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公開日 2023/04/17 16:26
「本当に奇跡的な仕事」
火星ヘリ「Ingenuity」が50回目の飛行を完了。当初予定は5回
Munenori Taniguchi
NASAは4月13日、赤い大地の惑星で活動を続けている火星ヘリコプターこと「Ingenuity」の、通算50回目の飛行を実施した。今回の飛行は146秒間行われ、18mという過去最高高度を記録した。
2021年4月にIngenuityがPerseveranceに搭載され、火星の大地にやって来るまで、地球以外で飛行した回転翼機は存在しなかったことを考えると、今日の成功は誰も想像していなかったことだろう。初飛行の課題は「地上に降ろされたその場で3m上昇し、40秒間空中に留まる」という単純なものだったが、成功した際には当時のNASA長官Thomas Zurbuchen氏が「まさに地球外におけるライト兄弟の瞬間だ」と称賛した。
そして今回の節目に際してIngenuityチームのTheodore Tzanetos氏は「我々の信頼性設計に関してだけでなく、これを作った技術者の力量に関するものでもある」とし、チームが「本当に奇跡的な仕事を成し遂げた」と述べた。
重さ1.8kgのIngenuityは、火星ローバーPerseveranceの探査における偵察役を務めるとともに、数年後にPerseveranceが所々に残している火星の岩石サンプルを回収しにやって来る、新たな「Mars Sample Recovery Helicopter」のための主要技術のテストも行っている。
火星の大気は地球よりも薄く、制御が難しい。しかも火星と地球は距離が離れすぎているため、ラジコンヘリのように遠隔からその飛行を制御することはできない。しかし、あらかじめIngenuityに送信されたフライトプランのプログラムはうまく機能し、その後の飛行も順調だ。
2028年に打ち上げが予定されるサンプルリターンミッションで火星に持ち込まれる2機の火星ヘリコプターはIngenuityの設計をベースとしており、Perseveranceがパッキングし、火星の地上に配置しているサンプルを、再離陸用ロケットを搭載した着陸船まで自力で運ぶことができない場合のバックアップとして準備されている。
Tzanetos氏は、Ingenuityがいまも活動を続けていることについて「あらゆる種類の指標を吹き飛ばすほどの大成功」だと述べている。というのも、もともとこの火星ヘリコプターが想定した火星での飛行回数はわずか5回だったからだ。
目標としていた5回の飛行が完了した時点で、チームのメンバーはそこに留まる必要がなくなったため、他のチームに移った者もいれば、パートタイムで関わり続ける者、その後もIngenuityチームでの活動を続ける者などに分かれた。とはいえ、50回という節目の飛行を達成したいま、チームの士気が高まっているとTzanetos氏は述べている。
Source: NASA
2021年4月にIngenuityがPerseveranceに搭載され、火星の大地にやって来るまで、地球以外で飛行した回転翼機は存在しなかったことを考えると、今日の成功は誰も想像していなかったことだろう。初飛行の課題は「地上に降ろされたその場で3m上昇し、40秒間空中に留まる」という単純なものだったが、成功した際には当時のNASA長官Thomas Zurbuchen氏が「まさに地球外におけるライト兄弟の瞬間だ」と称賛した。
そして今回の節目に際してIngenuityチームのTheodore Tzanetos氏は「我々の信頼性設計に関してだけでなく、これを作った技術者の力量に関するものでもある」とし、チームが「本当に奇跡的な仕事を成し遂げた」と述べた。
重さ1.8kgのIngenuityは、火星ローバーPerseveranceの探査における偵察役を務めるとともに、数年後にPerseveranceが所々に残している火星の岩石サンプルを回収しにやって来る、新たな「Mars Sample Recovery Helicopter」のための主要技術のテストも行っている。
火星の大気は地球よりも薄く、制御が難しい。しかも火星と地球は距離が離れすぎているため、ラジコンヘリのように遠隔からその飛行を制御することはできない。しかし、あらかじめIngenuityに送信されたフライトプランのプログラムはうまく機能し、その後の飛行も順調だ。
2028年に打ち上げが予定されるサンプルリターンミッションで火星に持ち込まれる2機の火星ヘリコプターはIngenuityの設計をベースとしており、Perseveranceがパッキングし、火星の地上に配置しているサンプルを、再離陸用ロケットを搭載した着陸船まで自力で運ぶことができない場合のバックアップとして準備されている。
Tzanetos氏は、Ingenuityがいまも活動を続けていることについて「あらゆる種類の指標を吹き飛ばすほどの大成功」だと述べている。というのも、もともとこの火星ヘリコプターが想定した火星での飛行回数はわずか5回だったからだ。
目標としていた5回の飛行が完了した時点で、チームのメンバーはそこに留まる必要がなくなったため、他のチームに移った者もいれば、パートタイムで関わり続ける者、その後もIngenuityチームでの活動を続ける者などに分かれた。とはいえ、50回という節目の飛行を達成したいま、チームの士気が高まっているとTzanetos氏は述べている。
Source: NASA
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