ヴァル氏のバックグラウンドも
インタビュー:V-MODA CEO ヴァル・コルトン氏が語る、モノづくりへの飽くなきこだわり
■有線接続を主体にチューニングした「Crossfade II Wireless」
−−ここからは具体的な商品についてお聞きしたいのですが、日本でも注目されているBluetooth対応のヘッドホン「Crossfade II Wireless」とイヤホン「FORZA METALLO WIRELESS」について、それぞれ特徴を教えて頂けますか?
ヴァル氏 ヘッドホンの「Crossfade II Wireless」の最も重要なポイントは、「ワイヤードの状態で最高の音がし、ワイヤレスでもお使い頂けるヘッドホン」という点です(関連ニュース)。
V-MODAの製品は「完全にアナログかつノーバッテリーで使える」ということがチューニングのベースになっています。他社製品の多くはワイヤレスが先に立ち、ワイヤードでも使えると謳っていますので、それとはちょうど逆の考え方ですね。全ての電子部品は、ワイヤード接続した瞬間にカットされます。バッテリーを使わず、アナログに切り替わることが重要なのです。また、ワイヤードであれば遅延がなく、ミュージシャンのモニタリングにもお使い頂けます。
ドライバーは独自開発の大口径50mmのもので、ハイレゾにも対応しています。日本製のCCAWボイスコイルを使っているところもセールスポイントです。ローズ・ゴールド・モデルはBluetoothの高音質コーデック「aptX」にも対応しています。
「STEELFLEX」と名付けたヘッドバンドは非常に柔軟で、DJヘッドホンとしても快適に使って頂けます。必要に応じて広げて頂ければ緩くなります。またクッションに関しては完成まで6か月かかり、私の夏休みの全てを捧げました(笑)。さらに折りたたみ機能も新たに備え、モバイルで快適に使えるというコンセプトを堅持しています。
なお本機はアクティブノイズキャンセリングこそ対応していませんが、パッシブノイズキャンセルの性能が高く、10dBのノイズ低減が可能です。そのほか外装のところで言いますと、ハウジングのフェイスプレートをカスタマイズ出来るということも挙げられます。いま検証しているところですが、2D、3Dでカスタマイズ出来るものを用意していきます。
■フィット感を追い求めた「FORZA METALLO WIRELESS」
−−ネックバンド型のBluetoothイヤホン「FORZA METALLO WIRELESS」についても教えてください。
ヴァル氏:開発の背景として、ネックバンドヘッドホンがアメリカでは非常に伸びており、非常にお客様から求められているタイプの製品である、ということがあります(関連ニュース)。
開発当初に考えたのが、人間工学的な見地から、体にしっかりフィットするイヤホンというコンセプトです。市場を見渡すと、フィット感に優先順位を置いているメーカーが少なかったので、メモリーフォームを採用し、フィット感に優れたワイヤレスイヤホンを作ろうと考えました。30種類以上のデザインパターンを作って試しました。イヤーピースは4サイズ、スポーツフィンを3サイズ同梱しており、計12パターンの組み合わせが可能ですので、フィット感の良さはお約束できます。
デザインについては、フォーマルなファッションにもフィットし、さらにはスポーツ用途にも使えるという点にこだわりました。たとえば男性ですと普段は襟付きのシャツを着る方が多いと思います。実際に私も今装着していますが、襟に隠れるようにデザインされているのがお分かりかと思います。
防汗性能を備え、スポーツ向けであるという点も強調したいです。特殊コーティングを施していますので、スポーツで大量の汗をかいても耐えられます。またIPX4の防水性能も備えています。
音質については、8mmのマイクロドライバーを搭載しています。このチューニングにも徹底的にこだわりました。1日中着けて聞いていてもうるさくなく、それでいてしっかり音の芯が伝わるレベルを、非常に時間をかけて探り当てました。
このように、我々はどういった状況で使われるのか、綿密な想定なもとに開発していますので、結果的に長く使って頂けるはずです。
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