我が家が「スカパー!光」に変える理由
2008年 06月 26日 (木曜日)
若者が貯蓄に励んでいる、という報道に触れる機会が増えた。クルマも高価な服飾品も不要、節約すること自体に心地よさを感じるという20代が増えているのだという。税金はどんどん増えるし、その割には給料が上がらない。将来、年金をしっかりもらえるかも定かではない、ということになれば、自己防衛に走るのは当然で、この心理は理解できる。
節約志向の高まりは、もちろん30代以上も例外ではない。結婚したら家族を養わねばならないし、子供の教育費も積み立てておかなければならない。物価やガソリン代は上がる一方。結果、少ない小遣いで汲々としている方も多いことだろう。…と客観的に書いたが、悲しいことに、これは私自身が直面している状況でもある。ただでさえ毎月のやり繰りに苦労しているところに加え、来年春からは、息子の幼稚園代(月3万円以上!)をひねり出す必要が出てくる。もう、節約するしか残された道はないのだ。
だが、節約も、あまりガチガチにやりたくはない。楽しく工夫しながら節約しないことには心が荒んでしまい、もともと多い夫婦喧嘩がさらに頻発する事態にもなりかねない。
●地デジを見るためだけに月額4,000円以上の出費
家計の見直しで、当初からムダの最たるものとして槍玉に挙がったのはテレビの視聴料金だ。自宅を購入した際、テレビアンテナが設置されていなかったので、惰性で某ケーブルテレビ会社に加入したのだが、以来5年間、そのまま放置してしまっていた。映画はパッケージソフトで観ることがほとんどなので、契約はアナログタイプ。月額費用は4,000円程度だが、画質が悪い上にSTBの操作が面倒なので専門チャンネルを見る気になれず、もっぱら再送信された地デジばかりを視聴している。つまり、本来タダで観られるはずの地デジのためだけに、4,000円もの大金(?)を出費しているという馬鹿げた状況だ。まずはこのコストを抑えたい。
地デジ視聴が中心ならば、アンテナを立て、ランニングコストをゼロにするのが一番まっとうな方法だ。実は一度見積もりを取ったことがあり、地デジとBSアンテナの設置、および各部屋に分配する共聴工事を合わせ、だいたい10数万円という結果だったが、それでも月額費用が不要になることを考えたら、数年で投資を回収できる計算になる。ただし、困ったことに自宅周辺は電波状況が悪いらしく、「せっかくアンテナを立てたのに地デジが映らなかった」と最近、近所の奥さんから聞いた。結局この家庭は、我が家と同じようにケーブルテレビの再送信を利用して地デジを視聴しているらしい。
●光ファイバーを使った地デジ再送信サービス
自宅は埼玉県にあるのだが、歩いて10分程度で練馬区という場所なので、それほど田舎というわけではない。それでこの状態なのだから、地デジの難視聴地域は想像以上に多いはず。2011年の地デジ完全移行が本当に可能なのか不安になってくるが、そんな状況を重く見たのか、光ファイバーを使った地上デジタルの再送信が、最近になって解禁された。光ファイバーを家庭に引き込み、事業者からIPベースで再送信した地デジを視聴できるというものだ。
このサービスの先鞭を付けたのがひかりTVで、5月9日から都内でサービスを開始(関連ニュース)し、同月23日には大阪にもエリアを拡大した(関連ニュース)。基本放送と地デジのみ視聴可能な「基本放送プラン」の料金は、月額1,050円+チューナーレンタル代525円=1,575円。なんと、これだけでも3,000円近いコストダウンが可能になるではないか!
