公開日 2023/11/07 06:40
快適さと音質、耐久性。ユーザーニーズを捉えた最新イヤホン
Jabra「Elite 10」「Elite 8 Active」はどう違う?“2つの最上位”イヤホンの魅力を担当者に聞いた【動画で簡単紹介】
編集部:川田菜月
Jabraからこの秋、完全ワイヤレスイヤホン「Elite 10」「Elite 8 Active」が発売された。いずれもJabraの有するテクノロジーとノウハウを組み合わせ、現在の消費者ニーズを満たすべく開発された最新モデルだ。
Jabraでは2021年に完全ワイヤレスイヤホン “Elite” シリーズを刷新し、Elite 7 Proをはじめとする新たな製品ラインナップを展開。それ以来、これまでにエントリー - ミドルクラスのラインナップを強化してきた。最新モデルのElite 10、Elite 8 Activeは、どちらもがシリーズのフラグシップに位置付けられ、ともに他にはないハイレベルな特徴を持っている。
満を持しての登場とも言える二つの最上位イヤホンには、どんな魅力が詰まっているのか。今回、GNオーディオの製品部門トップであるMorten Urup氏(Vice President, Professionals & Consumer Product Management Global Product & Portfolio Management)に、詳しく話を伺うことができた。
Elite 10とElite 8 Activeの構想はおよそ約1年から1年半前に始まった。当初からフラグシップクラスの完全ワイヤレスイヤホンを作ろうと考えていたそうで、「どんな新技術を持ち、どんなアドバンテージを持った製品にするかを考えました。そして最も重要視したのは、エンドユーザーがどう感じるかということ。そこから製品のコンセプトを決めていきました」とMorten Urup氏は語る。
また、当初より最上位クラスの製品として2機種を展開することも決めていたという。Elite 10では快適性と音質を、Elite 8 Activeは耐久性を追求しており、「同等レベルながらもそれぞれに特徴を持たせることで、意味のある製品分け」を実現。その上で基本性能もアップデートを図り、ともに最上位らしいハイレベルなモデルに仕上げたと力を込める。
Elite 10は約3年ぶりとなるJabra完全ワイヤレスイヤホンの最上位モデルとして「最も快適で、音にこだわったモデル」であり、最大の注目点はDolby Atmosによる空間サウンドへの対応だ。Dolby社との協業によって、Dolby Atmosコンテンツを最適に再現できるというのが魅力のひとつだ。
もともと空間サウンドに対応しようという動きは開発当初からあったとMorten Urup氏。そしてその実現のため、市場の中でベストを追求するためには、Dolby社とのパートナーシップが最適と考えたことで、Elite 10の特徴、さらにはJabraの新たな強みへとつながった。
空間サウンドへ対応しただけでなく、ベースとなる音質そのものにも磨きをかけている。彼らが “Jabraシグネチャーサウンド” と呼ぶ音質の方向性は、後述するElite 8 Activeにも共通するコンセプト。ディテールまで細やかに、繊細な再現力を持ち、バランスの取れた「クリーンなサウンド」が目指す先だという。
Elite 10では今回、10mm口径ダイナミック型ドライバーを採用する。詳細は明らかにされていないが、振動板素材やコーティングにこだわって新開発したもので、口径も10mmと比較的大きなサイズを起用することで、満足度も高く、「Jabraの目指すサウンドに最も近づけられている」とアピールする。
さらに、もう一つ注力したという快適性の特徴としては、従来モデル「Elite 85t」と同様にセミオープンデザインを採用した点が挙げられる。具体的には、耳に深く挿し込みすぎない装着感とし、ベンチレーション(空気穴)を設けてイヤホン内の空気を逃すことで、一般的な密閉型と異なり、イヤホンを着けた際の耳内の圧力を減らす構造だ。
一方、空気穴があることで、しっかり音量を獲得するにはドライバーサイズもある程度大きさが求められる。10mmというドライバーサイズは、このセミオープンデザインとの関係も考慮した結果だという。
耳に挿し込みすぎない装着感というと、「耳にちゃんとフィットするのか?」「落下しやすいのでは?」というフィット感に対して疑問がわくかもしれない。しかし、そこはさすがのJabra。補聴器事業も展開するGNオーディオグループ内の知見を活用し、約62,000件もの耳型データを元にした形状設計に、新開発のイヤージェルを組み合わせて、あらゆる耳にフィットしやすいモデルに仕上げている。
