「アイマスのハイレゾは勇気のある音作り」
【連続インタビュー(下)】「アイドルマスター」最初期からのマスタリングエンジニアが語るハイレゾの魅力
アイドルマスターコンテンツのハイレゾ配信がスタートしたことを受け、日本コロムビアに行った連続インタビュー。初回は柏谷智浩プロデューサーとスタジオ技術部の瀬戸大介技師に、「なぜ、いまハイレゾなのか」「ハイレゾではなにが変わったのか」を聞くことができた(前回のインタビューはこちら)。
その内容から、確固たる意志と技術に基いてハイレゾ音源が制作されているということが分かったわけだが、同時に「マスタリング」というキーワードが度々出てきたことに興味がわいた。ハイレゾ化においては全曲がリマスタリングされているというが、そこでの“アイマスハイレゾ化のルール”のようなものはあるのだろうか?
そこで今回、音源の仕上げとも言える工程であるマスタリングに携わる、マスタリングエンジニアの佐藤 洋氏にお話をうかがった。
佐藤氏は昨年の第23回日本プロ音楽録音賞「ハイレゾリューション部門 マルチchサラウンド」で最優秀賞を獲得したほか、過去にも何度も受賞歴があることで、オーディオファンにも広く知られている。まさに熟練のベテランエンジニアである佐藤氏は、アイドルマスターをどうハイレゾ化しているのだろうか?
▼アイドルマスターシリーズの最初の一枚から参加
−−本日はよろしくお願いします。さて、佐藤さんのお名前は幅広い作品でお見かけするのですが、メインで携わるジャンルというのはあるのでしょうか?
佐藤:やっぱり一番多いのはアニメですね。アニメに演歌、時々クラシック、たまにジャズ、みたいな割合でしょうか。とは言えジャンルが集中することもあれば、まったくないこともあるので、時期とタイミングによってですね。
−−では、アイドルマスターに携わるようになったのはいつから?
佐藤:全ては『魔法をかけて!』(2005年9月28日リリース)から始まりましたね。765プロのアニメーション作品の楽曲は外のスタジオになりましたが、劇場版の頃からまた僕が受けさせていただけることになりました。シンデレラも初めから僕が担当させていただけることになって。『Never say never』(2012年4月18日リリース)から、アニメも含めて全てやらせてもらっています。
−−ということは『アイドルマスター』と『アイドルマスター シンデレラガールズ』の最初の一枚から参加されているわけですね。そのきっかけというのは?
佐藤:当時のプロデューサーとは、『円盤皇女ワるきゅーレ』などで色々と一緒に仕事をしていたので、やり取りがスムーズだったり、どういう仕上がりになるのか想像がついたりと、チームとして気心が知れた関係でした。そんななかで「今度アイドルマスターっていう作品をやるんだよ」と声を掛けていただけて。
−−その頃の作業で印象に残っていることはありますか?
佐藤:「アニメじゃなくてゲームの音楽だから、しっかり気を引き締めないと大変なことになるよ」と脅かされながら始まりました(笑)。あと皆さん立ち会いに来られるので、当時はナムコさんのサウンドチーム全員とお会いしましたね。特にアイドルマスターはタイトルによって作曲家が違うので、「次はあなたの番」みたいに入れ替わっては、順番に音を作っていました。厳しかったですよ、一瞬も気が抜けない、もう真剣勝負! みたいで。
その内容から、確固たる意志と技術に基いてハイレゾ音源が制作されているということが分かったわけだが、同時に「マスタリング」というキーワードが度々出てきたことに興味がわいた。ハイレゾ化においては全曲がリマスタリングされているというが、そこでの“アイマスハイレゾ化のルール”のようなものはあるのだろうか?
そこで今回、音源の仕上げとも言える工程であるマスタリングに携わる、マスタリングエンジニアの佐藤 洋氏にお話をうかがった。
佐藤氏は昨年の第23回日本プロ音楽録音賞「ハイレゾリューション部門 マルチchサラウンド」で最優秀賞を獲得したほか、過去にも何度も受賞歴があることで、オーディオファンにも広く知られている。まさに熟練のベテランエンジニアである佐藤氏は、アイドルマスターをどうハイレゾ化しているのだろうか?
▼アイドルマスターシリーズの最初の一枚から参加
−−本日はよろしくお願いします。さて、佐藤さんのお名前は幅広い作品でお見かけするのですが、メインで携わるジャンルというのはあるのでしょうか?
佐藤:やっぱり一番多いのはアニメですね。アニメに演歌、時々クラシック、たまにジャズ、みたいな割合でしょうか。とは言えジャンルが集中することもあれば、まったくないこともあるので、時期とタイミングによってですね。
−−では、アイドルマスターに携わるようになったのはいつから?
佐藤:全ては『魔法をかけて!』(2005年9月28日リリース)から始まりましたね。765プロのアニメーション作品の楽曲は外のスタジオになりましたが、劇場版の頃からまた僕が受けさせていただけることになりました。シンデレラも初めから僕が担当させていただけることになって。『Never say never』(2012年4月18日リリース)から、アニメも含めて全てやらせてもらっています。
−−ということは『アイドルマスター』と『アイドルマスター シンデレラガールズ』の最初の一枚から参加されているわけですね。そのきっかけというのは?
佐藤:当時のプロデューサーとは、『円盤皇女ワるきゅーレ』などで色々と一緒に仕事をしていたので、やり取りがスムーズだったり、どういう仕上がりになるのか想像がついたりと、チームとして気心が知れた関係でした。そんななかで「今度アイドルマスターっていう作品をやるんだよ」と声を掛けていただけて。
−−その頃の作業で印象に残っていることはありますか?
佐藤:「アニメじゃなくてゲームの音楽だから、しっかり気を引き締めないと大変なことになるよ」と脅かされながら始まりました(笑)。あと皆さん立ち会いに来られるので、当時はナムコさんのサウンドチーム全員とお会いしましたね。特にアイドルマスターはタイトルによって作曲家が違うので、「次はあなたの番」みたいに入れ替わっては、順番に音を作っていました。厳しかったですよ、一瞬も気が抜けない、もう真剣勝負! みたいで。