公開日 2024/12/24 06:35
オーディオ市場参入10周年
Qobuzのグレードアップにも効果的!テレガートナーの光アイソレーター「OPT BRIDGE 1000M」レビュー
逆木 一
産業用機器で培った確かな信頼性を武器に、ネットワークオーディオ市場に旋風を巻き起こしてきたテレガートナー。今年、オーディオ市場参入10周年を迎える。テレガートナーのアクセサリーは、ネットワークオーディオ、そしてストリーミングサービスのグレードアップにも大きな効果を発揮する。同社の光アイソレーター「OPT BRIDGE 1000M」の実力を、日本で始まったばかりのハイレゾストリーミングサービスQobuzで検証してみた。
言うまでもなく、ネットワークオーディオの実践にはネットワーク環境の構築が必要だ。家庭内ネットワークの肝になるWi-Fiルーターはもちろん、オーディオ機器専用のネットワークを構築するためのスイッチングハブや、各機器の接続に用いるLANケーブルも重要になる。
そうしたオーディオ向けネットワーク製品において、欠くべからざる存在感を放ってきたのがテレガートナーという企業。現在市場に出回っているハイクラスのオーディオ用LANケーブルのRJ45プラグはほとんどがテレガートナー製を採用しており、アクセサリーメーカーのテレガートナーに対する厚い信頼が見て取れる。
テレガートナーはそうした部品供給だけでなく、みずからオーディオ向けの製品展開も行っている。特に数年前に登場したスイッチングハブ「M12 SWITCH GOLD」は、産業向け製品の血が流れる極めて堅牢な筐体と外来ノイズの侵入を防ぐシールド型コネクタという仕様、そして目覚ましい音質改善効果によって、「オーディオ用スイッチングハブ」という製品ジャンルのマイルストーンにもなった。同社製スイッチングハブとしてはその後、上位グレードとなる「M12 SWITCH PREMIUM」も登場、性能にさらなる磨きがかかっている。
もうひとつ、テレガートナーからの新しい提案が光アイソレーターOPT BRIDGE 1000Mである。筐体内部に光変換モジュールを二基搭載することで、入力・出力ともに一般的なRJ45プラグのLANケーブルをそのまま使うことができる。
一般に光アイソレートというと、SFPポートを搭載した製品にユーザー自身がモジュールを取り付け、接続には光ファイバーケーブルを使う。一方、モジュールやケーブルには様々な種類が存在しており、実際の運用には少なからずノウハウが要求される。元々ネットワーク、それも光通信の専門家であるテレガートナーはそのような良くも悪くもユーザー任せの状況を問題視した。そのうえで、理想的な光アイソレートと、SFPポートを持たない製品でも使用可能な汎用性を同時に実現する製品としてリリースしたのが、OPT BRIDGE 1000Mというわけだ。
今回はOPT BRIDGE 1000Mの効果を確かめるべく、日本で始まったばかりの音楽ストリーミングサービス「Qobuz」との組み合わせでテストした。
Qobuzの再生機器としては、Aurenderの「N20」を用いた。本機をはじめ、Aurender製品はユーザーの手持ちの音源を聴くためのミュージックサーバーというイメージが強いかもしれないが、非常に高度な再生機能も有しており、純粋なネットワークプレーヤー/トランスポートとしての実力も折り紙付き。N20はデジタル出力に特化したトランスポートなので、今回のテストでは筆者所有のスフォルツァート製品とUSB接続をする形とした。
まずは普段のネットワーク環境で、N20でQobuzの音源を再生する。筆者は筆者なりにネットワーク環境に様々なケアを施しており、少なくともこの時点で、Qobuzの再生音には何の不満もない。むしろここでは、N20のネットワークトランスポートとしての実力に純粋に感心してしまった。
続いて、ハブとN20の間にOPT BRIDGE 1000Mを接続し、光アイソレートを行った状態で聴く。この状態でQobuzの音源を再生すると、とにかく背景の静寂感に歴然とした差が感じられ、それに伴うコントラストの向上により、音楽全体が溌剌とする。音の輪郭描写もノイズ感が拭い去られることでさらなるディテールが浮かび上がり、真の意味で解像度が高まる印象だ。
製品情報によれば、N20のLANポートはそれ自体入念なノイズ対策が施されているとのこと。そのうえでなお、これほどの音質向上があったのだと考えれば、OPT BRIDGE 1000Mによる光アイソレートの威力おそるべしと言ったところだ。
OPT BRIDGE 1000Mはネットワークの専門集団としての知見がオーディオ製品としての完成度に見事に結実した、まさにテレガートナーだからこそ作り得た光アイソレーターである。Qobuzのサービス開始もあり、ますます本格化するネットワークオーディオの世界で究極を目指そうと思った時、このうえなく頼もしい存在となるだろう。
