マクロス×オンキヨーコラボ限定イヤモニを福山さんもゲット
『マクロス7』“歌バサラ”が、オンキヨーの“熱気バサライヤモニ”でライブする?! 福山芳樹さんインタビュー
■福山さんの歌で『マクロス7』が大きく変わった?! 制作当時の裏話
—— 今年は『マクロス7』のテレビ放送開始から25年目という節目の年ですよね。先日のNHK BS「全マクロス大投票」の結果を見ていても、『マクロス7』や「熱気バサラ」というキャラ、そして「Fire Bomber」の楽曲が上位にランクインしていて、本当に長きにわたり愛されているのだなあと思いました。歌バサラのオファーがあった当時は、ここまでお付き合いが長く続くと思っていらっしゃいましたか?
福山さん:全然思ってなかったです。多分当時の関係者も、誰も思っていなかったんじゃないかと。そもそも楽曲だってほぼ全曲フェイドアウトで、いまみたいにライブイベントで使うなんて全く想定して作っていないつくりですしね。声担当と歌担当が違うという方式は『マクロス7』から始まったんですけど、だからこそ長くやってこられたのかなあ。
—— マクロスという作品を通じて、色々な方との出会いやご縁も生まれたわけですよね。たとえばバサラの声を担当された神奈延年さんとはとっても仲良くなって、バンド「福神」もやられていますし。
福山さん:神奈さんだってすごく歌が上手いから、当初は「俺だって歌えるのになんで歌は別の人なの?」と思ったそうです。でも僕の歌を聞いて「うん、こりゃしょうがない」と思ったって言ってました(笑)。
でも実はね、彼より僕の方がキャスティングが先だったみたいです。というのは、僕に渡された設定表には「熱気バサラ 19歳」と書いてあったんですが、神奈さんが渡されたのには「21歳」となってたんですよ。たぶん僕の歌を聞いて「これは19歳じゃなくて21歳だな」ってなったんだと思うんです。
それと予告編で神奈さんが「俺の歌を聞け!」という決めぜりふを言うんですけど、始めに録ってたやつは低くてクールなトーンだったのが、どんどん絶叫みたいになっていって(笑)。
—— 福山さんの存在が「熱気バサラ」のキャラづくりに大きく影響したんですね!
福山さん:ストーリーも変わったかも知れないですね、19歳から21歳に設定が変わったら。僕の想像ですけど、成長物語はなくなって、目標が決まってる男になったんじゃないかと。
レコーディングの時はとにかく時間がなかったことをよく覚えてます。作詞の方がその場にいて、録音しながら「ここ、歌詞がメロディーにおさまらないんですけど…」「あれ?じゃあこれナシにしましょう」なんてやっていましたね、夜中に。『Remember 16』なんて1番のサビから合ってなかったなあ(笑)。それとこれはこぼれ話なんですけど……『Seventh Moon』は、最終テイクじゃない、やり直す前のテイクが間違ってマスターに使われているところがあるんですよ(笑)。どことは言いませんけど!
—— 最初のテイクの良さがあったということで戻したんでしょうかね?!
福山さん:いや〜、単に間違ったんだと思います(笑)
それと歌のキー設定も、電話口で「福山くんってキーどのくらいまで出るの?」って聞かれて「このくらい」って実際に歌って決めましたしね。だから普通に作ってたら選ばないコードだと思うんですよ。「突撃ラブハート」はあんなロックな曲なのに、ギターでずーっと弦を押さえてなきゃいけないコードばっかりですからね!デモテープのときはもっと低いキーだったから、安心してたんですけどねえ(笑)。どんどん上がっていっちゃって。
でもキーが高すぎたのも、時間が足りなかったのも、今となっては良かったなと思いますね。余裕があってピッチも直せてたら、小綺麗になってた。熱気バサラはあんな無茶な人になってなかったと思うんですね。だから当時としては「もっとちゃんと歌えるのに…」と心残りだったところもあったんですけど、もう25年経っちゃったので、しょうがないというか、諦めてるというか、ライブ感だなと思いますね(笑)。
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