“テレビならでは”のネット機能の姿とは? 「AQUOS City」開発者に聞く今後の展望
■「AQUOS City」の今後の展開とは
このように充実したコンテンツや機能が揃う「AQUOS City」だが、今後もますます進化を続けていく予定という。
吉川:「AQUOS.jp」から「AQUOS City」へと進化した際は、アクセスが大幅に増加しましたね。今後の課題は、とにかくテレビをネットにつないでいただくこと。国内の、テレビのインターネット接続率はまだ高いとは言えません。ですが、ここにきてWi-Fi内蔵テレビが増えてきたことは、今後の接続率向上のカギを握っていると思います。例えばアメリカでは、Wi-Fi内蔵テレビと、オンラインDVDレンタルサービス「Netflix」の登場で、インターネット接続率が爆発的に増えたんです。利便性の向上ももちろんですが、魅力の高いコンテンツの存在はとても重要ですね。
たとえば現在大きな注目を浴びているVODサービスとして「Hulu」がある。シャープの北米向けモデルは既に視聴対応しているが、今後日本向けモデルでも対応は予定されているのだろうか。
吉川:日本でも機会があれば対応したいと考えています。そこにコンテンツがあれば、この大画面に表示したい、と考えてしまうのがTVメーカーのDNAです。
そのほかのAQUOS Cityの新サービスについては、まだ詳しいことは言えないのが残念なのですが、色々と進めています。例えば、視聴中の番組に登場している俳優さんの過去の出演情報を表示させる、というような「放送コンテンツとリンクした情報を提供する」ことも今後検討していきたいと考えています。UGC(user-generated content:ユーザー作成コンテンツ)についても、市場の動向をウォッチし、国内モデルでも検討していきたいと考えています。
■シャープが目指す「テレビ×ネット」の姿とは
ネット機能がますます充実する一方、吉川氏は、ただやみくもにできることを増やしているわけではない、と強調する。「テレビは子供からお年寄りまで幅広く使う、家庭の中心にある製品」というのが、その考えの根幹にある。
吉川:幅広い層のユーザーの方々に使っていただいているAQUOSでは、求められるネットワーク機能は、PCやスマートフォンなどとは異なります。家庭の中心にあるものであるテレビに、いろいろ詰め込んで難しくしすぎてしまうのは、我々としては良くないと考えています。あくまでテレビとして「使いやすい製品」「使いやすいサービス」を提供することで、マニア層から一般層まで、幅広い方に喜んでいただけるのではないかと思います。
最後に、吉川氏に、いま話題の「スマートTV」に対する考えを伺った。実はシャープは、AQUOS City搭載テレビも、あえて「スマートTV」とは謳っていないのだという。
吉川:「スマートTV」という名前を使うと、今までのテレビとは違うものだと思われ、身構えられてしまうのでは、という懸念がありました。例えば「見守りサービス」のように、「ネットワーク機能を使うぞ!」と意気込んで使うものではなく、「テレビを見ているつもりが自然とネットワーク機能を使っていた」という感じになると理想的ですね。
今後は、白物からAV機器まで幅広く取り扱っているシャープならではのノウハウと技術を生かしたネットワーク対応テレビを作れたらと考えています。
「ネットワーク対応」「スマート」が熱い注目を浴びている一方、言葉だけが先行している場合も散見され、また実際にできることや、それを利用することで実現する楽しみがなかなか具体的にイメージしづらいのも事実だ。
吉川氏の言葉どおり「テレビを見ているつもりが自然とネットワーク機能を使っていた」というスタイルが実現すれば、多くのユーザーが、テレビを通してより広いエンターテイメントを享受できるようになるはずだ。「AQUOS City」の今後から、目が離せない。
このように充実したコンテンツや機能が揃う「AQUOS City」だが、今後もますます進化を続けていく予定という。
吉川:「AQUOS.jp」から「AQUOS City」へと進化した際は、アクセスが大幅に増加しましたね。今後の課題は、とにかくテレビをネットにつないでいただくこと。国内の、テレビのインターネット接続率はまだ高いとは言えません。ですが、ここにきてWi-Fi内蔵テレビが増えてきたことは、今後の接続率向上のカギを握っていると思います。例えばアメリカでは、Wi-Fi内蔵テレビと、オンラインDVDレンタルサービス「Netflix」の登場で、インターネット接続率が爆発的に増えたんです。利便性の向上ももちろんですが、魅力の高いコンテンツの存在はとても重要ですね。
たとえば現在大きな注目を浴びているVODサービスとして「Hulu」がある。シャープの北米向けモデルは既に視聴対応しているが、今後日本向けモデルでも対応は予定されているのだろうか。
吉川:日本でも機会があれば対応したいと考えています。そこにコンテンツがあれば、この大画面に表示したい、と考えてしまうのがTVメーカーのDNAです。
そのほかのAQUOS Cityの新サービスについては、まだ詳しいことは言えないのが残念なのですが、色々と進めています。例えば、視聴中の番組に登場している俳優さんの過去の出演情報を表示させる、というような「放送コンテンツとリンクした情報を提供する」ことも今後検討していきたいと考えています。UGC(user-generated content:ユーザー作成コンテンツ)についても、市場の動向をウォッチし、国内モデルでも検討していきたいと考えています。
■シャープが目指す「テレビ×ネット」の姿とは
ネット機能がますます充実する一方、吉川氏は、ただやみくもにできることを増やしているわけではない、と強調する。「テレビは子供からお年寄りまで幅広く使う、家庭の中心にある製品」というのが、その考えの根幹にある。
吉川:幅広い層のユーザーの方々に使っていただいているAQUOSでは、求められるネットワーク機能は、PCやスマートフォンなどとは異なります。家庭の中心にあるものであるテレビに、いろいろ詰め込んで難しくしすぎてしまうのは、我々としては良くないと考えています。あくまでテレビとして「使いやすい製品」「使いやすいサービス」を提供することで、マニア層から一般層まで、幅広い方に喜んでいただけるのではないかと思います。
最後に、吉川氏に、いま話題の「スマートTV」に対する考えを伺った。実はシャープは、AQUOS City搭載テレビも、あえて「スマートTV」とは謳っていないのだという。
吉川:「スマートTV」という名前を使うと、今までのテレビとは違うものだと思われ、身構えられてしまうのでは、という懸念がありました。例えば「見守りサービス」のように、「ネットワーク機能を使うぞ!」と意気込んで使うものではなく、「テレビを見ているつもりが自然とネットワーク機能を使っていた」という感じになると理想的ですね。
今後は、白物からAV機器まで幅広く取り扱っているシャープならではのノウハウと技術を生かしたネットワーク対応テレビを作れたらと考えています。
「ネットワーク対応」「スマート」が熱い注目を浴びている一方、言葉だけが先行している場合も散見され、また実際にできることや、それを利用することで実現する楽しみがなかなか具体的にイメージしづらいのも事実だ。
吉川氏の言葉どおり「テレビを見ているつもりが自然とネットワーク機能を使っていた」というスタイルが実現すれば、多くのユーザーが、テレビを通してより広いエンターテイメントを享受できるようになるはずだ。「AQUOS City」の今後から、目が離せない。