PR「ZMFらしさ」がどのモデルにも共通する
フジヤエービックに訊く、ZMF headphones初の平面駆動型ヘッドホン「Caldera」の魅力とは?
アメリカのヘッドホンブランド「ZMF headphones」から発売になった初の平面駆動型ヘッドホン「Caldera」が、ヘッドホンファンの間で大きな注目を集めている。その魅力を、「ヘッドフォン祭り」でもおなじみ、フジヤエービックの根本 圭さんにたっぷり語っていただいた。
ーー東京駅で開催された「ヘッドフォン祭 mini」でも注目のヘッドホンが多数登場しましたが、その中でもずっと試聴の列が途切れず関心が高かったモデルが、ZMF headphones初の平面駆動型ヘッドホン「Caldera」(カルデラ)でした。このブランドについては、根本さんは国内導入最初期から注目されていたんですよね。
根本 はい、まずはその前に、ZMF headphonesがどういうブランドなのかについてからお話できればと思います。アメリカ・イリノイ州でZach Mehrbach(ザック・メアファー)さんという方が立ち上げたブランドで、日本には2017年から導入されています。
アメリカでは、mod(モッド)と呼ばれる、既存のメーカー製品を改造して販売するというのがマニアの間でそれなりに評価されているのですが、ザックさんもそんなカスタマイズ職人の一人だったんです。でも、それだけでは飽き足らず、イチからオリジナルのヘッドホンを作ろう、ということで立ち上げたのがZMF headphonesです。
ザックさんは、フォステクスの「T50RP」という平面駆動型ヘッドホンの改造職人として有名でした。なので、今回ついに自社ブランドとして平面駆動型にトライした、という点がまず面白い点です。
ーーザックさんが長年温めてきたアイデアがついに形になった、ということですね。
根本 Calderaの前に、「Atrium」という開放型のヘッドホンがありまして、「アトリウムダンピングシステム」というヘッドホンの背面圧などをコントロールする機構を新しく開発しています。これで音質を細かくコントロールできるようになったことで、平面駆動型が実現できた、というのもあるようです。
ーーAtriumがあったからこそCalderaが生まれてきた、と。
根本 ZMFのユニークなところは、見た目は割とオールドスクールというか、無骨なフレームに木のハウジング、というシンプルなスタイルなのですが、内部には非常に高度な技術を入れたり特別な素材を使ったりしているのですよね。信念の強さを感じます。
ーー新しいCaldraをお聴きになられた印象はどんな感じですか?
根本 Caldraは素晴らしいヘッドホンですね。ステージングが広く、表現力がリッチな感じがします。ZMFはもともと中域の密度の高さが魅力でしたが、さらに広がってオールマイティな表現力を獲得した印象ですね。
これまでZMFをお聴きになったお客様からも、中低域が最もよく聴こえる、というお話はよく伺っておりましたので、それが今回のCaldraでもしっかり継承されています。平面駆動ドライバーですから、すべての音域をしっかり出しているのですが、でも聴かせたい中域はしっかりしていて、エモーショナル。それがザックさんの個性なのかなって思います。
ーー平面駆動型といえばフラットで高解像度、という印象がありましたが、そこにZMFらしさがちゃんと加わっている感じですね。
根本 それに、やはり木のハウジングのヘッドホンである、ということは大きいです。ザックさん自身がアコースティックギターを作っていたこともあるそうで、音の傾向もアコースティックを綺麗に鳴らすようなところがありますよね。
ーー今回のCaldraは、イヤーパッドの形状も独特です。
根本 イヤーパッドで最後の音作りをした、というようなお話も聞いております。外してみると真ん丸ではなくて後ろのほうが少し分厚くなっています。縫い目が下に来るようにはめ込んで使用します。
ーー「Caldera」と同時に、「Atrium Closed」も発売されました。こちらの印象はどうでしたか?
