公開日 2022/03/03 06:30
【PR】スピーカー再生環境でも効果を発揮
ティアック「UD-505-X」、ヘッドホンアンプのクオリティをチェック!クロック追加でさらなるグレードアップも!?
岩井 喬
■ヘッドホン再生にもクロックは効果あり? ティアックのロングセラーでチェック!
A4サイズの設置面積で置くことができる、コンパクトなデスクトップオーディオシステムとして人気のティアック『Reference 500』シリーズ。その中核的な製品となっているのがハイパワーなヘッドホンアンプを内蔵するUSB DAC「UD-505-X」だ。
UD-505-Xは「UD-505」からDACチップを刷新して生まれ変わった新製品であり、発売以来好調なセールスを記録しているという。今回はこのUD-505-Xを軸とし、ヘッドホンリスニングの実力と、そのグレードアップの一案としてマスタークロックジェネレーター「CG-10M」を追加した状態でのサウンドの進化を見ていきたい。さらに同シリーズのプリメインアンプ「AX-505」と組み合わせた、スピーカー再生でのクロック追加効果についても確認した。
まずUD-505-Xのスペックをおさらいしておこう。本機の特徴となるのは電源トランスからアナログ出力段まで、左右独立のデュアルモノラル・フルバランス構成となっている点だ。心臓部ともいえるDACチップはAKM製「AK4497」からESS製「ES9038Q2M」へと刷新。これはAKMの工場火災を発端とした、チップ供給問題の解決案となっているが、新たに採用したES9038Q2Mも非常に高いスペックを持つDACチップであり、USB入力時には最高768kHz/32bit・PCM&22.5MHz・DSDに対応するという、現在最高水準のサンプリングレート対応を実現。これを左右1基ずつ独立して搭載している。
UD-505からの進化はDACチップだけではない。一点目は豪勢な外観となっているフルメタル筐体において、トップパネルをシャーシにネジ留めせず、サイドパネルのみで挟み込む半固定のセミフローティング方式を取り入れ、開放感あるサウンドづくりに反映させていること。これは上位モデル「UD-701N」でも採用されている手法であるが、さらにこの構想を脚部にも発展させ、半固定状態で自由に振動させて自然な響きを得られるようにした、スチール製3点支持ストレスレス・フットを新たに導入している。
二点目はアナログ出力回路における電流伝送強化型出力バッファーアンプTEAC-HCLD回路の進化だ。本機では電流伝送能力の非常に高いラインバッファーアンプICを新たに用いたTEAC-HCLD2回路へリニューアル。TEAC-HCLD2回路は片chあたり正負2回路としており、バランス出力時はディファレンシャル(差動)駆動、アンバランス接続時はパラレル(並列)駆動する構成だ。
UD-505から引き続き搭載している技術としては、電源部の左右1基ずつ独立した大容量のトロイダルコア型トランスや、左右・正負に独立した4回路構成の可変ゲインアンプ型電子ボリュームTEAC-QVCSを使った音量調節機構が挙げられる。TEAC-QVCSは配線の引き回しによるノイズの問題を排除するとともに、ギャングエラーや左右偏差の問題も解決。微小レベルのサウンドも正確かつ高S/Nな環境でモニターしたいと考えるヘッドホンリスナーにとっても理想的な環境となっている。
■フルバランス構成としたこだわりのヘッドホンアンプ部
そしてUD-505-Xの購入動機の一つとなっているであろう、ヘッドホンアンプについては5極4.4mm、6.3mm×2という2種類のバランス駆動対応出力を装備。左右各4基ずつの出力トランジスターを備えたTEAC-HCLD2回路をヘッドホンアンプとして活用しており、シングルエンド接続ではパラレル駆動で600Ωのハイインピーダンス仕様のヘッドホンでもパワフルにドライブ。
一方、バランス駆動では左右ドライバーの+、−に各々HOT/COLD個別のアンプを配置させたBTL駆動としてドライブすることで、駆動能力の高さに加え、セパレーションの良さや立ち上がり・立り下りの素早いサウンドも得ることができる。加えてCOLD側を強制的に0Vとするアクティブ・グラウンド方式も前モデルから引き続き取り入れており、電源から来るハムノイズの影響を抑えた静寂感のある高S/Nなサウンドを味わうことが可能だ。
