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今後の商品展開は?クラウドとの関係は?

サンディスク スーザン・パーク氏に聞く、4K対応メモリーカードの今後の展開

公開日 2013/11/13 10:17 ファイル・ウェブ編集部
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4K、そして来るべき8K時代をもにらみ、4K対応を謳う新CFカードを発表し、新コンセプトのCFast 2.0カードも参考出品したサンディスク(関連ニュース)。いくつかの規格が存在するメモリーカードにおいて、なぜCFカードから4K対応を始めたのか。そしてSDカード等への展開予定はあるのか。新製品開発の狙いや今後の商品戦略について、サンディスクコーポレーション リテール製品マーケティングディレクターのスーザン・パーク氏に話を訊いた。

スーザン・パーク氏

■大容量/高速の4K対応CFカードを開発した狙い

ーー まず最初に、改めて新製品の特徴を教えていただけますか。

スーザン:CFカード「サンディスク エクストリームプロ コンパクトフラッシュカード」の特徴のひとつが大容量であることです。4KコンテンツにCFカードに記録していこうとすると、かなりの容量が必要になります。キヤノン「EOS 1DC」では1分の4Kコンテンツで4GBの容量、記録速度では500Mbps(62.5MB/秒)が必要となります。

また、もうひとつの重要な要素が、VPG(Video Performance Guarantee、最低持続書き込み速度)65対応であることです。これもキヤノン「EOS 1DC」を例に取ると、4K記録を行う際には、VPGが毎秒あたり60MBというレベルを維持しなければなりません。つまり、今回の256GBのCFカードは、まさに4K動画を記録したいというユーザーのために作られたものなのです。

今回発表されたエクストリームプロ コンパクトフラッシュカード

ーー その新製品とともに参考出品したCFast 2.0カードについてはいかがですか。

スーザン:圧縮せずに高画質な4Kを記録しようとすると、さらに容量やスピードが必要になります。プロフェッショナルなコンテンツなどではその傾向が顕著です。ですので、その延長線上にCFastを発表しました。

CFカードの転送速度上限は167MB/秒までですが、プロ向けの4Kビデオを記録しようとするとこの速度では足りません。一方、CFast 2.0の転送速度の上限は600MB/秒です。非常に高速ですので、4K、将来的には8Kといった高度なビデオレートの記録に対応できます。

CFast 2.0カード

ーー メモリーカードには様々な種類がありますが、まずCFカードから4K対応を始めた理由を教えてください。

スーザン:たしかに我々はCFカードのほかにもSDカードなど様々なメモリーカードを手がけています。しかし、SDカードはコンシューマー製品に多く使われているのに対し、CFカードはプロ向けの製品に多く使われています。現在、4K対応のカメラなどはCF対応のものが多いこともあり、高速、大容量というニーズを満たしていこうとすると、やはりまずはCFカードから始めるべきだろうという判断です。

ーー CFast 2.0は参考出品というかたちで紹介されましたが、いつごろ発売され、価格はいくらくらいになるのでしょうか。

スーザン:ARRI社のカメラがすでにCfastへ対応しており、そのほかの大手メーカーともすでに協業がスタートしていますので、近い将来には対応機器が登場してくるでしょう。いまこの場で詳しいお話はまだできませんが、しかるべきタイミングで詳しいスケジュールをお知らせしたいと思っています。

ARRI社のカメラがすでにCfastへ対応

ーー 他社と比べた際に、サンディスクという企業や製品と他社との違いや優位性はどこにあるとお考えですか。

スーザン:商品の信頼性はベストだと思っていますし、互換性も数多くのデバイスとテストしています。我々の特徴としては、信頼性、互換性、適応性があげられると思います。

また、独自にメモリーも製造していますので、デバイスとメモリーがしっかり一体化して最高の信頼性を生み出していると言えるでしょう。

最高の信頼性を長年提供しているため、顧客からも良い反応をいただいていますし、結果としてユーザーのなかでナンバーワンブランドとして認知されているのだと思います。

■今後の製品戦略は? クラウドとの関係はどうなる?

ーー ここからは今後の製品戦略について教えてください。今回の新製品の実売価格が15万円前後となっていますが、転送速度や容量、価格について、今後どのように展開されていく見通しなのでしょうか。

スーザン:まず、先ほども申し上げた通り、CFカードはスペックの上限に近づいてきています。容量あたりの価格という点では、CFとSDではユースケースが異なり、そのため転送速度や容量が違ってきて、転送速度も容量もCFのほうが上なので、そのぶん価格にも反映されます。もちろんそれだけでいいということでなく、CFカードでもエクストリームコンパクトフラッシュ、ウルトラコンパクトフラッシュといった低価格製品も訴求していきます。


ーー 今回の新製品とは話題が離れますが、SDアソシエーションから新しいスピードクラス「UHS Speed Class 3」(UHS U3)が発表されました。こちらへの対応の予定はいかがですか。

スーザン:スペック自体がつい最近固まったばかりで、どの製品にどのように実装していくのかを検討している段階ですね。願わくばすぐにでもとは思っていますが…。ただ、一般ユーザーがUHS U3についてどれくらい理解してくれているのかはまだ疑問が残ります。ちゃんと違いを分かってもらえるような啓蒙活動が必要なのではないかと感じています。

ーー 最近ではクラウドストレージの利用も一般的になってきています。クラウド化の流れと、メモリーカードなどローカルストレージとの関係性は今後どのようになっていくとお考えですか。


スーザン:メモリーカードというのはコンテンツキャプチャリング、つまりコンテンツをローカルで保持しておくという使われ方ですよね。コンテンツを保存しておくという役割、使い方は今後も変わらないと思います。

一方でクラウドも成長していますし今後も大きくなっていくでしょう。今まで通りメモリーカードが使われるという流れと、クラウドにコンテンツアップロードしてシェアするという2つがあると思います。この2つの流れは今後も続くのではないかと思います。

ーー 4Kや8Kが今後は当たり前の時代がくるでしょうし、ぜひ今後もいい製品を出し続けていただきたいと思います。本日はありがとうございました。

スーザン:我々もそうありたいと思っています。ありがとうございました。

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