公開日 2021/02/25 06:30
【特別企画】独自技術で低音もしっかりカバー
耳をふさがないからウェブ会議も快適! テレワークにAfterShokzの「骨伝導イヤホン」がオススメ
海上 忍
骨伝導ヘッドホンのシーンを牽引する米AfterShokzから、テレワークやオンライン授業に最適なブームマイク搭載モデルが登場! 耳をふさがないことによる開放感と使い勝手を海上忍氏がレポートする。
■Web会議の声もはっきり聞こえる「OpenComm」
細かく振動するトランスデューサーで耳付近の骨を震わせ、鼓膜の奥にある蝸牛(かぎゅう)に振動を伝え音を再現する「骨伝導ヘッドホン」。ヒトの脳が認識する音は、空気ひいては鼓膜を震わせる気導音と、皮膚や骨格の振動で伝わる骨導音という2系統の音により成立するが、骨伝導ヘッドホンは文字どおり骨導音のみ。耳道をふさがない“究極の開放感”で音を伝えることが特徴であり、アドバンテージだ。
その骨伝導ヘッドホンのリーディングブランドが、AfterShokz (アフターショックス)。骨伝導に特化した製品開発で知られ、広いダイナミックレンジにより音質向上を図る「Premium Pitch 2.0」、音漏れを防止する「LeakSlayer」などの独自技術を相次いで投入、高い評価を獲得している。日本でもBCNによる2020年実売データ集計において、「骨伝導型」の売上台数1位を記録(※2020年1月〜12月 BCNランキングデータをもとにメーカー集計)。オーディオビジュアルアワード「VGP2021」でも3製品が金賞に輝いている。
最新モデル「OpenComm」は、骨伝導ヘッドホンに通話機能を持たせた「骨伝導ヘッドセット」。AfterShokzのアイデンティティである音質重視の姿勢を踏襲しつつ、テレビ会議やオンライン授業にも生かせるようマイクを加えたものだ。さらにBluetooth SoCとして最新世代の「QCC3024」を採用、音途切れが大幅に改善されるなど基礎体力向上を図っている。
フラグシップモデル「Aeropex」との最大の違いは「ノイズキャンセリング・ブームマイク」。Aeropexにもマイクは装備されていたが、トランスデューサー近くに設置され口元から遠かった。そこでOpenCommでは、先端に小型マイク2基を設置した約180度回転する長さ約9cmのブームマイクを追加。ふだんは折り畳んでコンパクトに利用できるが、音声通話時に回転させれば口元付近にマイクが来るため、よりクリアな音声を収録できるというわけだ。
もうひとつの特徴は「クイックチャージ」。専用ケーブルに5分つなげば最大2時間の通話が可能という充電の速さは、テレビ会議がはじまる直前にバッテリー切れに気づいた時など、いざという場面で役立つはず。しかも1回の充電で最大16時間利用できるから、音楽鑑賞用としても不安がない。
OpenCommはネックバンド式で、左右のU字状の部分を耳の上部に載せるようにして装着する。Bluetoothレシーバーとバッテリーを内蔵した部分は、ボリューム調整などの物理ボタンが下向きに配置され操作しやすい。電話着信時など音声通話を開始する時には、右側にあるオレンジ色のマルチファンクションボタンを押せばいい。
トランスデューサーはネックバンドの側圧と皮膚との摩擦で固定される仕組みだが、意外なほどズレない。2時間ほどのデスクワークの間中装着してみたが、強すぎず弱すぎず、適度な圧でこめかみ付近に定着してくれた。ただし、トランスデューサーの位置次第で音質/音場が変化するため、自身のベストポジションを見つけ出すまでは微調整を繰り返すことになるだろう。
肝心の音質だが、かつての骨伝導ヘッドホンとは比べるべくもない。その構造上、迫力の重低音とまではいかないものの、バスドラムやベースの音も確とした輪郭を感じさせるし、ギターのハーモニクスのような中高域寄りの音も雰囲気たっぷりに描き出す。特にボーカルは歯切れよく、定位も明瞭。初めて骨伝導ヘッドホンを体験する人は、このレベルの音が鼓膜を通さず聴こえてくるという事実に驚くだろう。
人間の声の帯域を意識したサウンドエンジニアリングの成果か、音声通話時の聞き取りやすさは秀逸だ。OpenCommをパソコンとペアリングし、Microsoft TeamsやZoomといったWeb会議サービスで試したが、相手方の声がはっきり聞こえる。鼓膜が完全に開放されているため違和感がなく、宅配便など突然の来客に対応できるところもうれしい。
■骨伝導の魅力を手軽に味わうのに最適な「OpenMove」
