瓜型スピーカー「U-VOLA」開発元のSYN FACTORY社長インタビュー
<左>これがU-VOLA。一見スピーカーには思えない大胆なデザイン <右>開発元のSYN FACTORY社長 コペッティ氏 |
いまいちばんセンセーショナルなスピーカー、U-VOLA(ウーヴォラ)の日本への輸入が(株)アッカの手によりこの春始まった。
プロモーションのために来日したSYN FACTORYの社長兼チーフデザイナー、アレッサンドロ・コペッティ氏がホームシアターファイル編集部を4月23日に訪問した。当日の氏へのインタビューのくわしいもようは、6月20日刊行のVOL.14をお待ちいただくことにして、予告編をお届けしよう。
SYN FACTORYは、イタリアのジェモーナ(ヴェネチアの近く)に本拠を置くメーカーで、イタリアの他のハイファイオーディオメーカーと同様に、手工業的性格の色濃い、いわば音の工房である。ただし、他社と異なっているのは、生産される製品が従来のオーディオと発想を異にしていることと、社長のコペッティ氏が建築学校を卒業した建築家兼で工業デザイナーであることだ。
彼は1992年、セメントと鉱物によるハイブリッド構造材・KCFを開発、この新材料はヨーロッパの建築界から称賛を持って受けいれられ、安藤忠雄が設計を手がけたジョルジュ・アルマーニのミラノのホールにも床材として採用されている。KCFに続くコペッティ氏のチャレンジが、デザインに関して幅広いスタディとビジネスを手がけるSYN FACTORYの立ち上げで、その製品第一作が、KDF素材によるスピーカー・U-VOLAである。
U-VOLAは、ご覧の通り、セメントと鉱物の集成による鋭角の全くない成型キャビネットを持つ。使用されるユニットはダイナミック型の2ウェイである。キャビネットによる音の回析が原理的にないので、ハイファイ用スピーカーとしては理想的な形状である。手にとって見るとズッシリ重く(8kg)、サスペンションを持ったスチールワイヤか弧を描く吊り下げ式スタンドでセットする。
Q(編集部)「これまでヨーロッパで何セットくらい出荷しましたか?」
A(コペッティ)「6200本くらいです。」
Q「2chハイファイを再生するという用途が中心に思えますが、AVやホームシアターのマルチチャンネルにも応用できますね。」
A「ええ、こんなアイデアがあります。(といって、小型のU-VOLAを横にして吊り下げた絵を書く)センタースピーカーやサラウンドにも使えると思います。」
Q「日本での導入例は?」
A(アッカ・本間社長)「西麻布のヘアサロンとダイニングバーにすでに納品しました。とてもいい感じにインストールできています。」
Q「会社の今後の抱負は?」
A(コペッティ)「ビジネスの世界で先を急いで、転んだ先例をいくつも知っています。U-VOLAを中心に着実に歩んでいくつもりです。」
試聴印象は先述のホームシアターファイルVOL.14(6月20日刊行)にて。(ホームシアターファイル編集部)