このほか、ハイレゾ相当の無線伝送が可能なaptX HDやLDACコーデックにも対応したBluetoothレシーバー機能、USB接続時にバルク転送を用い、より高音質伝送を実現するBulk Petといった機能性も搭載。まさに現在のPCオーディオにおけるトレンドを網羅した仕様が高評価にも繋がっていると考えるが、もう一つ忘れてはならない高音質化への次なる応用のステップとして期待できるものが10MHz外部クロック入力だ。
■「デジタル変換」の精度を高めるクロックジェネレーターの役割
昨今のUSB DACの大半がホストとなるPC側から送られてくるクロックではなく、DAC内部に備えた高精度な水晶発振器によって生成された非同期のクロックを用いてジッターを低減するアシンクロナス伝送を取り入れている。本機もまた然りであり、44.1kHz/48kHz系独立した低位相雑音デュアルクロックを装備。その上で用意された外部クロック入力は、この内部クロックよりもさらに高精度なものを用意し、さらなるジッター低減によって高音質なサウンドを追い求めるためのものとなる。UD-505-Xでは10MHz入力に対応。機器内部で生成されるオーディオマスタークロックを作り出すための基準の同期信号を供給できるようになっている。
CG-10MはReference 500シリーズの他モデルと同じA4サイズ、意匠のフルメタル筐体を用いた10MHzマスタークロックジェネレーターだ。UD-505-Xにも対応する10MHz出力を4系統用意しており、それぞれ電源部からバッファーアンプ、出力端子まで完全独立構成としており、複数台接続時の相互干渉を抑えることができる。
また電源部のトランスについては大容量のトロイダルコア型トランスを搭載。水晶発振器については、温度変化によって周波数変動が発生する水晶発振子の問題を解消すべく、水晶発振器を一定の適温に保つオープン(恒温槽)に収めたOCXO(Oven Controlled Crystal Oscillator)を採用。CG-10Mでは温度変化による周波数の変動(周波数温度特性)が±3ppb以内、周波数精度は±0.1ppm以内という高精度なTEAC Reference OCXOを取り入れている。フロントパネルにはこのOCXO内部の発振安定状態を監視できるアナログメーターを装備。なお使用の際は、OCXOが安定するまで約2分程度、完全安定には約10分程度を要するため、予めウォームアップが必要だ。
A4サイズの設置面積で置くことができる、コンパクトなデスクトップオーディオシステムとして人気のティアック『Reference 500』シリーズ。その中核的な製品となっているのがハイパワーなヘッドホンアンプを内蔵するUSB DAC「UD-505-X」だ。
UD-505-Xは「UD-505」からDACチップを刷新して生まれ変わった新製品であり、発売以来好調なセールスを記録しているという。今回はこのUD-505-Xを軸とし、ヘッドホンリスニングの実力と、そのグレードアップの一案としてマスタークロックジェネレーター「CG-10M」を追加した状態でのサウンドの進化を見ていきたい。さらに同シリーズのプリメインアンプ「AX-505」と組み合わせた、スピーカー再生でのクロック追加効果についても確認した。
まずUD-505-Xのスペックをおさらいしておこう。本機の特徴となるのは電源トランスからアナログ出力段まで、左右独立のデュアルモノラル・フルバランス構成となっている点だ。心臓部ともいえるDACチップはAKM製「AK4497」からESS製「ES9038Q2M」へと刷新。これはAKMの工場火災を発端とした、チップ供給問題の解決案となっているが、新たに採用したES9038Q2Mも非常に高いスペックを持つDACチップであり、USB入力時には最高768kHz/32bit・PCM&22.5MHz・DSDに対応するという、現在最高水準のサンプリングレート対応を実現。これを左右1基ずつ独立して搭載している。
UD-505からの進化はDACチップだけではない。一点目は豪勢な外観となっているフルメタル筐体において、トップパネルをシャーシにネジ留めせず、サイドパネルのみで挟み込む半固定のセミフローティング方式を取り入れ、開放感あるサウンドづくりに反映させていること。これは上位モデル「UD-701N」でも採用されている手法であるが、さらにこの構想を脚部にも発展させ、半固定状態で自由に振動させて自然な響きを得られるようにした、スチール製3点支持ストレスレス・フットを新たに導入している。
