公開日 2017/03/23 10:00
好評な部分は継承し強みを向上
売れ筋モデルが更なる進化。エレコムのハイレゾ対応イヤホン「EHP-CH2010A/1010A」レビュー
高橋 敦
エレコムからイヤホンの新製品「EHP-CH2010A」「EHP-CH1010A」が登場した(関連ニュース)。大口径の前者が実売予想9,980円前後、中口径の後者が7,980円前後という売れ筋価格帯のモデルだ。さらに注目すべき理由もある。これらはイヤホンブランドとしてのエレコムの評価を高めた「EHP-CH2000」「EHP-CH1000」を継ぐモデルなのだ(関連ニュース)。
2014年に従来モデルを発売して以降もエレコムは、新たな技術や音作りへの挑戦を含む新製品を数多く展開。現在のエレコムには、当時は持ち得なかった多くの技術とユーザーからのフィードバックが蓄積されていることだろう。同社にとってのスタンダードであり象徴でもあるシリーズにそれを還元しリファインした。今回のモデルを僕はそう解釈している。
シリーズの核心は、ドライバー/ポールピース/マグネットを同軸上に配置する「Magnetic Turbo Axial Port」だ。簡単に言えば、音を発生させるドライバーを構成する主要パーツと、その音を耳の中に届けるノズルの中心を同一軸に綺麗に合わせてあるということ。もちろん新モデルも継承。これにより、ドライバーによって生み出された音を最もスムーズに鼓膜にまで届けることができる。
簡単、当然のことに思えるかもしれない。しかし例えばマルチドライバー機での実現は容易ではない。シングルドライバーであってもドライバー自体のサイズが大きいダイナミック型だと、全体の小型化を図って配置の効率化を考えた時、やはり「綺麗に」合わせるのは容易ではないと思われる。
このシリーズの場合は見たところ、小型化は潔く諦め、装着感の問題には別の工夫で対処するやり方を選んだようだ。
ハウジング部とケーブル接続部となるポスト部をセパレート配置することで、イヤホンの大きさを耳の中とその周囲のスペースにうまく分散してある。おかげで、大口径ドライバー搭載の2000番モデルの方でも、見た目ほど装着感はゴツくない。さらに今回はさすが二代目モデル、デザインの微調整によるものか、装着感はさらに自然さを増したように思える。ただし耳から飛び出る部分が大きいことは変わらずなので、耳まで覆うニット帽をかぶったりするとイヤホンと干渉してフィットが揺らぐこともある。
その他にも技術要素の多くは先代モデルから素直に継承している。好評な基本は継承しつつ、要点のみを向上させてきた姿勢は好ましく感じる。目新しさのためにすべてを変える必要はないのだ。
その「要点の向上」で特に大きいのは、まず「前置マグネットの大型化」だ。振動板の表裏にマグネットを配置して磁力のロスを減らし、ユニットの動きをよりスピーディにする「前置きマグネット方式」は、現在のエレコムのお家芸だ。
初代では特にその明記はなかったが、今回「大型化」と表現しているのでおそらく初代にも採用されていたようだ。そのマグネットが二倍弱に大型化されたとのこと。磁石の磁力は単純に大きさの分だけ強くなるので、より大きな効果を望める。
さらにドライバー内には、電磁石として動作してマグネットとの作用で動きを生み出すボイスコイルというパーツがあるが、その素材を「CCAW」に変更し、磁力は確保しつつ軽量化を図っている。マグネット側の磁力強化で駆動力をアップしつつユニット側はさらに軽量となれば、より力強く正確な動作を得られる。
そのドライバーのパワーを受け止め不要な振動は抑制するため、先代から引き続きの真鍮製ハウジングは部分的に大型化。しかし前述のように装着感はむしろ向上しているので安心してほしい。
なお今回も2000番系「CH2010A」と1000番系「CH1010A」のスペックの違いはドライバー口径。前者は12.5mm、後者は9.8mmだ。
さて今回は音については、価格的には上位の「EHP-CH2010A」の方を中心にレポートしていく。しかし両モデルは上位下位ではなくサウンドバリエーションと理解するのが適当だろうというのが、試聴を終えての僕の印象だ。
2014年に従来モデルを発売して以降もエレコムは、新たな技術や音作りへの挑戦を含む新製品を数多く展開。現在のエレコムには、当時は持ち得なかった多くの技術とユーザーからのフィードバックが蓄積されていることだろう。同社にとってのスタンダードであり象徴でもあるシリーズにそれを還元しリファインした。今回のモデルを僕はそう解釈している。
シリーズの核心は、ドライバー/ポールピース/マグネットを同軸上に配置する「Magnetic Turbo Axial Port」だ。簡単に言えば、音を発生させるドライバーを構成する主要パーツと、その音を耳の中に届けるノズルの中心を同一軸に綺麗に合わせてあるということ。もちろん新モデルも継承。これにより、ドライバーによって生み出された音を最もスムーズに鼓膜にまで届けることができる。
簡単、当然のことに思えるかもしれない。しかし例えばマルチドライバー機での実現は容易ではない。シングルドライバーであってもドライバー自体のサイズが大きいダイナミック型だと、全体の小型化を図って配置の効率化を考えた時、やはり「綺麗に」合わせるのは容易ではないと思われる。
このシリーズの場合は見たところ、小型化は潔く諦め、装着感の問題には別の工夫で対処するやり方を選んだようだ。
ハウジング部とケーブル接続部となるポスト部をセパレート配置することで、イヤホンの大きさを耳の中とその周囲のスペースにうまく分散してある。おかげで、大口径ドライバー搭載の2000番モデルの方でも、見た目ほど装着感はゴツくない。さらに今回はさすが二代目モデル、デザインの微調整によるものか、装着感はさらに自然さを増したように思える。ただし耳から飛び出る部分が大きいことは変わらずなので、耳まで覆うニット帽をかぶったりするとイヤホンと干渉してフィットが揺らぐこともある。
その他にも技術要素の多くは先代モデルから素直に継承している。好評な基本は継承しつつ、要点のみを向上させてきた姿勢は好ましく感じる。目新しさのためにすべてを変える必要はないのだ。
その「要点の向上」で特に大きいのは、まず「前置マグネットの大型化」だ。振動板の表裏にマグネットを配置して磁力のロスを減らし、ユニットの動きをよりスピーディにする「前置きマグネット方式」は、現在のエレコムのお家芸だ。
初代では特にその明記はなかったが、今回「大型化」と表現しているのでおそらく初代にも採用されていたようだ。そのマグネットが二倍弱に大型化されたとのこと。磁石の磁力は単純に大きさの分だけ強くなるので、より大きな効果を望める。
さらにドライバー内には、電磁石として動作してマグネットとの作用で動きを生み出すボイスコイルというパーツがあるが、その素材を「CCAW」に変更し、磁力は確保しつつ軽量化を図っている。マグネット側の磁力強化で駆動力をアップしつつユニット側はさらに軽量となれば、より力強く正確な動作を得られる。
そのドライバーのパワーを受け止め不要な振動は抑制するため、先代から引き続きの真鍮製ハウジングは部分的に大型化。しかし前述のように装着感はむしろ向上しているので安心してほしい。
なお今回も2000番系「CH2010A」と1000番系「CH1010A」のスペックの違いはドライバー口径。前者は12.5mm、後者は9.8mmだ。
さて今回は音については、価格的には上位の「EHP-CH2010A」の方を中心にレポートしていく。しかし両モデルは上位下位ではなくサウンドバリエーションと理解するのが適当だろうというのが、試聴を終えての僕の印象だ。