トップページへ戻る

レビュー

HOME > レビュー > レビュー記事一覧

公開日 2020/10/19 07:00
ボリューム/低音向上の結果を確認

Google「Nest Audio」のサウンドとは? 新旧スマートスピーカーを聴き比べた

編集部:押野 由宇
Googleが新たに発売したスマートスピーカー「Google Nest Audio」。キャッチコピーは『迫力のあるサウンドを思いのままに。』であり、従来モデル「Google Home」からのサウンド強化をポイントとしている。

「Google Nest Audio」

価格は11,550円(税込)と、くしくもアップルが発表した「HomePod mini」(11,880円/税込)とほぼ同じだ。それでは旧モデルと比べ、どの程度サウンドに違いがあるのか。Google HomeとNest Audioを用意し、比較試聴で確認してみた。

Nest AudioとGoogle Homeを聴き比べ

サイズはひと回り大きく、ファブリック調のスクエアデザインに変更

まずデザインは、パッと見の印象からして変わっている。Google Homeは円柱+斜めにスライスされた天面で、下部はファブリック/上部はプラスチック製だった。一方のNest Audioは、Nest Miniと同様に目に見える範囲はほぼファブリックで覆われており、底面部のみプラスチック部が露出している。そして形状は平べったく角のない、楕円/長方形だ。

Google HomeとNest Audio。サイズ感もデザインも変更された

サイズ感として、124W×175H×78Dmmとひと回り大きく設計されており、本体質量もGoogle Homeと比べると、ずっしり重く感じられる。とはいえ設置後に頻繁に動かすものではないし、質量は1.2kgなので持ち運びに苦労することもないはずだ。

横から見た様子。若干Nest Audioの方が細身

この大きくなった筐体のなかには、19mmトゥイーターと75mmミッドウーファーを搭載している。ボリュームは75%大きくなり、低音を50%増強したというが、それを実現するためのサイズアップとも言えるだろう。

さらに500時間以上のチューニングを実施し、低・中・高音域のバランスをとった豊かでクリアな音質を実現したとGoogleの公式サイトでは説明している。Googleアシスタントを搭載したスマートスピーカーとしての機能説明より、音質をプッシュしたサイト構成になっているあたり、力の入れようが見て取れる。

本体背面にマイクの入力オン/オフの切り替えスイッチを備える

ちなみに、スマートスピーカーとしての機能については、順当にGoogle Nestシリーズの最新機種という印象で、問題なく呼びかけにも反応してくれる。

操作性の面では、Google Homeは天面を指でなぞるようにするとボリュームがスムーズに調整できたが、Nest Audioは前面からみて左上部が音量下げ、真ん中上部が再生/一時停止、右上部が音量上げに対応したタッチ操作となった。音量を大きく動かしたい場合、押しっぱなし(触りっぱなし)ではなく、ポンポンと連続タッチしないと操作が効かないのは、少し不便だ。基本的に、操作はアプリや音声で行うものと割り切ったほうがいい。

本体上部を触るタッチ操作でボリューム調整などが行える

サウンド強化の効果大、お買い得感が増した

それでは、いよいよサウンドを確かめていく。まず従来のGoogle Homeの音質を確かめると、良くはない。中高域はスカスカで、低域はボワつく。そして少しボリュームを上げると、かなり無理をしてるな、という音の出方をする。よりサイズが小さく、安価なBluetoothスピーカーと似たような音の傾向だ。

そしてNest Audioだが、このあたりの欠点を克服している。音の密度、情報量がまるで違う。明らかに鳴っていなかった音が鳴らせるようになっており、同じボリュームで再生しても “苦しそうな音” ではなく、余裕がある。一般的な部屋の広さであれば、半分程度のボリューム位置で十分に響き渡るだろう。サウンドの強化は確実に良い方向に働いている。

一台で部屋中に音楽を響かせるだけのボリュームを確保

また、低音が増強された効果も大きく、音楽全体を下支えする土台が確かなものになったことで、厚みのある安定したサウンドを落ち着いて楽しめる。もし低音が強すぎると感じる場合は、Google Homeアプリからイコライジングを行って調整したい。

価格やサイズの制約があり、さすがに、手放しで「良い音」と言い切るのは難しいが、この価格帯、サイズの “Bluetoothスピーカー” として問題ないレベルまでクオリティを高めた、と感じられる。そもそも本機はスマートスピーカーであり、それらの機能は使いやすい。

繰り返しになるが、価格は11,550円(税込)。2台目以降は2,500円の割引が受けられ、2台でのステレオ再生も可能だ。総合的に見れば、Nest Audioはコストパフォーマンスが高い。スマートスピーカーにクオリティも求めたい方にはお買い得のモデルだ。

関連リンク

新着クローズアップ

クローズアップ

アクセスランキング RANKING
1 ヤマダデンキ、「ブラックフライデー」セールを11/16より開始。ベスト電器、マツヤデンキでも開催
2 iPhone買い換え、手持ちモデルを手放す際に必ずやっておくべきこととは?
3 ケーブル接続の「バランス/アンバランス」ってつまり何?
4 「ハイエンドオーディオ&アクセサリーショウ」11月23日・24日開催。出展メーカーや連続試聴イベントの内容はコチラ!
5 <Inter BEE>ゼンハイザー、国内未発売製品を初お披露目/NHK、“自由に変形する”ディスプレイ/コルグ「Live Extreme」試聴デモ
6 THIEAUDIO「Origin」は低音好き垂涎!骨伝導搭載・クアッドハイブリッド構成のイヤホンを聴く
7 B&Wの人気シリーズ、トゥイーター・オン・トップ式ブックシェルフ3機種の魅力を探る
8 ビクター“nearphones”「HA-NP1T」速攻レビュー! イヤーカフ型ながら聴きイヤホンを女性ライターが使ってみた
9 MUSE HiFi、真空管搭載ポータブルDAC/AMP「M5 ULTRA」。ESS社と独自回路を共同開発
10 スピーカーの“原音再生”をデジタルフィルターで解決!テレビや車に搭載広がるEilex PRISMの秘密に迫る
11/15 10:43 更新

WEB