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公開日 2022/10/05 18:19
まるで彗星のよう

NASAのDART探査機衝突実験、塵や破片が小惑星から尾のように9600km以上伸びる

Munenori Taniguchi
チリにあるSOAR望遠鏡が、先日小惑星衝突実験を行ったNASAのDART探査機によって発生した塵や破片の飛散の痕跡が、6000マイル(約9600km)以上にわたって拡がっているのを示す画像を撮影した。痕跡が彗星の尾のように伸びたのは、太陽からの放射圧が塵や破片を押し流したためと見られる。

そのため、この尾はまだまだ伸びる可能性があるが、次第に拡散して薄くなり、いずれ太陽系に漂う普通の塵と区別が付かなくなると予想される。

もちろん、NASAはこのような幻想的な写真を撮影するために探査機を小惑星に衝突させたわけではない。DARTの衝突をSOARやSOARを含む複数の天文台で構成されるAstronomical Event Observatory Network(AEON)で収集したデータを使い、衝突の際の様子やディモルフォスそのものの観測をさらに詳しく行い、研究者が小惑星の軌道を変更するこの試みがどれほど成功したかを評価するのに役立つデータを収集、より深く理解することが目的だ。

DART計画は小さな探査機がどのように小惑星の軌道を変えることができるかどうかを調べることを主目的としている。また今回の衝突後の観測により、科学者らはディモルフォスの表面の性質、衝突によって放出された物質の量、放出された速さ、拡大するダスト雲の粒子サイズの分布に関する知識を得ることができる。

これらの情報を得て分析することで、いつか来るかもしれない危機に備えて地球を防衛するのに役立てられるはずだ。

Source: NOIRLab
via: Space.com

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