーズと、4K液晶テレビZ9F、X9500G。今後、他のモデルについても対象を順次追加していくという。
なお、AV機器に対するIMAX Enhanced認証においては、例えばAVアンプであれば9.1ch以上に対応することなど機器ジャンルごとに条件がある。プレミアムな体験を提供することを目的としているためで、テレビについても基本的には65インチ以上が条件となっているが、「国や地域の状況によって判断する」(説明員)とのことで、今回のソニーブラビアの場合は最小の49インチモデルも認証をクリアしている。
ソニーホームエンタテインメント&サウンドプロダクツ TV事業本部 技術戦略室 主幹技師の小倉敏之氏は、「技術の進化によって劇場での体験をすべてデジタルデータにできる時代になっている。そこを光や音というアナログに変換することがテレビの役割だ」と説明。
「そこではまず正確に、より良く変換することが求められる。そのために、ブラビアに搭載しているプロセッサー『X1 Ultimate』では信号を端折ったりせずに全データを正しく扱って正しく処理し、製作者の意図をちゃんと保持しようとしている。また、ディスプレイ側では高度なノウハウによって最大限のパフォーマンスを引き出せるように努力している」と語る。
そして、「これらによってコンテンツのパワーをお客様にそのまま提供できるよう努めている」とし、「IMAX Enhancedがやってくることによって、我々のその努力が報われる」と歓迎の意を示した。
■映画製作者の意図を家庭でも忠実に再現
IMAX Corporattion シニア・バイスプレジデントのブルース・マーコウ氏は、「天気の子」や「ボヘミアン・ラプソディ」など多くの作品がIMAXを採用して大ヒットしていると紹介。「劇場で我々が培ってきたIMAXの魅力を家庭でも楽しめるようになる」とIMAX Enhancedの魅力をアピール。「劇場ではIMAXのために特別な環境を構築しているが、これを家庭で楽しめる。IMAX Enhanced認証をパスした機器で対応コンテンツを見れば『これは違うぞ』ということをわかってもらえることだろう」と胸を張る。
また、「我々は映画製作者と密接な関係にあり、製作者の意図をきちんと反映することを特に意識している」ともコメント。この点についてはXPERI Corporation バイスプレジデントのジョン・マクダニエル氏も、「どうすれば製作者の意図を忠実に再現できるかが重要なポイントだ」と述べ。そのために音声面でdts:Xをベースに採用し、映画製作者の意図する音響を忠実に再現できるようにしていると語った。
なお、IMAX Enhancedコンテンツは映像/音声のメタ情報を持っており、対応機器がその情報に基づいて最適な処理を行う。XPERI チーフ・プロダクト兼サービス・オフィサーのギア・スカーデン氏は「より広い低音や深みのある音など、劇場の音声を忠実に実現する」と語るとともに、「ユーザーは何もしなくていい。ゆったりと音楽を楽しむだけだ」と特別な調整なども不要であることもアピールした。
ギア・スカーデン氏はまた、「ツタヤさんは日本で小売り、レンタルだけでなくコンテンツのネット配信にも高い実績をもっている」とコメント。「高いクオリティを求める日本のファンからの要求に応えるために、日本へのIMAX Enhanced導入にあたって協力することになるのは自然の流れだった」と説明した。
ツタヤの山内氏は、「映像サービスを30年間やっていいるが、30年前はVHSのレンタルだった。そこからDVD、ブルーレイと変わって映像品質が高まるたびにお客様が喜んでくれるのを目の当たりにしてきた。私自身も、CESでIMAX Enhancedを体験してその魅力に気づき、TSUTAYA TVでも配信しようと考えた」とコメント。「今後は作品数、対応デバイスの充実を期待している。IMAX Enhancedリビングでナンバーワンのブランドにがなるよう祈っている」と言葉を続けた。
また、「大きなデータのなかから映像と音声のファイルを取り出してそれぞれエンコーディングしてまた結合するわけだが、音声ファイルをdts規格でつくるのが初めてのことになるので、そこに特に苦労した。実際に再生してみたら左の音だけ出ていなかったり、シークしたら音が消えたりなどといったトラブルもあった」と開発の苦労話も拾う。「XPERIの協力によってようやく開発にこぎつけた」とし、「今後はエンコーディングも自動化してより速い処理をできるようにしていきたい」と今後の展開にも豊富を語った。