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「アナログに迫るデジタル再生」

驚異の100万タップをいかに実現させたのか ー CHORD「Blu MKII」の詳細を開発陣が語る

公開日 2017/07/31 10:33 編集部:小澤貴信
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ドライブカバーを上げたBlu MkII

ーー タップ数がさらに巨大になったことに伴って、アップサンプリングに用いているアルゴリズムは、DAVEから変更されていますか。

ワッツ氏 アルゴリズム自体はDAVEと同様ですが、このアルゴリズムの処理を実行するための演算速度は大幅にアップしています。

なぜ今、CDのポテンシャルを見直すのか

ーー ドライブメカに関して特別に工夫されたことはありますか?

ワッツ氏 Blu MkIIが採用している「CD Pro 2」というドライブメカは、もともとはフィリップス製ですが、現在のフィリップスはご存知の通り製造を終了しています。しかし、フィリップスでオリジナルのCD2を手がけたチームに在籍していた人物が設立した会社が、CD2を現在も製造しています。これをBlu MkIIで採用したのです。なおCDメカのケース部分は従来とは異なりますが、ここはCHORDで製造しています。

Blu MkIIがCDの魅力を再発見するきっかけになるはずと語るフランクス氏

ーー ここ日本においては、CDを愛好するオーディオファイルは今でも非常に多いと思います。欧米のオーディオファイルは、CDをどう捉えていると感じていますか。

ジョン・フランクス氏 世界的にCDの売上が大きく減少しているのは確かなことです。とはいえ、オーディオファイルの手元には、今でも膨大な量のCDがあるのです。これは私見ですが、子供たちは親の世代のやっていたことには反感を持つものですが、祖父やそれ以上前の世代がやっていたことには憧れを感じます。いま、アナログレコードが再び人気を取り戻していますが、時間が経つことで、同じことがCDでも起こるような気がしています。限られた世界のことかもしれないですが、何よりBlu MkIIでCDを聴けば、CDの魅力に改めて気付かされることでしょう。

A/Dコンバーター「DAVINA」という新たな挑戦

ーー 先ほどお話に上がったA/DコンバーターのDAVINAはどのようなものになるのでしょうか。

ワッツ氏 こちらは研究を兼ねたプロジェクトなので、製品化するということがメインの目的で動いてないのです。なので、具体的にいつまでに完成させるかという目処はなんともいえません。また、ノイズフロアモジュレーションやエイリアスの問題など解決するべき課題も多いです。A/Dコンバーターの設計は難しいですが、今まで誰もやったことがないことに挑戦しているということです。

ーーーー DAVINAで録音させていただいた音源を、Blu MkIIやDAVEを使って再生できるときが、CHORDが目指す究極のサウンドを聴けるときということですね。本日はありがとうございました。

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