(提供:日本テレガートナー)
本記事は『季刊・Audio Accessory vol.195』からの転載です
■良質なネットワーク環境の構築が音質向上の鍵となる
言うまでもなく、ネットワークオーディオの実践にはネットワーク環境の構築が必要だ。家庭内ネットワークの肝になるWi-Fiルーターはもちろん、オーディオ機器専用のネットワークを構築するためのスイッチングハブや、各機器の接続に用いるLANケーブルも重要になる。
そうしたオーディオ向けネットワーク製品において、欠くべからざる存在感を放ってきたのがテレガートナーという企業。現在市場に出回っているハイクラスのオーディオ用LANケーブルのRJ45プラグはほとんどがテレガートナー製を採用しており、アクセサリーメーカーのテレガートナーに対する厚い信頼が見て取れる。
テレガートナーはそうした部品供給だけでなく、みずからオーディオ向けの製品展開も行っている。特に数年前に登場したスイッチングハブ「M12 SWITCH GOLD」は、産業向け製品の血が流れる極めて堅牢な筐体と外来ノイズの侵入を防ぐシールド型コネクタという仕様、そして目覚ましい音質改善効果によって、「オーディオ用スイッチングハブ」という製品ジャンルのマイルストーンにもなった。同社製スイッチングハブとしてはその後、上位グレードとなる「M12 SWITCH PREMIUM」も登場、性能にさらなる磨きがかかっている。
もうひとつ、テレガートナーからの新しい提案が光アイソレーターOPT BRIDGE 1000Mである。筐体内部に光変換モジュールを二基搭載することで、入力・出力ともに一般的なRJ45プラグのLANケーブルをそのまま使うことができる。
一般に光アイソレートというと、SFPポートを搭載した製品にユーザー自身がモジュールを取り付け、接続には光ファイバーケーブルを使う。一方、モジュールやケーブルには様々な種類が存在しており、実際の運用には少なからずノウハウが要求される。元々ネットワーク、それも光通信の専門家であるテレガートナーはそのような良くも悪くもユーザー任せの状況を問題視した。そのうえで、理想的な光アイソレートと、SFPポートを持たない製品でも使用可能な汎用性を同時に実現する製品としてリリースしたのが、OPT BRIDGE 1000Mというわけだ。
■背景の静寂感が高まりディテールが浮かび上がる
今回はOPT BRIDGE 1000Mの効果を確かめるべく、日本で始まったばかりの音楽ストリーミングサービス「Qobuz」との組み合わせでテストした。
Qobuzの再生機器としては、Aurenderの「N20」を用いた。本機をはじめ、Aurender製品はユーザーの手持ちの音源を聴くためのミュージックサーバーというイメージが強いかもしれないが、非常に高度な再生機能も有しており、純粋なネットワークプレーヤー/トランスポートとしての実力も折り紙付き。N20はデジタル出力に特化したトランスポートなので、今回のテストでは筆者所有のスフォルツァート製品とUSB接続をする形とした。
まずは普段のネットワーク環境で、N20でQobuzの音源を再生する。筆者は筆者なりにネットワーク環境に様々なケアを施しており、少なくともこの時点で、Qobuzの再生音には何の不満もない。むしろここでは、N20のネットワークトランスポートとしての実力に純粋に感心してしまった。
続いて、ハブとN20の間にOPT BRIDGE 1000Mを接続し、光アイソレートを行った状態で聴く。この状態でQobuzの音源を再生すると、とにかく背景の静寂感に歴然とした差が感じられ、それに伴うコントラストの向上により、音楽全体が溌剌とする。音の輪郭描写もノイズ感が拭い去られることでさらなるディテールが浮かび上がり、真の意味で解像度が高まる印象だ。
製品情報によれば、N20のLANポートはそれ自体入念なノイズ対策が施されているとのこと。そのうえでなお、これほどの音質向上があったのだと考えれば、OPT BRIDGE 1000Mによる光アイソレートの威力おそるべしと言ったところだ。
OPT BRIDGE 1000Mはネットワークの専門集団としての知見がオーディオ製品としての完成度に見事に結実した、まさにテレガートナーだからこそ作り得た光アイソレーターである。Qobuzのサービス開始もあり、ますます本格化するネットワークオーディオの世界で究極を目指そうと思った時、このうえなく頼もしい存在となるだろう。
(提供:日本テレガートナー)
本記事は『季刊・Audio Accessory vol.195』からの転載です
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