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公開日 2023/12/29 06:30
評論家は「曲のどんなポイント」を聴いている?

YOASOBI、ヒゲダン、上原ひろみ……オーディオ評論家が試聴に使った2023年の曲はこれだ!【Part.1】

山本敦/高橋敦/草野晃輔

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※本記事にはアフィリエイト広告が含まれます

2023年もあとわずか。近年は、ジャズやクラシックの名盤をレファレンスソフトとして使用するだけでなく、J-POPやロック、アニソン、EDMなど“今の楽曲”で試聴レビューを行うケースも増えてきています。

そこで本稿では、ファイルウェブにて活躍中のオーディオ評論家の方々に、この2023年にリリースされた楽曲の中から「オーディオ機器のレビューで使ったリファレンス曲」をピックアップしていただきました。

楽曲の聴きどころや、楽曲のどの部分でオーディオ機器の各性能を測れるかなど、オーディオ評論家だからこそ語れるリファレンスポイントの解説、また個人的な思い入れについてのコメントもいただきました。

そして読者の方も試聴しやすいよう、Apple Musicにて皆さんがピックアップした楽曲をまとめたプレイリストをご用意。(一部未配信の曲を除く)。店頭でイヤホンの試聴をする際や、お持ちのオーディオ機器の性能チェックとして聴くときの参考として、ぜひご活用ください!

編注:ご執筆いただいた先生方は製品評価の際、今回ご紹介する楽曲以外にも往年の名盤、評価の高い高音質盤など幅広く使われており、ご紹介する楽曲のみで試聴を行っているわけではない旨ご承知いただけますと幸いです。

選考基準
・2022年12月頃-2023年11月頃にかけてリリースされた、またはタイアップに使用されるなどで日の目を見た楽曲であること
※基準から外れているが取り上げたい曲がある場合、1曲までなら可
・選曲数は1人あたり最大3曲
・あくまで「オーディオ機器の試聴に用いた曲」であり、「オーディオ的に高音質か」は必ずしも重視しない
・CDやサブスク、ハイレゾなどの媒体形式は不問。ただし媒体形式もポイントとなる場合、その旨を記載する





山本敦先生が選ぶリファレンス曲
山本先生が執筆したレビュー記事はこちら


上原ひろみ 「Sonicwonderland」



上原ひろみさんが13作目のリーダーアルバムである本作『Sonicwonderland』をリリースするタイミングでインタビューさせていただきました。筆者にとって2023年の中でも特に思い出深い出来事のひとつです。

おすすめしたい楽曲はアルバムタイトル曲の『Sonicwonderland』です。ファンタジックな“音楽の世界”を旅する9曲・68分の冒険を象徴するような、色鮮やかでダイナミックな楽曲。上原ひろみさんが演奏するNord Lead(シンセサイザー)による“ファミコン風”のサウンドも聴きどころ。4人のワールドクラスのJAZZプレーヤーによる演奏は元の音が一切ブレたり歪んだりしていないので、もうリファレンスにするしかないでしょ。

YOASOBI 「祝福」



思い返せば筆者の2023年は『機動戦士ガンダム 水星の魔女』に首ったけな一年でした。チュチュ先輩が搭乗するHG 1/144 デミバーディングを正月休みにゆっくりと工作する時間が今からとても楽しみです。

主人公と仮面のヒールがどちらも女性という、新時代のガンダムのシーズン1はこの主題歌で幕を開けました。疾走感あふれるアップテンポなビートに切ないメロディを乗せた楽曲構成はYOASOBIの真骨頂。デビュー曲の「夜に駆ける」を彷彿とさせます。

低音成分も充実しているので、この曲を「ごちゃっとさせずに楽しませてくれるオーディオ」をチェックポイントとしています。水魔女は大間々昂氏が手がけたスコアをフルオケ収録したサントラも必聴。

ヒラリー・ハーン 「パガニーニ:24の奇想曲 第24番」



2023年は空間オーディオがブレイクしました。海外の著名アーティストは手がける音楽のジャンルを問わず、新譜や旧作を積極的に空間オーディオで発表しています。ビートルズの『Now And Then』も然りですね。今後は日本発のタイトルも増えると思います。

この曲はヒラリー・ハーンによるヴァイオリンの独奏曲ですが、だからこそ空間オーディオによる音場の広がりや音色のリアリティを耳で聴くのではなく、身体で感じながら評価するのに最適な楽曲です。

余談ですが来年は「Apple Music Classical」の日本上陸にも期待が高まります。音質もさることながら、クラシックのタイトルをすばやく見つけられるという独自の検索システムにも要注目です。(音源は、Apple Music & Amazon Music 空間オーディオを選択)

高橋敦先生が選ぶリファレンス曲

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