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INORANが新AL『Between The World And Me』をオーディオ目線で語る。Acoustuneイヤホンで聴き比べも
── なるほど。しかし我々としては、INORANさんご自身が作り手として面白かったというその “重層的なサウンド” をリスナーとしても楽しんでみたい! と、オーディオに興味を持ってくれるINORANファンの方も出てきてくれるかな? なんて期待もありまして…。
INORANさん ですよね(笑)。
── 前回イヤホンブランド「Acoustune」の最新ラインナップ3モデルを聴いていただいたと思います。その際には、中でも「HS1677SS」をお好みのご様子でした。
INORANさん ローが削れてしまうこともないし、逆にどこかの帯域にピークが出てしまうこともないし、癖がなくてバランスがいいですよね。低音の出方もソリッドでキレがある。改めて聴いてみてもやっぱりいい。
── HS1677Sのようなソリッドな低音のイヤホンをお好みだと、例えば「HS1657CU」のように低音を少し膨らませて豊かに響かせるタイプは苦手だったりしますか?
INORANさん いや、膨らませ方にもよりますね。それに時代ごとのトレンドもあれば自分の耳にもトレンドがあるし、聴く音楽に合う合わないもあるんで。
── 「今回の2枚のアルバムのサウンドと今のINORANさんの好みにフィットする」という条件でセレクトしていただくなら、やはりHS1677SSですか?
INORANさん そうですね。この音が自分のトレンドだと思います。ただ例えば家で聴く用と街で聴く用で別々に考えてもいいなら…。
── イヤホンマニアみたいなことを言い出しちゃいましたね(笑)。
INORANさん それっぽい?(笑)。
── では改めて、家で聴く用と街で聴く用で別々に考えるとするなら?
INORANさん 家の静かな環境で聴き込むなら、HS1657CUで豊かなサウンドをじっくり味わってもらうのもいいかもしれない。HS1677SSで聴くのとは曲の景色がぜんぜん変わりますよ。
例えばHS1677SSで聴くと、キックドラムがドンッと速く強く届いてくるんですよ。でもHS1657CUだとそのキックがベースの響きに包み込まれているような感じになっていたり。
── たしかにHS1657CUの音は「包み込むような」とか「広がりのある」といった表現をしたくなるタイプです。
INORANさん そういう音も気持ちいいですよね。でもそういう音の魅力的な部分って、街中とかだと周りの騒がしさにかき消されやすくてわかりにくいじゃないですか。その点、HS1677SSはひとつひとつの音がしっかり整理されているから、家でも街でもあまり変わらずに届いてくると思うんですよ。
── ちなみに前回から今回までの間に新製品「HS1300SS」も登場しました。こちらはお値段的にはぐっとお手頃です。
INORANさん それも聴かせてもらえる?……うん、曲をちゃんと収めてくれますね。さっき話したように今回の作品は何層にもなっていてそれぞれの聴こえ方があるんだけど、このモデルで聴くと元気というか、ロック的な雰囲気が引き立つかな。
── とするとINORANさんのバンドサウンドの作品の方にこそ合うタイプかもしれませんね。
INORANさん かもしれないですね。こうやって、このイヤホンで聴くとこういう聴こえ方になるとか、別のイヤホンだとあっちのアルバムを聴きたくなるとか、話が広がるのも面白いよね、オーディオって。
だから僕も、スマートフォンと普通のイヤホンで聴いてもらうことも想定するのと同じように、こうやってこだわったオーディオで聴いてくれる人たちにも楽しんでもらえるようなサウンドデザインをしていこうと思えるんです。
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