Morten Urup氏はElite 10専用イヤージェルについて、イヤホンを長時間使うことを前提に「どういうイヤージェルが快適か?」を追求したと説明。Jabraの目指す快適さの実現には、「密閉感をいかに取り除くか」「耳内に入り込みすぎないこと」という2つのポイントを満たす必要があると考えたのだという。
そうして生まれた専用イヤージェルは特徴的な形状になっているが、これにより、イヤホン自体の耳への設置面を外側に配置して、耳内に入り込みすぎず、密閉感を取り除くことを可能に。さらに新素材の採用によって、耳に合わせて形状が馴染むことで、フィット感も高められている。
もう一つ、Elite 10の特徴としてノズルの形状が挙げられる。通常イヤホンのノズルは円形(もしくは楕円形)になっていることがほとんどだが、Elite 10は三角形のデザインだ。なぜ円形ではなく、三角形になったのか? また、音楽信号の流れなどに影響はないのか? を問うと、Morten Urup氏は以下のように答えてくれた。
「今回ノズルとイヤージェルの形状が三角形になっています。この形状になった理由として、円形よりも面積が広くとれることが挙げられます。Elite 10は耳内に入りすぎないセミオープンデザインのため、ノズルの長さも短めに設計されています。音信号をしっかり通すには、面積が大きい、広いというのがポイント。ノズルが長ければ円形の方が干渉なく通りますが、短いノズルであることから、信号を出す部分の面積を広くとることで、より多くの音楽信号を一気に通すことができると考えたためです」
もう一つの最上位モデル、Elite 8 Activeは、その謳い文句にもあるように “世界で最もタフ” なイヤホンを目指して開発された、耐久性に優れた完全ワイヤレスイヤホンだ。
その耐久性の高さは、IP68の防水防塵(ケースはIP54)性能に加え、米MIL規格準拠のあらゆる項目における厳しい耐久試験をもクリア。さらに塩水での試験も行い、汗への耐久性も高められており、激しい運動やワークアウト時にも活躍する。
さらに、イヤホン全体をシリコンラバー素材で囲む「Jabraシェイクグリップテクノロジー」を採用。いわゆるイヤーフィンやウイングと呼ばれる、耳の凹凸に引っ掛けるようにして装着を高める部分を持たずに、優れた装着の安定性を可能にしている。
このElite 8 Activeの安定した装着性について、他より優れている点は? と聞くと、2つのポイントがあるとMorten Urup氏は答えてくれた。
1つは、Elite 10と比べるとより深く耳穴に入るデザインであること。もう1つは、その耳穴に深く入る仕様に、Jabraシェイクグリップテクノロジーの効果が組み合わさることで、しっかりしたグリップ力を発揮できることだという。
おかげで、ずれにくくフィット感は抜群だ。こうしたElite 8 Activeの高い耐久性と安定した装着感のメリットが活きるのは運動時だけではない。通勤・通学時間やプライベートに音楽を聴くだけでなく、オンライン会議や通話でのイヤホン利用も増えている今、口や顎を動かすことでイヤホンがずれることもしばしば。そうした際にもピタッとフィットしてくれるのは、快適な使い心地につながる。
密閉型モデルとしたのには、装着感の追求と、音質でのメリットもあると説明。Elite 8 Activeは、その名前にもあるように、アクティブなライフスタイルを送るユーザーのニーズを満たすアイテムとして開発されている。そのため、動いている時でも音を聴こえやすくするという目的もあるのだという。
音響設計の面では6mm口径ダイナミックドライバーを採用している。Elite 10よりもドライバー径は小さいながらも、密閉度が高く、かつ耳穴により近い距離で再生できることから、十分なサウンドを確保できるサイズを選定したのだそうだ。
実際のサウンドは、低音が効いた仕上がりになっていると感じたが、実は目指している音のクオリティについては、Elite 10と共通しているという。
前述したように、Jabraシグネチャーサウンドが彼らの目指す音の方向性であり、それはElite 8 Activeでも同様。その上で、「製品コンセプトや目的に合わせ、どういう音響構造で実現するか? ということを考えて開発している」のだと語る。もちろん、音楽の好みにあわせて、シグネチャーサウンドを基本としつつ、好みに合わせて専用アプリからEQ調整も行える。
さらに、Elite 8 Activeでは広がりある立体的な音楽再生を可能にする、Dolby Audioに対応した。ドルビー社の技術採用について、Elite 10と異なる仕様となったのにも、ここまで紹介しているとおり、「製品コンセプトや目的に合わせた製品開発」がポイント。「アクティブシーンでの利用も想定したElite 8 Activeにおいて、ベストな技術をチョイスした」とその意図を説明してくれた。