だが、調べてみると、ひかりTVの導入には注意すべき点が多いことがわかった。まず、回線がフレッツ光ネクストに限られる。また、専用チューナーまではLANケーブルで接続し、そこからテレビに出力するという仕様のため、複数の部屋で視聴するためには「世帯契約」を結ばなければならない。2契約目には1,000円の割引が適用されるものの、3契約目からは割引されないので、たとえば4部屋で使用する際には、1,050円×4契約-1,000円割引=3,200円が必要となる。これにチューナーレンタル料金が加算され、525円×4台=2,100円。しめて5,300円となり、現状のケーブルテレビよりも割高になる。
また、前述のように、チューナーまではLANケーブルで接続を行うため、テレビのある部屋にLAN端子が設置されている必要があるなど、ハード面のハードルもかなり高い。率直に言ってひかりTVは、1台のテレビでVODをじっくり楽しむ用途には良いが、複数台のテレビがある一般家庭で、地デジ再送信のためだけに導入する意味はほとんど無いと言える。
●623円で地上/BSデジタルの受信が可能な「スカパー!光ライトコース」
やはりケーブルテレビの契約を続けるしかないか…と、諦めかけていたときに目にとまったのが、NTT東日本が6月23日に発表したニュースリリース。地上デジタル/アナログ、BSデジタル/アナログ、FMラジオの再送信を、1世帯あたり月額682.5円で利用できる「スカパー!光ライトコース」が7月1日に新設されるのだ(コース別のサービス内容と料金はこちら)。複数のテレビで視聴する場合も、最初にホーム共聴工事(15,750円)を行っておけば、これまで通り各部屋のアンテナ端子からテレビに接続するだけで視聴できる。
スカパー!光に加入するためには、新たにBフレッツかフレッツ光ネクストに加入する必要があるが、その分、現在加入しているYahoo! BB(ADSL)とBBフォン、そしてADSL利用のためのNTTの電話回線基本使用料が不要になる。BBフォンは「ひかり電話」の基本コース(月額525円)で代用すれば良い。また、Bフレッツとひかり電話をセットで申し込めば、Bフレッツのルーターレンタル代がタダになると言うこともわかった。
Bフレッツのプロバイダーをどこにするかも決めなければならない。現在、Bフレッツとプロバイダーの契約をセットにしたサービスパックが用意されており、11社のプロバイダーから選択できる。色々と調べてみたら、BB.exciteの場合、月額利用料金が5,985円と非常に安く、さらにウェブから申し込めば、当初12ヶ月間は3,990円で利用できる。今のところこれが最有力候補だ。
Bフレッツを導入することで、当然のことながらネット接続スピードも格段に速くなる。重いファイルを落とすときなど、ADSLのスピードにはそろそろ限界を感じていたので、スピードアップできるなら一石二鳥だ。また、これまでBSデジタルは視聴できなかったが、スカパー!光の導入で受信が可能になれば、テレビライフも少しは豊かになるだろう。
まさに良いことずくめのように感じる「Bフレッツ+ひかり電話+スカパー!光」の複合サービスだが、実際の月額料金は、現状と比べてどう変わるのだろう。計算してみた結果は以下の通りだ。なお、現状支払っている料金については、月によって多少の変動があるため、誤差があることをご了承いただきたい。