もうひとつの新モデル「OpenMove」にも注目したい。OpenCommのようなブームマイクこそないものの、マイク内蔵でテレビ会議やオンライン授業に対応できるほか、Bluetooth SoCはクアルコム「QCC3024」で音途切れは少ない。PCとスマートフォンに同時にペアリングしておくことで通話着信時一瞬で切り替えられる「マルチポイントペアリング」もサポートする。
Bluetoothバージョンは5.0で、コーデックはSBCに対応。カラーバリエーションは4色、自分の好みに合わせて選ぶことができる。基本機能は網羅しつつ価格は抑えた、骨伝導ヘッドホンの魅力を手軽に味わえるコストパフォーマンスモデルだ。
バッテリーも6時間と長持ちなので、朝フル充電しておけば、会議やリモート授業が続いたとしても夕方まで持つはず。防水防塵性能はIP55準拠でほこりや汗・雨に強く、スポーツやアウトドアシーンで活用できることもポイントだ。
サウンドもしっかり。フラット傾向でありつつも、オープン構造なだけに中高域のヌケ感が心地いい。ボーカルの定位も明瞭、シンバルロールやサクソフォンなどブラス系の音も輪郭が滲まず、光沢感を思わせつつくっきりと浮かび上がる。耳を塞がないことによる骨伝導タイプならではの開放感も手伝い、ロック/J-POPを爽快な気分で楽しめる。
骨伝導が苦手とする低域は、特許技術をもとに開発された“第7世代の骨伝導テクノロジー”によりカバー。量感たっぷりとまではいかないものの、ベースやバスドラムの迫力を感じることができる。トランスデューサーの位置合わせのコツをつかめば納得の音を得られるはずで、骨伝導の音質に疑問を持っている人にこそ試してほしい入門用モデルだ。
仕事で使いつつHi-Fiサウンドも楽しめる骨伝導ヘッドホン「OpenComm」と「OpenMove」。その比類なき開放感は、ヘッドホンの概念すら変えてしまうかもしれない。
AfterShokz「OpenComm」19,998円(税込)
SPEC:●通信方式:Bluetooth標準規格Ver.5.0 ●対応コーデック:SBC ●防塵・防水保護等級:IP55 ●連続再生時間:最大約16時間 ●質量:33g ●付属品:充電用マグネティックケーブル、ハードキャリングポーチ ほか
AfterShokz「OpenMove」9,999円(税込)
SPEC:●通信方式:Bluetooth標準規格Ver.5.0 ●対応コーデック:SBC ●防塵・防水保護等級:IP55 ●連続再生時間:最大約6時間 ●質量:29g ●付属品:USB Type-C充電用ケーブル、イヤープラグ(耳栓)、キャリングポーチ ほか
本記事は「プレミアムヘッドホンガイド Vol.25 2021 SPRING」からの転載です。
(協力:フォーカルポイント株式会社)
■Web会議の声もはっきり聞こえる「OpenComm」
細かく振動するトランスデューサーで耳付近の骨を震わせ、鼓膜の奥にある蝸牛(かぎゅう)に振動を伝え音を再現する「骨伝導ヘッドホン」。ヒトの脳が認識する音は、空気ひいては鼓膜を震わせる気導音と、皮膚や骨格の振動で伝わる骨導音という2系統の音により成立するが、骨伝導ヘッドホンは文字どおり骨導音のみ。耳道をふさがない“究極の開放感”で音を伝えることが特徴であり、アドバンテージだ。
その骨伝導ヘッドホンのリーディングブランドが、AfterShokz (アフターショックス)。骨伝導に特化した製品開発で知られ、広いダイナミックレンジにより音質向上を図る「Premium Pitch 2.0」、音漏れを防止する「LeakSlayer」などの独自技術を相次いで投入、高い評価を獲得している。日本でもBCNによる2020年実売データ集計において、「骨伝導型」の売上台数1位を記録(※2020年1月〜12月 BCNランキングデータをもとにメーカー集計)。オーディオビジュアルアワード「VGP2021」でも3製品が金賞に輝いている。
最新モデル「OpenComm」は、骨伝導ヘッドホンに通話機能を持たせた「骨伝導ヘッドセット」。AfterShokzのアイデンティティである音質重視の姿勢を踏襲しつつ、テレビ会議やオンライン授業にも生かせるようマイクを加えたものだ。さらにBluetooth SoCとして最新世代の「QCC3024」を採用、音途切れが大幅に改善されるなど基礎体力向上を図っている。
フラグシップモデル「Aeropex」との最大の違いは「ノイズキャンセリング・ブームマイク」。Aeropexにもマイクは装備されていたが、トランスデューサー近くに設置され口元から遠かった。そこでOpenCommでは、先端に小型マイク2基を設置した約180度回転する長さ約9cmのブームマイクを追加。ふだんは折り畳んでコンパクトに利用できるが、音声通話時に回転させれば口元付近にマイクが来るため、よりクリアな音声を収録できるというわけだ。
