独立法人化した「タレス」でサポートも万全に
「オーディオ市場に大きな刺激を」 − ゴールドムンドジャパン山崎社長 最速インタビュー
独立法人化した「タレス」でサポートも万全に
−− 従来から大きく変わるのはサポート体制ですね。
山崎 販売はゴールドムンドジャパンで行いますが、製品サポートや品質管理のチェックなどはタレスで行います。タレスの存在がなかったらゴールドムンドはやらなかったでしょう。今回はタレスも独立法人としたことで、ゴールドムンドのサポートも非常にやりやすくなります。ステラヴォックスさんからもご協力をいただいて、情報のやりとりやサービスの方との連携も行ない、しっかりやっていきます。
新製品については当然静的にも動的にも、まずテストするところから手がけます。すべてが新しいチャレンジですから、万全の体勢で臨み、エージングもこちらでやろうと思っています。高い商品ですから、安心してお任せいただく体制をつくります。
これまでの製品についてもすべて対応しますが、部品がなくなってしまっているものもあり、そこはご相談の上でカバーさせていただきます。タレスでは30〜40年前のアンプの修理を依頼されることもありますが、丸棒から切り出して部品をつくる場合もあり、かなりのことはできますので。
−− 代理店にとってサポートは販売に付随した業務という位置づけで、サポートする商品は自社で販売したものに限り、同じブランドであっても並行輸入品については、対象外とされているケースもあります。しかしタレスがある限り、すべての商品を取り扱うことができます。オーディオのような趣味の世界を支えるためにも、タレスの存在は非常に大きいですね。
山崎 オーディオの世界でこういうサポートがないと、大変なことになりますね。特にハイエンドは基板を交換すればいいというものもありません、部品を1つ1つチェックしながらやっていくものが必要で、マニュアルを見るだけでは、十分ではありません。そういうところは人の技量が問われますし、途絶えてはなりませんから、タレスには若い世代の人員も今年補充するつもりです。
アキュフェーズさんやラックスマンさんのサポート体制はすばらしく、タレスの発足ではずいぶん勉強させていただきました。僕としてはさらに一歩踏み出して他のブランドも対応できるようにしましたが、これが地に着いた形でいよいよ独立させることにしました。
−− 今後、ゴールドムンド以外の他の海外ブランドを扱う可能性はありますか。
山崎 それは今考えていません。やはり売るからには徹したいです。商社業は自分で納得できないとなかなかできませんし、相手にも失礼になりますから。
オーディオ市場に大きな刺激を
−− 今の国内ピュアオーディオマーケットをどうご覧になりますか。
山崎 今はモノが一杯あって、お客様もほとんどすでに持っている状況。その中で、いかにターニングポイントをつかむかです。
フジヤエービックさんのヘッドホン祭は今大変な勢いがありますが、オーディオでありながら、ポイントの持って行き方が今の時代やライフスタイルに合っているからだと思います。我々としては、そことホームオーディオとの接点をどうつくるかを考えていかなくてはならないところですね。
ヘッドホンやPCオーディオは色々な販売店様で手がけておられますが、まだお客様の方向性とうまく噛み合っていないように思います。現時点ではまだPCオーディオも、スペックに走っていて、どうしたらいいかはこれから課題になりますね。
−− DAPから入ってきた人達の間で、音楽を楽しむために使う道具は、スピーカーよりもヘッドホンがメインになっています。そのライフスタイルと親和性のある提案を我々がどうできるかということです。
山崎 ブランドに対して欲する気持ちをどう盛り上げるかですね。若い人が多いですから、広がる可能性はあると思いますが。ただ、あちこちで試聴会をやらせていただくときに聞くと、PCオーディオをやっているという方は1割もいないようです。皆さん本は読まれているようですが、イメージがうまくつかめないのではないでしょうか。そこを我々が上手くやらないといけないのですが。
トライオードにしろ、タレスにしろ、まだまだやりたいことは沢山あります。市場拡大のためにも、精一杯頑張って参りたいと思います。