二点目はアナログ出力回路における電流伝送強化型出力バッファーアンプTEAC-HCLD回路の進化だ。本機では電流伝送能力の非常に高いラインバッファーアンプICを新たに用いたTEAC-HCLD2回路へリニューアル。TEAC-HCLD2回路は片chあたり正負2回路としており、バランス出力時はディファレンシャル(差動)駆動、アンバランス接続時はパラレル(並列)駆動する構成だ。
UD-505から引き続き搭載している技術としては、電源部の左右1基ずつ独立した大容量のトロイダルコア型トランスや、左右・正負に独立した4回路構成の可変ゲインアンプ型電子ボリュームTEAC-QVCSを使った音量調節機構が挙げられる。TEAC-QVCSは配線の引き回しによるノイズの問題を排除するとともに、ギャングエラーや左右偏差の問題も解決。微小レベルのサウンドも正確かつ高S/Nな環境でモニターしたいと考えるヘッドホンリスナーにとっても理想的な環境となっている。
■フルバランス構成としたこだわりのヘッドホンアンプ部
そしてUD-505-Xの購入動機の一つとなっているであろう、ヘッドホンアンプについては5極4.4mm、6.3mm×2という2種類のバランス駆動対応出力を装備。左右各4基ずつの出力トランジスターを備えたTEAC-HCLD2回路をヘッドホンアンプとして活用しており、シングルエンド接続ではパラレル駆動で600Ωのハイインピーダンス仕様のヘッドホンでもパワフルにドライブ。
一方、バランス駆動では左右ドライバーの+、−に各々HOT/COLD個別のアンプを配置させたBTL駆動としてドライブすることで、駆動能力の高さに加え、セパレーションの良さや立ち上がり・立り下りの素早いサウンドも得ることができる。加えてCOLD側を強制的に0Vとするアクティブ・グラウンド方式も前モデルから引き続き取り入れており、電源から来るハムノイズの影響を抑えた静寂感のある高S/Nなサウンドを味わうことが可能だ。
このほか、ハイレゾ相当の無線伝送が可能なaptX HDやLDACコーデックにも対応したBluetoothレシーバー機能、USB接続時にバルク転送を用い、より高音質伝送を実現するBulk Petといった機能性も搭載。まさに現在のPCオーディオにおけるトレンドを網羅した仕様が高評価にも繋がっていると考えるが、もう一つ忘れてはならない高音質化への次なる応用のステップとして期待できるものが10MHz外部クロック入力だ。
■「デジタル変換」の精度を高めるクロックジェネレーターの役割
昨今のUSB DACの大半がホストとなるPC側から送られてくるクロックではなく、DAC内部に備えた高精度な水晶発振器によって生成された非同期のクロックを用いてジッターを低減するアシンクロナス伝送を取り入れている。本機もまた然りであり、44.1kHz/48kHz系独立した低位相雑音デュアルクロックを装備。その上で用意された外部クロック入力は、この内部クロックよりもさらに高精度なものを用意し、さらなるジッター低減によって高音質なサウンドを追い求めるためのものとなる。UD-505-Xでは10MHz入力に対応。機器内部で生成されるオーディオマスタークロックを作り出すための基準の同期信号を供給できるようになっている。
CG-10MはReference 500シリーズの他モデルと同じA4サイズ、意匠のフルメタル筐体を用いた10MHzマスタークロックジェネレーターだ。UD-505-Xにも対応する10MHz出力を4系統用意しており、それぞれ電源部からバッファーアンプ、出力端子まで完全独立構成としており、複数台接続時の相互干渉を抑えることができる。
また電源部のトランスについては大容量のトロイダルコア型トランスを搭載。水晶発振器については、温度変化によって周波数変動が発生する水晶発振子の問題を解消すべく、水晶発振器を一定の適温に保つオープン(恒温槽)に収めたOCXO(Oven Controlled Crystal Oscillator)を採用。CG-10Mでは温度変化による周波数の変動(周波数温度特性)が±3ppb以内、周波数精度は±0.1ppm以内という高精度なTEAC Reference OCXOを取り入れている。フロントパネルにはこのOCXO内部の発振安定状態を監視できるアナログメーターを装備。なお使用の際は、OCXOが安定するまで約2分程度、完全安定には約10分程度を要するため、予めウォームアップが必要だ。