もうひとつの特徴は「クイックチャージ」。専用ケーブルに5分つなげば最大2時間の通話が可能という充電の速さは、テレビ会議がはじまる直前にバッテリー切れに気づいた時など、いざという場面で役立つはず。しかも1回の充電で最大16時間利用できるから、音楽鑑賞用としても不安がない。
OpenCommはネックバンド式で、左右のU字状の部分を耳の上部に載せるようにして装着する。Bluetoothレシーバーとバッテリーを内蔵した部分は、ボリューム調整などの物理ボタンが下向きに配置され操作しやすい。電話着信時など音声通話を開始する時には、右側にあるオレンジ色のマルチファンクションボタンを押せばいい。
トランスデューサーはネックバンドの側圧と皮膚との摩擦で固定される仕組みだが、意外なほどズレない。2時間ほどのデスクワークの間中装着してみたが、強すぎず弱すぎず、適度な圧でこめかみ付近に定着してくれた。ただし、トランスデューサーの位置次第で音質/音場が変化するため、自身のベストポジションを見つけ出すまでは微調整を繰り返すことになるだろう。
肝心の音質だが、かつての骨伝導ヘッドホンとは比べるべくもない。その構造上、迫力の重低音とまではいかないものの、バスドラムやベースの音も確とした輪郭を感じさせるし、ギターのハーモニクスのような中高域寄りの音も雰囲気たっぷりに描き出す。特にボーカルは歯切れよく、定位も明瞭。初めて骨伝導ヘッドホンを体験する人は、このレベルの音が鼓膜を通さず聴こえてくるという事実に驚くだろう。
人間の声の帯域を意識したサウンドエンジニアリングの成果か、音声通話時の聞き取りやすさは秀逸だ。OpenCommをパソコンとペアリングし、Microsoft TeamsやZoomといったWeb会議サービスで試したが、相手方の声がはっきり聞こえる。鼓膜が完全に開放されているため違和感がなく、宅配便など突然の来客に対応できるところもうれしい。
■骨伝導の魅力を手軽に味わうのに最適な「OpenMove」
もうひとつの新モデル「OpenMove」にも注目したい。OpenCommのようなブームマイクこそないものの、マイク内蔵でテレビ会議やオンライン授業に対応できるほか、Bluetooth SoCはクアルコム「QCC3024」で音途切れは少ない。PCとスマートフォンに同時にペアリングしておくことで通話着信時一瞬で切り替えられる「マルチポイントペアリング」もサポートする。
Bluetoothバージョンは5.0で、コーデックはSBCに対応。カラーバリエーションは4色、自分の好みに合わせて選ぶことができる。基本機能は網羅しつつ価格は抑えた、骨伝導ヘッドホンの魅力を手軽に味わえるコストパフォーマンスモデルだ。
バッテリーも6時間と長持ちなので、朝フル充電しておけば、会議やリモート授業が続いたとしても夕方まで持つはず。防水防塵性能はIP55準拠でほこりや汗・雨に強く、スポーツやアウトドアシーンで活用できることもポイントだ。
サウンドもしっかり。フラット傾向でありつつも、オープン構造なだけに中高域のヌケ感が心地いい。ボーカルの定位も明瞭、シンバルロールやサクソフォンなどブラス系の音も輪郭が滲まず、光沢感を思わせつつくっきりと浮かび上がる。耳を塞がないことによる骨伝導タイプならではの開放感も手伝い、ロック/J-POPを爽快な気分で楽しめる。
骨伝導が苦手とする低域は、特許技術をもとに開発された“第7世代の骨伝導テクノロジー”によりカバー。量感たっぷりとまではいかないものの、ベースやバスドラムの迫力を感じることができる。トランスデューサーの位置合わせのコツをつかめば納得の音を得られるはずで、骨伝導の音質に疑問を持っている人にこそ試してほしい入門用モデルだ。
仕事で使いつつHi-Fiサウンドも楽しめる骨伝導ヘッドホン「OpenComm」と「OpenMove」。その比類なき開放感は、ヘッドホンの概念すら変えてしまうかもしれない。
AfterShokz「OpenComm」19,998円(税込)
SPEC:●通信方式:Bluetooth標準規格Ver.5.0 ●対応コーデック:SBC ●防塵・防水保護等級:IP55 ●連続再生時間:最大約16時間 ●質量:33g ●付属品:充電用マグネティックケーブル、ハードキャリングポーチ ほか
AfterShokz「OpenMove」9,999円(税込)
SPEC:●通信方式:Bluetooth標準規格Ver.5.0 ●対応コーデック:SBC ●防塵・防水保護等級:IP55 ●連続再生時間:最大約6時間 ●質量:29g ●付属品:USB Type-C充電用ケーブル、イヤープラグ(耳栓)、キャリングポーチ ほか
本記事は「プレミアムヘッドホンガイド Vol.25 2021 SPRING」からの転載です。
(協力:フォーカルポイント株式会社)