DAP界の「帝王」、その誕生背景に迫る
Lotoo「PAW Gold TOUCH」キーマンインタビュー ― 独自OSの進化がさらなる性能をもたらした
また、さらなる注目は内部にFPGAを搭載する点だ。PAW Gold TOUCHで再生指示された音声信号は、AKM製のサンプルレートコンバーターAK4137やDSP、そして2基搭載されたAKM製のクロックジェネレーターAK8142によって動作処理が行われるが、その動作を司どるのがこのFPGAとなる。
Wang氏「このFPGAはオーディオルーターというべき役割を果たしています。PAW Gold TOUCHは、最大でDSD512、PCM 768kHzのネイティブ再生とアップサンプリング再生に対応しますが、この際のデジタルフィルター等の処理はすべてこのFPGAで行う仕組みです。これによって精度が高くかつクオリティの高いサウンドによるDA変換が可能です。また、それに伴って、パラメトリック・イコライザー機能やアッテネーター機能の性能も大きくブラッシュアップすることができました」
手のひらサイズほどのPAW Gold TOUCHだが、そこに盛り込まれた性能は据え置き機も凌駕するほどだ。また、単なるDAPとしてだけではなく、USB DAC機能を使用して本機をDAコンバーターとして活用することが可能なことに加え、USB Host機能を備えることも注目だ。
Wang氏「PAW Gold TOUCHはUSB-C端子を装備していますが、これは充電用以外に、USB Host機能としても動作します。このUSB -C端子からOTG接続することでファイル再生のためのトランスポートとして使用することが可能です。最近は同様の機能をDAPで装備する機器もありますが、PCM 768kHz、そしてDoPでのDSD256(11.2MHz)での出力は世界で唯一、PAW Gold TOUCHだけです」
また、今後もファームウェアのアップデートによって今後さまざまな機能を実装予定とのことで、しかもこの拡張はLotoo OSという自社で知り尽くしたプラットホームのもとで行われる。この「知り尽くしたOS」ということこそが、Android搭載機とは大きく異なるPAW Gold TOUCHの最大の強みとなる。
ディスプレイによる視認性と、新しいLotoo OSによる拡張性。これこそが前進モデルPAW Goldからの最も大きな変更点であり、PAW Gold TOUCHが他にはない魅力をたたえたDAPとなりえたことの原動力となっている。
その一方で、3.77インチという大型のタッチパネルを搭載したことで気になるのが音質への影響だ。これについては3者口を揃えて「影響はない」と言い切る。
Wang氏「PAW Gold Touchにはタッチパネルも含めてさまざまな機能を盛り込んでいますが、そのいずれもが異なる電源で動作しています。さらには各セクションでシールドでもしっかりと対策していますので、タッチパネルを採用した悪影響についても心配はありません。こうした徹底したノイズ対策とそれぞれに採用した最高クオリティのパーツ達、そして私達の現時点での集大成となるLotoo OS。これらが組み合わさることで、PAW Gold TOUCHはハイパワーでハイクオリティなDAPとなりました。おそらく、ここでそのメリットを全てお話しするよりもあとは皆様で実際に体験いただくことがなによりの証明となるはずです」
PAW Gold TOUCHに対して絶対的な自信を覗かせるLotooの開発陣。PAW Gold TOUCHは10月27日(土)、28日(日)に中野サンプラザで開催される「秋のヘッドホン祭2018」でも展示予定だ。「帝王の再臨」というキャッチコピーからも分かるとおり、PAW Goldで音質面で高い評価をうけたLotooの現時点での集大成とあるPAW Gold TOUCHの実力に一度触れてみてはいかがだろうか。