AVCメーカー各社に聞く! 新春アンケート第3回
●Senka21新年号よりお届けする「有力メーカー各社に聞く2001年」。
最初の設問は、「21世紀の始まりとなる2001年、ユーザーのライフスタイル及び消費行動についてどのようにお考えですか」
(第3回)
●日立製作所
「個々の判断基準で行動し、商品の普及速度が早まる」
21世紀の家庭は「居住」から「滞在」型へと変化していく。人は家に居ることで便利なサービスと癒しを求めるようになる。その中では、最高が最適とは限らず、私たち一人一人の生活に対して最適であるかどうかが判断基準となる。「滞在」型の家庭生活では、必要なものと必要でない部分の見極めが重要となる。個人は自分自身のバランスシートと、家族のバランスシートの使い分けを行い、大きな背伸びをするのではなく、それぞれの価値観に基づいた行動を優先するようになる。
このようなライフスタイルへの変化過程において、個人の消費は、選別をより強めるようになる。その一方で、特定の商品に選別が集中した場合、その商品の普及限界に達するスピードがさらに早まることにより、流行の一過性現象が引き続くものと予想される。
●富士通ゼネラル
「BSデジタル放送における双方向機能に期待」
2001年は21世紀のスタートの年ではあるが、同年にユーザーのライフスタイルや消費行動が大きく変化するとは考えていない。ただし、映像機器の世界においては、BSデジタル放送における双方向機能が、携帯電話に代表される双方向機能付き機器と同様の反響があると思われるので、この点について注目していく必要があると考えられる。
●富士フイルムアクシア
「モバイル感覚の魅力が浸透しシリコンオーディオがより身近に」
今までのシリコンオーディオプレーヤー市場は、パソコン周辺機器の域を脱していないが、急速にオーディオ機器としての新しい市場を形成して行くものと思われる。家庭でのインターネット利用率の増加や、携帯電話も含めたモバイルツールがあたりまえのように使われるようになってきており、ネットワークと連動しているシリコンオーディオプレーヤーは自然にユーザーのライフスタイルに浸透して行くと思われる。既存のポータブルオーディオでは実現できなかった小ささ、ウェアラブルなスタイルも大きな魅力となる。
音楽配信の利用が一般的になるには快適な通信環境が求められるが、パソコンで音楽を管理し、モバイル感覚で気軽に音楽を楽しめるツールとしての魅力が理解・浸透することで、より身近な存在になっていくだろう。
●船井電機
「DVDプレーヤーを柱にデジタル関連商品の拡充に力を入れる」
テレビ通販(CATV、デジタル衛星放送など)の拡大が予想される。また、デジタル関連商品の需要拡大がさらに進む。
●ボーズ
「新方式へ移行する過程では消費者の理解が重要となる」
急激な景気の回復は望めないが、BSデジタル関連商品の本格普及と、引き続きDVDを中心としたホームシアター関連商品の市場拡大が予想され、ユーザーの消費行動はAV市場が中心となる。ただし、新しい方式への移行の過程においては消費者の理解が重要であり、一方的な提案による買い控えを懸念する。
また、「個性」を重視する傾向が益々強まり、オーディオ製品を含むインテリアのトータルコーディネイトを行いたいというニーズが益々高まるだろう。
●松下電器産業
「各人の豊かな生活を目指し、『もの消費』から『こと消費』へ」 各個人のライフスタイルはさらに多様化がすすむとともに、そのなかで各人(自分)が目指す「より豊かな生活」を支えるエンターテインメント・情報活用・コミュニケーション分野が一層発展するものと思われる。また、これらの分野は商品の変化としてデジタル化が進み、「単品」の時代から「ネットワーク化」がさらに進展する。消費行動の変化としては商品購入時に従来の「単品スペック比較中心」から、「ネットワークでできること」「自分がしたいこと」を中心とした商品選択が拡大する。「もの」の消費から「やりたいこと=ライフスタイル」への消費性向が強くなってくると思われる。
●三菱電機
「個が中心の消費のなか、家庭の一体感も求められる」
一層個人の好みのものへの傾斜投資が進行する。欲しいものなら消費するが、それ以外は選別がさらに進むと考えている。携帯電話を中心に、個が使い、モバイルの可能な商品に人気は集中する。買い替え消費のなかでは、従来無かった目新しい革新感のある商品に消費が集中する。この反動として家族で一体感を形成するものも求められる。
●ヤマハ
「情報化が急速進展。商品カテゴリーの世代交代も鮮明に」
個人レベルでの情報化が携帯電話や携帯端末を中心に急速に発達した2000年に引き続き、2001年も大幅な通信のコストダウンとスピードアップが期待され、より本格的な情報化が進行するのは間違いない。氾濫する情報の中から発生する情報の選択と集中は流行サイクルの速度を速め、消費はさらに活性化していくと考えられる。
また、BSデジタル放送の開始などデジタル技術による飛躍的な技術革新は既存商品の商品寿命の短縮化を招き、新製品への買い替えが促進されると思われる。しかし逆に技術革新の乏しい商品カテゴリーは急激に総需要の飽和点を迎え、商品カテゴリーの世代交替がより鮮明になってくると考えられる。
