日本TI、SACD対応機器用ステレオA/Dコンバーターのサンプル出荷を開始
『PCM1804』は、A/Dコンバーターとしては業界で初めて、DSD(Direct Stream Digital)規格の出力を実現した24ビット分解能、最大サンプリング・レート192kHzのディファレンシャル入力A/Dコンバーター。これまで、DSD規格に対応したD/Aコンバータはあったが、A/Dコンバーターは無かった。今回、SACD(スーパー・オーディオCD)対応機器の市場に向けて、DSD規格の出力を実現した。
従来のオーディオ用A/Dコンバータで110dB以上のダイナミック・レンジを実現するためには、変換ループ内で2ビット以上のD/Aコンバータを搭載したデルタ・シグマ・モジュレータを用いなくてはならず、開発が難しかった。『PCM1804』は独自のアーキテクチャとこれを実現するアナログ回路により、モジュレータの出力から直接64fsの1ビット・ストリーム・データを取り出すことに成功した。
同時に、チップ面積や消費電力の増大を最小限に留めたことにも注目したい。
同社では、このコンバーターについて「価格性能比に優れているため、普及価格のDVD/CD/MDプレーヤーから、AVアンプ、AVレシーバーなどの高額機器まで、幅広い採用を見込んでいる」と説明している。
また同社は、24ビット分解能、最大サンプリング・レート96kHz、シングルエンド入力のステレオA/Dコンバータ『PCM1802』の発表も同時に行った。こちらもすでにサンプル出荷を開始しており、サンプル価格は600円となっている。(Phile-web編集部)
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