Jabraのイヤホンは、音質とフィット感に加え、高い機能性でも人気を博している。昨今の完全ワイヤレス市場では欠かせない、ノイズキャンセリング機能と通話性能について、新登場した2モデルの強みを伺った。
まずはノイズキャンセリング機能について。Morten Urup氏によると、2モデルともに、ハイブリッドアクティブノイズキャンセリングの搭載をベースにすることからスタートしたという。同機能はこれまでも採用例があるが、Elite 10とElite 8 Activeでは、マイクを2基使っていることと、パワフルなチップセットを採用したことが改良点となる。
また、ノイズキャンセリングの性能は、いかにイヤホンが耳にフィットしているか? も重要なポイント。これについては、Jabraが長年フィット感を追求してきたこと、その知見とノウハウを活用して最新モデルにおいても、非常に高いフィット感を実現できたことを挙げ、「他とは一線を画すJabraの特徴、メリットだと思っている」と力強くコメントした。
続いて通話性能においては、こちらもチップセットのアップデートが改良につながっているとのこと。そもそもの通話アルゴリズムの精度も向上しているが、新チップセットの採用により、さらなる改善を図ることができたと説明する。
各所で性能アップが見られる一方で、過去モデルで採用されてきたパーソナライズ機能は、今回省略されている。機能の省略は一見すると、ダウングレードにも感じられるが、ここにも新しい強力なチップセットの採用によって、自動調整の機能が強化されたことが大きいと語る。
結果として、これまでユーザーがアプリから設定、調整した部分が、オートメーション化され、ユーザーごとに最適な音・ノイズキャンセリングをしっかり実現できているのだという。
なお、パーソナライゼーションの機能開発は今も続いており、将来的にまた展開することも考えているとのこと。将来的にアップデートによる改善の可能性もあると語ってくれた。
Elite 10、Elite 8 Activeはいずれも、Jabraが市場でのイヤホンの使われ方やユーザーニーズをしっかり検討して、明確なコンセプトのもとで、それぞれの目的に応じて最高級の性能を追求したモデルである。次々と新しい製品が登場する完全ワイヤレス市場で、「快適」で「高品質」なイヤホンを探しているなら、ぜひ一度チェックしてみてほしい。
(協力:GNオーディオジャパン)
Jabraでは2021年に完全ワイヤレスイヤホン “Elite” シリーズを刷新し、Elite 7 Proをはじめとする新たな製品ラインナップを展開。それ以来、これまでにエントリー - ミドルクラスのラインナップを強化してきた。最新モデルのElite 10、Elite 8 Activeは、どちらもがシリーズのフラグシップに位置付けられ、ともに他にはないハイレベルな特徴を持っている。
満を持しての登場とも言える二つの最上位イヤホンには、どんな魅力が詰まっているのか。今回、GNオーディオの製品部門トップであるMorten Urup氏(Vice President, Professionals & Consumer Product Management Global Product & Portfolio Management)に、詳しく話を伺うことができた。
最上位完全ワイヤレスイヤホン「Elite 10」は、音質とフィット感を徹底追求
Elite 10とElite 8 Activeの構想はおよそ約1年から1年半前に始まった。当初からフラグシップクラスの完全ワイヤレスイヤホンを作ろうと考えていたそうで、「どんな新技術を持ち、どんなアドバンテージを持った製品にするかを考えました。そして最も重要視したのは、エンドユーザーがどう感じるかということ。そこから製品のコンセプトを決めていきました」とMorten Urup氏は語る。
また、当初より最上位クラスの製品として2機種を展開することも決めていたという。Elite 10では快適性と音質を、Elite 8 Activeは耐久性を追求しており、「同等レベルながらもそれぞれに特徴を持たせることで、意味のある製品分け」を実現。その上で基本性能もアップデートを図り、ともに最上位らしいハイレベルなモデルに仕上げたと力を込める。
Elite 10は約3年ぶりとなるJabra完全ワイヤレスイヤホンの最上位モデルとして「最も快適で、音にこだわったモデル」であり、最大の注目点はDolby Atmosによる空間サウンドへの対応だ。Dolby社との協業によって、Dolby Atmosコンテンツを最適に再現できるというのが魅力のひとつだ。