(Senka21編集部)
最初の設問は、「21世紀の始まりとなる2001年、ユーザーのライフスタイル及び消費行動についてどのようにお考えですか」
(第3回)
●日立製作所
「個々の判断基準で行動し、商品の普及速度が早まる」
21世紀の家庭は「居住」から「滞在」型へと変化していく。人は家に居ることで便利なサービスと癒しを求めるようになる。その中では、最高が最適とは限らず、私たち一人一人の生活に対して最適であるかどうかが判断基準となる。「滞在」型の家庭生活では、必要なものと必要でない部分の見極めが重要となる。個人は自分自身のバランスシートと、家族のバランスシートの使い分けを行い、大きな背伸びをするのではなく、それぞれの価値観に基づいた行動を優先するようになる。
このようなライフスタイルへの変化過程において、個人の消費は、選別をより強めるようになる。その一方で、特定の商品に選別が集中した場合、その商品の普及限界に達するスピードがさらに早まることにより、流行の一過性現象が引き続くものと予想される。
●富士通ゼネラル
「BSデジタル放送における双方向機能に期待」
2001年は21世紀のスタートの年ではあるが、同年にユーザーのライフスタイルや消費行動が大きく変化するとは考えていない。ただし、映像機器の世界においては、BSデジタル放送における双方向機能が、携帯電話に代表される双方向機能付き機器と同様の反響があると思われるので、この点について注目していく必要があると考えられる。
●富士フイルムアクシア
「モバイル感覚の魅力が浸透しシリコンオーディオがより身近に」
今までのシリコンオーディオプレーヤー市場は、パソコン周辺機器の域を脱していないが、急速にオーディオ機器としての新しい市場を形成して行くものと思われる。家庭でのインターネット利用率の増加や、携帯電話も含めたモバイルツールがあたりまえのように使われるようになってきており、ネットワークと連動しているシリコンオーディオプレーヤーは自然にユーザーのライフスタイルに浸透して行くと思われる。既存のポータブルオーディオでは実現できなかった小ささ、ウェアラブルなスタイルも大きな魅力となる。
音楽配信の利用が一般的になるには快適な通信環境が求められるが、パソコンで音楽を管理し、モバイル感覚で気軽に音楽を楽しめるツールとしての魅力が理解・浸透することで、より身近な存在になっていくだろう。
●船井電機
「DVDプレーヤーを柱にデジタル関連商品の拡充に力を入れる」
テレビ通販(CATV、デジタル衛星放送など)の拡大が予想される。また、デジタル関連商品の需要拡大がさらに進む。
●ボーズ
「新方式へ移行する過程では消費者の理解が重要となる」
急激な景気の回復は望めないが、BSデジタル関連商品の本格普及と、引き続きDVDを中心としたホームシアター関連商品の市場拡大が予想され、ユーザーの消費行動はAV市場が中心となる。ただし、新しい方式への移行の過程においては消費者の理解が重要であり、一方的な提案による買い控えを懸念する。
また、「個性」を重視する傾向が益々強まり、オーディオ製品を含むインテリアのトータルコーディネイトを行いたいというニーズが益々高まるだろう。
●松下電器産業
「各人の豊かな生活を目指し、『もの消費』から『こと消費』へ」 各個人のライフスタイルはさらに多様化がすすむとともに、そのなかで各人(自分)が目指す「より豊かな生活」を支えるエンターテインメント・情報活用・コミュニケーション分野が一層発展するものと思われる。また、これらの分野は商品の変化としてデジタル化が進み、「単品」の時代から「ネットワーク化」がさらに進展する。消費行動の変化としては商品購入時に従来の「単品スペック比較中心」から、「ネットワークでできること」「自分がしたいこと」を中心とした商品選択が拡大する。「もの」の消費から「やりたいこと=ライフスタイル」への消費性向が強くなってくると思われる。
●三菱電機
「個が中心の消費のなか、家庭の一体感も求められる」
一層個人の好みのものへの傾斜投資が進行する。欲しいものなら消費するが、それ以外は選別がさらに進むと考えている。携帯電話を中心に、個が使い、モバイルの可能な商品に人気は集中する。買い替え消費のなかでは、従来無かった目新しい革新感のある商品に消費が集中する。この反動として家族で一体感を形成するものも求められる。
●ヤマハ
「情報化が急速進展。商品カテゴリーの世代交代も鮮明に」
個人レベルでの情報化が携帯電話や携帯端末を中心に急速に発達した2000年に引き続き、2001年も大幅な通信のコストダウンとスピードアップが期待され、より本格的な情報化が進行するのは間違いない。氾濫する情報の中から発生する情報の選択と集中は流行サイクルの速度を速め、消費はさらに活性化していくと考えられる。
また、BSデジタル放送の開始などデジタル技術による飛躍的な技術革新は既存商品の商品寿命の短縮化を招き、新製品への買い替えが促進されると思われる。しかし逆に技術革新の乏しい商品カテゴリーは急激に総需要の飽和点を迎え、商品カテゴリーの世代交替がより鮮明になってくると考えられる。
(Senka21編集部)