松下電器、田中専務が語る「創生21」
松下電器全社の経営概況として、2000年度中間期は3年ぶりに増収となった。携帯電話、パソコンなどIT商品を中心に絶好調であった。下期増収増益の見込みとしては、デジタルテレビ、デジタルビデオカメラの人気、4月から始まる家電リサイクル法直前の駆け込み需要で民生分野も立ち上がり、順調に行くものと予測している。
松下電器が2003年までの中期計画として発表した「創生21」。20世紀家電産業の中にあって、松下電器はリーディングカンパニーであった。しかし、1980年代には、勝利のビジネスモデルは崩壊した。1990年代の松下電器は、マイナス成長、低収益を防ぐために、改革に継ぐ改革を行った。もはや20世紀型ビジネスモデルでは21世紀に生存し得ないと判断し、21世紀を迎えるにあたって旧来の構造を破壊し、そしてあらたな構造を創造していく。
21世紀型ビジネスモデルについて、松下電器はこう考える。
1価格競争をぬきにした市場は存在しない 2コスト競争力の欠如は死を意味する 3ITが人間労働力にとってかわる 4労働力の提供量で勝敗が決まる時代は終わり、社員ひとりひとりの存在意義が問われる
また21世紀に求められる社員像は
1コスト力,スピード力 2IT武装 3プロ能力 4ソリューション想像力、提案力 5顧客本位のマネージメント経営 といった能力を有すること。
このような考えにのっとり、松下電器は大規模な組織変更、マネージメントのしくみ変更、体制改革を行うに至った。パナソニック、ナショナル、各ブランドを明確に区分した戦略展開をめざし、製作、販売の営業の統合化をはかるというものである。具体的には、家電情報営業本部、lec本部の解体。ナショナル、パナソニックの営業部隊が集結、宣伝機能も備えたマーケティング本部の新設である。
マーケティング本部は、マーケティング、営業、宣伝のすべての活動を担い、シンプル、スピーディ、ストラテジック、スリムな少数精鋭体制を目指す。また、サービス、クレジット、物流のポストについては、従来のようなナショナル、パナソニックの支援部隊でなく、それぞれ自立して利益を得る体制を目指す。
松下電器は、以上のような決意と体制をもって21世紀を迎える。(Phile-webスタッフ)