根本 Atrium Closedは振動板の素材にバイオセルロースを使っているのが特徴です。ZMFはバイオセルロースとエラストマー、ベリリウムと3種類の素材を使い分けていて、それが音質にもきちんと反映されているのが面白いです。バイオセルロースはヘッドホンマニアにとって特別な響きがありまして、最初の「Atrium」(開放型)が発表されたときはかなり話題になりましたね。
Atrium Closedは密閉型で音の密度感が高いので、例えばライヴ収録の音源などでは、アーティストの情感が手に取るように伝わってきます。
一方のCalderaは平面駆動ですから、どの音域も均等に出してきますね。中域の濃さは先程申し上げたとおりですが、やはりAtrium Closedに比べると音域が広い印象で、スタジオ録音の方がおすすめかもしれません。そういう使い分けもできますね。
ーーイヤーカップのデザインも毎回面白いですよね。
根本 実はこれ、オーダーする時期によってどんな木が来るのかわからなくて、販売店としてはお客様に説明しにくいところではあるのです(笑)。ですが、ある意味一点ものとも言えるわけで、それもこのブランドの味と言えるでしょうね。
ZMFのヘッドホンで印象的なモデルを思い出しました。最近はイヤホンなどでも採用がありますが、スタビライズド・ウッドという木に樹脂と染料を染み込ませたカラフルなものを大々的に使用したのはZMFが最初だったかもしれません。以前ブログでもご紹介しましたが、元は天然のものに樹脂を入れているので、模様がひとつひとつ異なります。大手ではなかなかできない取り組みだと思います。
ーー仕上げも美しくて、所有する喜びが高まる製品ですね。
根本 見た目に関しても音に関しても「ZMFらしさ」がどのモデルに共通していて、ザックさんの思想が明確にあるんだと思います。直接お会いしたことはありませんが、なんとなく“職人気質”みたいなものを感じるんですね。ぜひ日本のヘッドフォン祭りにも来ていただいて、日本のお客様の熱気を感じてほしいですね。
ーー確実にラインナップを増やしつつ、音も進化させつつ、でもZMFの核となる部分はブレない、というのがすごいですね。フジヤエービックでは、ZMFのヘッドホンは試聴できますか?
根本 お借りしているもののため、いつでも必ずある、というわけではありませんので、試聴をご希望の際には事前にお問い合わせいただければと思います。やはりこの価格の製品ですから、イベントでちょっと聴いて判断できるものではありません。ぜひお店に足を運んでいただいて、ZMF headphonesの魅力を感じていただければと思います。
(提供:ブライトーン)
カスタマイズ職人がイチから立ち上げたアメリカのブランド
ーー東京駅で開催された「ヘッドフォン祭 mini」でも注目のヘッドホンが多数登場しましたが、その中でもずっと試聴の列が途切れず関心が高かったモデルが、ZMF headphones初の平面駆動型ヘッドホン「Caldera」(カルデラ)でした。このブランドについては、根本さんは国内導入最初期から注目されていたんですよね。
根本 はい、まずはその前に、ZMF headphonesがどういうブランドなのかについてからお話できればと思います。アメリカ・イリノイ州でZach Mehrbach(ザック・メアファー)さんという方が立ち上げたブランドで、日本には2017年から導入されています。
アメリカでは、mod(モッド)と呼ばれる、既存のメーカー製品を改造して販売するというのがマニアの間でそれなりに評価されているのですが、ザックさんもそんなカスタマイズ職人の一人だったんです。でも、それだけでは飽き足らず、イチからオリジナルのヘッドホンを作ろう、ということで立ち上げたのがZMF headphonesです。
ザックさんは、フォステクスの「T50RP」という平面駆動型ヘッドホンの改造職人として有名でした。なので、今回ついに自社ブランドとして平面駆動型にトライした、という点がまず面白い点です。
ーーザックさんが長年温めてきたアイデアがついに形になった、ということですね。
根本 Calderaの前に、「Atrium」という開放型のヘッドホンがありまして、「アトリウムダンピングシステム」というヘッドホンの背面圧などをコントロールする機構を新しく開発しています。これで音質を細かくコントロールできるようになったことで、平面駆動型が実現できた、というのもあるようです。
ーーAtriumがあったからこそCalderaが生まれてきた、と。
根本 ZMFのユニークなところは、見た目は割とオールドスクールというか、無骨なフレームに木のハウジング、というシンプルなスタイルなのですが、内部には非常に高度な技術を入れたり特別な素材を使ったりしているのですよね。信念の強さを感じます。
オールマイティな表現力を獲得した「Caldera」
ーー新しいCaldraをお聴きになられた印象はどんな感じですか?