なんと、1年目は毎月5,000円以上、2年目以降も毎月3,000円以上のコストダウンが実現できる計算になる。前述したスカパー!光のホーム共聴工事費やサービス加入料などが初期費用として必要になるが、全部足しても2万円程度なので半年以内で回収できる。料金が下がってサービス内容が充実するのだから、全く言うことはない。
唯一の問題は、提供エリアがまだ狭いことだが、幸いなことに、サポートに電話したところ、自宅は7月1日からサービスをはじめるエリアに入っていた。これを天の啓示と受け止め、早急に申込を行う予定だ。導入した結果を、また機会があればレポートしたいと思う。
(風間)
節約志向の高まりは、もちろん30代以上も例外ではない。結婚したら家族を養わねばならないし、子供の教育費も積み立てておかなければならない。物価やガソリン代は上がる一方。結果、少ない小遣いで汲々としている方も多いことだろう。…と客観的に書いたが、悲しいことに、これは私自身が直面している状況でもある。ただでさえ毎月のやり繰りに苦労しているところに加え、来年春からは、息子の幼稚園代(月3万円以上!)をひねり出す必要が出てくる。もう、節約するしか残された道はないのだ。
だが、節約も、あまりガチガチにやりたくはない。楽しく工夫しながら節約しないことには心が荒んでしまい、もともと多い夫婦喧嘩がさらに頻発する事態にもなりかねない。
●地デジを見るためだけに月額4,000円以上の出費
家計の見直しで、当初からムダの最たるものとして槍玉に挙がったのはテレビの視聴料金だ。自宅を購入した際、テレビアンテナが設置されていなかったので、惰性で某ケーブルテレビ会社に加入したのだが、以来5年間、そのまま放置してしまっていた。映画はパッケージソフトで観ることがほとんどなので、契約はアナログタイプ。月額費用は4,000円程度だが、画質が悪い上にSTBの操作が面倒なので専門チャンネルを見る気になれず、もっぱら再送信された地デジばかりを視聴している。つまり、本来タダで観られるはずの地デジのためだけに、4,000円もの大金(?)を出費しているという馬鹿げた状況だ。まずはこのコストを抑えたい。
地デジ視聴が中心ならば、アンテナを立て、ランニングコストをゼロにするのが一番まっとうな方法だ。実は一度見積もりを取ったことがあり、地デジとBSアンテナの設置、および各部屋に分配する共聴工事を合わせ、だいたい10数万円という結果だったが、それでも月額費用が不要になることを考えたら、数年で投資を回収できる計算になる。ただし、困ったことに自宅周辺は電波状況が悪いらしく、「せっかくアンテナを立てたのに地デジが映らなかった」と最近、近所の奥さんから聞いた。結局この家庭は、我が家と同じようにケーブルテレビの再送信を利用して地デジを視聴しているらしい。
●光ファイバーを使った地デジ再送信サービス
自宅は埼玉県にあるのだが、歩いて10分程度で練馬区という場所なので、それほど田舎というわけではない。それでこの状態なのだから、地デジの難視聴地域は想像以上に多いはず。2011年の地デジ完全移行が本当に可能なのか不安になってくるが、そんな状況を重く見たのか、光ファイバーを使った地上デジタルの再送信が、最近になって解禁された。光ファイバーを家庭に引き込み、事業者からIPベースで再送信した地デジを視聴できるというものだ。
このサービスの先鞭を付けたのがひかりTVで、5月9日から都内でサービスを開始(関連ニュース)し、同月23日には大阪にもエリアを拡大した(関連ニュース)。基本放送と地デジのみ視聴可能な「基本放送プラン」の料金は、月額1,050円+チューナーレンタル代525円=1,575円。なんと、これだけでも3,000円近いコストダウンが可能になるではないか!