もともと空間サウンドに対応しようという動きは開発当初からあったとMorten Urup氏。そしてその実現のため、市場の中でベストを追求するためには、Dolby社とのパートナーシップが最適と考えたことで、Elite 10の特徴、さらにはJabraの新たな強みへとつながった。
空間サウンドへ対応しただけでなく、ベースとなる音質そのものにも磨きをかけている。彼らが “Jabraシグネチャーサウンド” と呼ぶ音質の方向性は、後述するElite 8 Activeにも共通するコンセプト。ディテールまで細やかに、繊細な再現力を持ち、バランスの取れた「クリーンなサウンド」が目指す先だという。
Elite 10では今回、10mm口径ダイナミック型ドライバーを採用する。詳細は明らかにされていないが、振動板素材やコーティングにこだわって新開発したもので、口径も10mmと比較的大きなサイズを起用することで、満足度も高く、「Jabraの目指すサウンドに最も近づけられている」とアピールする。
さらに、もう一つ注力したという快適性の特徴としては、従来モデル「Elite 85t」と同様にセミオープンデザインを採用した点が挙げられる。具体的には、耳に深く挿し込みすぎない装着感とし、ベンチレーション(空気穴)を設けてイヤホン内の空気を逃すことで、一般的な密閉型と異なり、イヤホンを着けた際の耳内の圧力を減らす構造だ。
一方、空気穴があることで、しっかり音量を獲得するにはドライバーサイズもある程度大きさが求められる。10mmというドライバーサイズは、このセミオープンデザインとの関係も考慮した結果だという。
耳に挿し込みすぎない装着感というと、「耳にちゃんとフィットするのか?」「落下しやすいのでは?」というフィット感に対して疑問がわくかもしれない。しかし、そこはさすがのJabra。補聴器事業も展開するGNオーディオグループ内の知見を活用し、約62,000件もの耳型データを元にした形状設計に、新開発のイヤージェルを組み合わせて、あらゆる耳にフィットしやすいモデルに仕上げている。
Morten Urup氏はElite 10専用イヤージェルについて、イヤホンを長時間使うことを前提に「どういうイヤージェルが快適か?」を追求したと説明。Jabraの目指す快適さの実現には、「密閉感をいかに取り除くか」「耳内に入り込みすぎないこと」という2つのポイントを満たす必要があると考えたのだという。
そうして生まれた専用イヤージェルは特徴的な形状になっているが、これにより、イヤホン自体の耳への設置面を外側に配置して、耳内に入り込みすぎず、密閉感を取り除くことを可能に。さらに新素材の採用によって、耳に合わせて形状が馴染むことで、フィット感も高められている。
もう一つ、Elite 10の特徴としてノズルの形状が挙げられる。通常イヤホンのノズルは円形(もしくは楕円形)になっていることがほとんどだが、Elite 10は三角形のデザインだ。なぜ円形ではなく、三角形になったのか? また、音楽信号の流れなどに影響はないのか? を問うと、Morten Urup氏は以下のように答えてくれた。
「今回ノズルとイヤージェルの形状が三角形になっています。この形状になった理由として、円形よりも面積が広くとれることが挙げられます。Elite 10は耳内に入りすぎないセミオープンデザインのため、ノズルの長さも短めに設計されています。音信号をしっかり通すには、面積が大きい、広いというのがポイント。ノズルが長ければ円形の方が干渉なく通りますが、短いノズルであることから、信号を出す部分の面積を広くとることで、より多くの音楽信号を一気に通すことができると考えたためです」
運動する派ならElite 8 Activeがおすすめ。タフなイヤホンは日常使いでも活躍
もう一つの最上位モデル、Elite 8 Activeは、その謳い文句にもあるように “世界で最もタフ” なイヤホンを目指して開発された、耐久性に優れた完全ワイヤレスイヤホンだ。
その耐久性の高さは、IP68の防水防塵(ケースはIP54)性能に加え、米MIL規格準拠のあらゆる項目における厳しい耐久試験をもクリア。さらに塩水での試験も行い、汗への耐久性も高められており、激しい運動やワークアウト時にも活躍する。
さらに、イヤホン全体をシリコンラバー素材で囲む「Jabraシェイクグリップテクノロジー」を採用。いわゆるイヤーフィンやウイングと呼ばれる、耳の凹凸に引っ掛けるようにして装着を高める部分を持たずに、優れた装着の安定性を可能にしている。
このElite 8 Activeの安定した装着性について、他より優れている点は? と聞くと、2つのポイントがあるとMorten Urup氏は答えてくれた。
1つは、Elite 10と比べるとより深く耳穴に入るデザインであること。もう1つは、その耳穴に深く入る仕様に、Jabraシェイクグリップテクノロジーの効果が組み合わさることで、しっかりしたグリップ力を発揮できることだという。