根本 Caldraは素晴らしいヘッドホンですね。ステージングが広く、表現力がリッチな感じがします。ZMFはもともと中域の密度の高さが魅力でしたが、さらに広がってオールマイティな表現力を獲得した印象ですね。
これまでZMFをお聴きになったお客様からも、中低域が最もよく聴こえる、というお話はよく伺っておりましたので、それが今回のCaldraでもしっかり継承されています。平面駆動ドライバーですから、すべての音域をしっかり出しているのですが、でも聴かせたい中域はしっかりしていて、エモーショナル。それがザックさんの個性なのかなって思います。
ーー平面駆動型といえばフラットで高解像度、という印象がありましたが、そこにZMFらしさがちゃんと加わっている感じですね。
根本 それに、やはり木のハウジングのヘッドホンである、ということは大きいです。ザックさん自身がアコースティックギターを作っていたこともあるそうで、音の傾向もアコースティックを綺麗に鳴らすようなところがありますよね。
ーー今回のCaldraは、イヤーパッドの形状も独特です。
根本 イヤーパッドで最後の音作りをした、というようなお話も聞いております。外してみると真ん丸ではなくて後ろのほうが少し分厚くなっています。縫い目が下に来るようにはめ込んで使用します。
ーー「Caldera」と同時に、「Atrium Closed」も発売されました。こちらの印象はどうでしたか?
根本 Atrium Closedは振動板の素材にバイオセルロースを使っているのが特徴です。ZMFはバイオセルロースとエラストマー、ベリリウムと3種類の素材を使い分けていて、それが音質にもきちんと反映されているのが面白いです。バイオセルロースはヘッドホンマニアにとって特別な響きがありまして、最初の「Atrium」(開放型)が発表されたときはかなり話題になりましたね。
Atrium Closedは密閉型で音の密度感が高いので、例えばライヴ収録の音源などでは、アーティストの情感が手に取るように伝わってきます。
一方のCalderaは平面駆動ですから、どの音域も均等に出してきますね。中域の濃さは先程申し上げたとおりですが、やはりAtrium Closedに比べると音域が広い印象で、スタジオ録音の方がおすすめかもしれません。そういう使い分けもできますね。
所有する喜びを掻き立てる“一点もの”デザイン
ーーイヤーカップのデザインも毎回面白いですよね。
根本 実はこれ、オーダーする時期によってどんな木が来るのかわからなくて、販売店としてはお客様に説明しにくいところではあるのです(笑)。ですが、ある意味一点ものとも言えるわけで、それもこのブランドの味と言えるでしょうね。
ZMFのヘッドホンで印象的なモデルを思い出しました。最近はイヤホンなどでも採用がありますが、スタビライズド・ウッドという木に樹脂と染料を染み込ませたカラフルなものを大々的に使用したのはZMFが最初だったかもしれません。以前ブログでもご紹介しましたが、元は天然のものに樹脂を入れているので、模様がひとつひとつ異なります。大手ではなかなかできない取り組みだと思います。
ーー仕上げも美しくて、所有する喜びが高まる製品ですね。
根本 見た目に関しても音に関しても「ZMFらしさ」がどのモデルに共通していて、ザックさんの思想が明確にあるんだと思います。直接お会いしたことはありませんが、なんとなく“職人気質”みたいなものを感じるんですね。ぜひ日本のヘッドフォン祭りにも来ていただいて、日本のお客様の熱気を感じてほしいですね。
ーー確実にラインナップを増やしつつ、音も進化させつつ、でもZMFの核となる部分はブレない、というのがすごいですね。フジヤエービックでは、ZMFのヘッドホンは試聴できますか?
根本 お借りしているもののため、いつでも必ずある、というわけではありませんので、試聴をご希望の際には事前にお問い合わせいただければと思います。やはりこの価格の製品ですから、イベントでちょっと聴いて判断できるものではありません。ぜひお店に足を運んでいただいて、ZMF headphonesの魅力を感じていただければと思います。
(提供:ブライトーン)