だが、調べてみると、ひかりTVの導入には注意すべき点が多いことがわかった。まず、回線がフレッツ光ネクストに限られる。また、専用チューナーまではLANケーブルで接続し、そこからテレビに出力するという仕様のため、複数の部屋で視聴するためには「世帯契約」を結ばなければならない。2契約目には1,000円の割引が適用されるものの、3契約目からは割引されないので、たとえば4部屋で使用する際には、1,050円×4契約-1,000円割引=3,200円が必要となる。これにチューナーレンタル料金が加算され、525円×4台=2,100円。しめて5,300円となり、現状のケーブルテレビよりも割高になる。
また、前述のように、チューナーまではLANケーブルで接続を行うため、テレビのある部屋にLAN端子が設置されている必要があるなど、ハード面のハードルもかなり高い。率直に言ってひかりTVは、1台のテレビでVODをじっくり楽しむ用途には良いが、複数台のテレビがある一般家庭で、地デジ再送信のためだけに導入する意味はほとんど無いと言える。
●623円で地上/BSデジタルの受信が可能な「スカパー!光ライトコース」
やはりケーブルテレビの契約を続けるしかないか…と、諦めかけていたときに目にとまったのが、NTT東日本が6月23日に発表したニュースリリース。地上デジタル/アナログ、BSデジタル/アナログ、FMラジオの再送信を、1世帯あたり月額682.5円で利用できる「スカパー!光ライトコース」が7月1日に新設されるのだ(コース別のサービス内容と料金はこちら)。複数のテレビで視聴する場合も、最初にホーム共聴工事(15,750円)を行っておけば、これまで通り各部屋のアンテナ端子からテレビに接続するだけで視聴できる。
スカパー!光に加入するためには、新たにBフレッツかフレッツ光ネクストに加入する必要があるが、その分、現在加入しているYahoo! BB(ADSL)とBBフォン、そしてADSL利用のためのNTTの電話回線基本使用料が不要になる。BBフォンは「ひかり電話」の基本コース(月額525円)で代用すれば良い。また、Bフレッツとひかり電話をセットで申し込めば、Bフレッツのルーターレンタル代がタダになると言うこともわかった。
Bフレッツのプロバイダーをどこにするかも決めなければならない。現在、Bフレッツとプロバイダーの契約をセットにしたサービスパックが用意されており、11社のプロバイダーから選択できる。色々と調べてみたら、BB.exciteの場合、月額利用料金が5,985円と非常に安く、さらにウェブから申し込めば、当初12ヶ月間は3,990円で利用できる。今のところこれが最有力候補だ。
Bフレッツを導入することで、当然のことながらネット接続スピードも格段に速くなる。重いファイルを落とすときなど、ADSLのスピードにはそろそろ限界を感じていたので、スピードアップできるなら一石二鳥だ。また、これまでBSデジタルは視聴できなかったが、スカパー!光の導入で受信が可能になれば、テレビライフも少しは豊かになるだろう。
まさに良いことずくめのように感じる「Bフレッツ+ひかり電話+スカパー!光」の複合サービスだが、実際の月額料金は、現状と比べてどう変わるのだろう。計算してみた結果は以下の通りだ。なお、現状支払っている料金については、月によって多少の変動があるため、誤差があることをご了承いただきたい。
現状のサービス | 検討中のサービス | |
NTT月額基本使用料 | 約1,800円 | - |
Yahoo! BB | 約4,200円 | - |
ケーブルテレビ | 約4,500円 | - |
Bフレッツ+プロバイダー | - | 5,985円(1年目は3,990円) |
スカパー!光 ライトコース | - | 683円 |
ひかり電話 | - | 525円 |
合計 | 約10,500円 | 7193円(1年目は5,198円) |
なんと、1年目は毎月5,000円以上、2年目以降も毎月3,000円以上のコストダウンが実現できる計算になる。前述したスカパー!光のホーム共聴工事費やサービス加入料などが初期費用として必要になるが、全部足しても2万円程度なので半年以内で回収できる。料金が下がってサービス内容が充実するのだから、全く言うことはない。
唯一の問題は、提供エリアがまだ狭いことだが、幸いなことに、サポートに電話したところ、自宅は7月1日からサービスをはじめるエリアに入っていた。これを天の啓示と受け止め、早急に申込を行う予定だ。導入した結果を、また機会があればレポートしたいと思う。
(風間)
バックナンバー
SmartNewsに「PHILE WEB チャンネル」がオープン!
新機能も追加!Phile-webがリニューアルしました
謹賀新年:今年もファイル・ウェブをよろしくお願いいたします
KEF製品展示も!ポール・ギルバート来日ライブ
今年のIFAは動画でもレポート! YouTubeチャンネルへご登録ください
2017-08-09
新機能も追加!Phile-webがリニューアルしました
2017-03-07
謹賀新年:今年もファイル・ウェブをよろしくお願いいたします
2017-01-01
KEF製品展示も!ポール・ギルバート来日ライブ
2016-09-27
今年のIFAは動画でもレポート! YouTubeチャンネルへご登録ください
2016-08-30