おかげで、ずれにくくフィット感は抜群だ。こうしたElite 8 Activeの高い耐久性と安定した装着感のメリットが活きるのは運動時だけではない。通勤・通学時間やプライベートに音楽を聴くだけでなく、オンライン会議や通話でのイヤホン利用も増えている今、口や顎を動かすことでイヤホンがずれることもしばしば。そうした際にもピタッとフィットしてくれるのは、快適な使い心地につながる。
密閉型モデルとしたのには、装着感の追求と、音質でのメリットもあると説明。Elite 8 Activeは、その名前にもあるように、アクティブなライフスタイルを送るユーザーのニーズを満たすアイテムとして開発されている。そのため、動いている時でも音を聴こえやすくするという目的もあるのだという。
音響設計の面では6mm口径ダイナミックドライバーを採用している。Elite 10よりもドライバー径は小さいながらも、密閉度が高く、かつ耳穴により近い距離で再生できることから、十分なサウンドを確保できるサイズを選定したのだそうだ。
実際のサウンドは、低音が効いた仕上がりになっていると感じたが、実は目指している音のクオリティについては、Elite 10と共通しているという。
前述したように、Jabraシグネチャーサウンドが彼らの目指す音の方向性であり、それはElite 8 Activeでも同様。その上で、「製品コンセプトや目的に合わせ、どういう音響構造で実現するか? ということを考えて開発している」のだと語る。もちろん、音楽の好みにあわせて、シグネチャーサウンドを基本としつつ、好みに合わせて専用アプリからEQ調整も行える。
さらに、Elite 8 Activeでは広がりある立体的な音楽再生を可能にする、Dolby Audioに対応した。ドルビー社の技術採用について、Elite 10と異なる仕様となったのにも、ここまで紹介しているとおり、「製品コンセプトや目的に合わせた製品開発」がポイント。「アクティブシーンでの利用も想定したElite 8 Activeにおいて、ベストな技術をチョイスした」とその意図を説明してくれた。
ノイズキャンセリング/通話も強化。自動調整で常に最適な状態をキープ
Jabraのイヤホンは、音質とフィット感に加え、高い機能性でも人気を博している。昨今の完全ワイヤレス市場では欠かせない、ノイズキャンセリング機能と通話性能について、新登場した2モデルの強みを伺った。
まずはノイズキャンセリング機能について。Morten Urup氏によると、2モデルともに、ハイブリッドアクティブノイズキャンセリングの搭載をベースにすることからスタートしたという。同機能はこれまでも採用例があるが、Elite 10とElite 8 Activeでは、マイクを2基使っていることと、パワフルなチップセットを採用したことが改良点となる。
また、ノイズキャンセリングの性能は、いかにイヤホンが耳にフィットしているか? も重要なポイント。これについては、Jabraが長年フィット感を追求してきたこと、その知見とノウハウを活用して最新モデルにおいても、非常に高いフィット感を実現できたことを挙げ、「他とは一線を画すJabraの特徴、メリットだと思っている」と力強くコメントした。
続いて通話性能においては、こちらもチップセットのアップデートが改良につながっているとのこと。そもそもの通話アルゴリズムの精度も向上しているが、新チップセットの採用により、さらなる改善を図ることができたと説明する。
各所で性能アップが見られる一方で、過去モデルで採用されてきたパーソナライズ機能は、今回省略されている。機能の省略は一見すると、ダウングレードにも感じられるが、ここにも新しい強力なチップセットの採用によって、自動調整の機能が強化されたことが大きいと語る。
結果として、これまでユーザーがアプリから設定、調整した部分が、オートメーション化され、ユーザーごとに最適な音・ノイズキャンセリングをしっかり実現できているのだという。
なお、パーソナライゼーションの機能開発は今も続いており、将来的にまた展開することも考えているとのこと。将来的にアップデートによる改善の可能性もあると語ってくれた。
Elite 10、Elite 8 Activeはいずれも、Jabraが市場でのイヤホンの使われ方やユーザーニーズをしっかり検討して、明確なコンセプトのもとで、それぞれの目的に応じて最高級の性能を追求したモデルである。次々と新しい製品が登場する完全ワイヤレス市場で、「快適」で「高品質」なイヤホンを探しているなら、ぜひ一度チェックしてみてほしい。
(協力:GNオーディオジャパン)
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